サステナビリティ

気候戦略/カーボンニュートラルへの取り組み

気候変動戦略

NGKグループでは、地球温暖化の主要因であるCO2に対して、排出削減目標を設定し、目標達成に向けた取り組みを進めています。
また日本ガイシでは、脱炭素経営の実践、協働ビジネスへの試み、政策提言と発信活動、国際連携・共働に取り組む、日本気候リーダーズ・パートナーシップ[Japan Climate Leaders’ Partnership(Japan-CLP)]に加盟しています。

TCFD提言への賛同

気候関連財務情報開示タスクフォースのロゴマークです。

NGKグループではパリ協定以降の国や企業の動向に対して、従来以上の取り組みを検討する必要があると認識してきました。まずは気候変動に対するリスクと機会の分析を行い、削減計画につなげるTCFDの取り組みに賛同することが重要との経営層の判断から、2020年2月TCFDに賛同することを表明しました。
2021年度から本社部門のメンバーを中心にTCFDタスクフォース(TCFD-TF)を立ち上げ、TCFDに基づく情報開示の検討に着手しました。

TCFDとは、金融安定理事会(FSB)により設立された「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」です。2019年6月のG20大阪サミットを契機に多くの日本企業が賛同を表明しました(2021年7月26日現在で451の企業と機関)。

気候変動によるリスクの管理

ESG会議で提案された行動計画を取締役会で審議し、グループの環境経営の取り組みを決定しています。さらに2019年度より、社長以下の経営層をメンバーとしたESG会議を発足し、ESGに関する重要な課題や戦略・行動計画などについて議論しています。気候変動によるリスク管理はこれらの場で議論されます。気候変動問題に対する目標と戦略については、ESG会議および取締役会での議論を経て、2021年4月にNGKグループ環境ビジョンの中で開示しました。CO2削減目標は、2030年対2013年度比50%削減、2050年ネットゼロを設定しました。今後TCFDの推奨する開示を進めていきます。

新たなカーボンオフセットの取り組み

NGKグループでは、NGKグループ環境ビジョンに掲げた2050年までにCO2排出ネットゼロを達成するためには、従来から実施している省エネ活動だけでは、目標到達は困難が予想されます。そこで削減不足分を補うという意味で、国内外においてさまざまなスキームで従来にない大規模なカーボンオフセットの取り組みを実施していきます。

2021年度すでに以下の案件を実施しました。

  • 日本ガイシ3事業所(名古屋、知多、小牧)とグループ会社(NGKセラミックデバイス本社)の都市ガスを全量カーボンニュートラル都市ガスに切り替え
    (CO2換算で約3万トン/年の削減につながります)
  • ベルギーの製造拠点(NGKセラミックスヨーロッパ)にて、洋上風力由来の再生可能エネルギー電力100%に切り替え
    (CO2換算で約3,000トン/年の削減につながります)
  • ポーランドの製造拠点(NGKセラミックスポーランド)にて、電力使用量分を再生可能エネルギー証書でオフセット (CO2換算で約20万トン/年の削減につながります)

気候変動目標

NGKグループでは、地球温暖化の主要因であるCO2に対して、環境行動5カ年計画にて、排出削減目標を設定しています。

地球温暖化防止

生産活動におけるCO2削減

NGKグループは、5カ年計画で設定したCO2削減目標の達成に向け、国内外の全生産拠点にて事業計画に沿った年次改善計画を立案・管理することにより、着実に成果を積み上げてきました。
第4期環境行動5カ年計画の最終年度となった2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響により主要製品が需要減となり、生産量が減少しました。しかし、下期は需要が回復し、また拠点での努力で生産能力も回復し、さらに新規設備の立ち上げも進みました。その結果、売上高原単位の削減については、2019年度から大きく改善し、5カ年計画目標である対2013年度20%削減を達成しました。一方、生産量原単位の改善を反映する対BAU削減率は、原単位の改善以上に物量減が大きく影響し、目標未達に終わりました。
なお、2021年度からはNGKグループ環境ビジョンで掲げた2050年CO2排出ネットゼロ実現に向けて、管理指標を原単位からCO2排出量に見直します。また電力については再生可能エネルギー利用率も目標に設定します。今後もグループ全体でCO2排出削減に努めます。

注記
環境行動計画でのCO2排出量の算定では、過去からの目標値の整合性を考慮し、下記の通り、「環境パフォーマンス」と異なるCO2換算係数を用いています。
CO2排出量=Σ(各エネルギー使用量×各エネルギーのCO2換算係数) <エネルギーのCO2換算係数>
(電力の係数の単位)kgCO2/kWh(燃料の係数の単位)kgCO2/燃料の単位 電力:日本 0.42, 米国 0.709, ベルギー 0.292, フランス 0.061, ポーランド 0.986, 南アフリカ 1.096, 中国 0.983, タイ 0.687, インドネシア 0.790, オーストラリア 1.390, メキシコ 0.741, マレーシア 0.543
燃料:天然ガス(Nm3) 2.02, 都市ガス(Nm3) 2.29, LPG(kg) 3.007, LNG(kg)2.70,軽油(L) 2.64, A重油(L) 2.677, 灯油(L) 2.49, 産業用蒸気(MJ)0.06

CO2排出量・売上高原単位の推移(NGKグループ 全生産拠点)

CO2排出量・売上高原単位の推移グラフです。売上高原単位の削減については、2019年度から大きく改善し、5カ年計画目標である対2013年度20%削減を達成しました。

双信電機の売上高とCO2排出量は全期間除外

対BAU削減率の推移(NGKグループ 全生産拠点)

対BAU削減率の推移グラフです。原単位の改善以上に物量減が大きく影響し、目標未達に終わりました。

双信電機の売上高とCO2排出量は全期間除外

環境に優しいプロセスの導入

NGKグループでは、生産効率の向上や排熱の回収・利用の促進、エネルギー効率の高い設備導入などによって、生産に伴う環境負荷の低減に努めています。また、競争力強化を目指し、さらに進化したエコプロセスを構築していきます。

連続焼成炉 導入年代別CO2比較

連続焼成炉における、導入年代別のCO2排出量を比較したグラフです。1984年を100とした場合、2015年には31に減りました。

代表的な生産設備である連続焼成炉のCO2原単位削減推移。

CO2排出削減の方策と効果

NGKグループでは、海外での生産が拡大する中、グループ全体のCO2排出削減を図るため、海外拠点での生産の効率化に注力しています。これまで国内で実施した革新的製造プロセスの導入や設備改善、運用改善などを海外の生産拠点にも積極的に展開するほか、汎用設備を対象とした省エネルギー活動を推進し、着実に成果を積み上げています。

<CO2排出削減に向けた主要な取り組み>

区分 方策 効果(2020年度)
生産プロセスの高効率化 海外拠点での生産効率化の主な取り組み
  • 革新的製造プロセスの導入
  • 設備改善
  • 運用改善
CO2 削減効果(0.9万トン)
  • 国内 0.4万トン
  • 海外 0.5万トン
このうち
  • 生産プロセスの改善
    • 国内 0.2万トン
    • 海外 0.3万トン
  • 汎用設備の省エネ活動
    • 国内 0.3万トン
    • 海外 0.2万トン
グループ会社への省エネサポート 海外拠点での省エネ推進
  • 当社独自の省エネ事例集とガイドライン英語版を制作、海外拠点に展開
  • 本社スタッフが現地を訪問、現地従業員と共同で実施
汎用設備の省エネ活動 水平展開した主な改善
  • ボイラーの高効率化更新
  • エアーや蒸気の漏れの防止、使用量の適正化
  • 照明のLED化
  • 空調機器の更新と運転条件の適正化

汎用設備と建物の省エネ化

NGKグループでは、従来から照明・空調・蒸気・工場エアーなどの汎用設備の省エネ活動に取り組んでいます。汎用設備の省エネは、共通するノウハウ情報を本社部門から各拠点に水平展開することで、効率的により大きな成果につなげています。
また、建物についても新設・更新時に大幅な省エネ・ZEB(ゼロエネルギービル)化を図っています。

(1)本社工務部門から海外生産拠点への省エネサポート

数年前から、本社工務部門のメンバーが海外生産拠点に赴いて省エネ診断を実施し、国内でのノウハウを活かした省エネ対策を、現地メンバーとともに行っています。こうした活動の結果、NGKセラミックスポーランドなどで省エネの成果があがっています(「グループ会社における地球温暖化防止の取り組み」参照)。

(2)省エネ事例集、ガイドライン冊子の発行・配布

グループ内で発行している、省エネ事例集の写真です。

省エネ事例集やガイドラインは、電子版にてグループ内で情報を共有するほか、生産現場で活用しやすいように、冊子を発行し、国内外の全生産拠点に配布しています(日本語版、英語版)。これらの資料が現場での自主的な活動を活性化し、さらなるCO2削減につながるものと期待しています。

(3)建物の省エネ化に向けた取り組み

名古屋事業所瑞穂地区に建設した新事務・厚生棟の写真です。 新事務・厚生棟

建物の更新・新築時には、積極的に高効率機器や再生可能エネルギーの導入を図るほか、隣接する自社工場の低温排熱の有効利用や自然換気・自然採光等、立地条件等を考慮した対策を検討し、大幅な省エネを図っています。名古屋事業所瑞穂地区に新たに建設した新事務・厚生棟(2020年1月完成)はこれらの工夫により、基準に対しCO2排出量を半分以下に削減できる「ZEB(ゼロエネルギービル)指向型オフィスビル」となりました。この建物は国土交通省の「サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」に採択され、先進的な省CO2対策が高い評価を受けました。
当社は事業所の改編や老朽化対応により建物の更新/新築計画を多く抱えており、順次省エネ化・ZEB化を進めていきます。

新事務・厚生棟に導入された、さまざまな省エネの仕組みを説明した図です。
NGKスタンガーと北陸エナジスが回収した、廃棄処分となった顧客のガス開閉器の写真です。封入されている六フッ化硫黄を安全に回収した上で、リサイクルします。

グループ会社における地球温暖化防止の取り組み

NGKスタンガー・北陸エナジス

廃棄処分となった顧客のガス開閉器を回収し、リサイクルする取り組みを実施しています。この機器には、大きな地球温暖化係数を持つSF6(六フッ化硫黄)が絶縁用に封入されており、回収機器の解体時にはSF6を大気に放散させることなく全量回収しています。2020年度のSF6回収量は631kgで、CO2に換算すると約14,400トンに相当します。

NGKセラミックスポーランドで、CO2削減に向けた改善活動を進める従業員の写真です。

NGKセラミックスポーランド

2011年から生産量の大半を占める炭化ケイ素(SiC)製ディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)のプロセス改善に注力しています。生産工程の中でもエネルギー使用量の多い焼成・乾燥工程に対して、さまざまな改善活動を実施してきました。名古屋事業所から水平展開された改善技術をはじめ、常に新しい改善に取り組み、CO2削減に努めています。

NGKメタルズのCO2削減に貢献した、制御装置を自動化したオイル循環システムの写真です。

NGKメタルズ

生産設備の制御システムの更新や運用改善など、積極的にCO2削減に取り組んでいます。中でも高い効果をあげることができたのが、圧延機のオイル循環システムの制御装置自動化です。取り扱いが難しいうえに起動・停止に時間がかかることから昼夜関係なく稼働させていた部分を、自動制御に更新。無駄な稼働がなくなったことで消費電力量が減り、CO2削減に貢献しました。

物流工程でのCO2削減

日本ガイシでは、物流に伴うCO2の削減について、輸送量原単位を省エネ法の評価に則り5年度間平均で1%/年改善することを目標に定め、積載率向上やモーダルシフトなどの削減対策に取り組んできました。ここ数年間は製品構成の変化により船舶輸送案件の減少が影響し、輸送量原単位は悪化傾向にあります。第4期5カ年計画最終年度の2020年度は、5年度間平均で1.6%/年の悪化となりました。

サプライチェーンでのCO2排出量を示すグラフです。2020年度には、輸送量原単位で4.91万トンキロとなりました。

グリーン電力の導入

グリーン電力証書の写真です。日本ガイシ本社ビルの年間使用電力量の約6割に当たる電力を、外部に委託したバイオマス発電で賄っています。

日本ガイシは、環境と調和した企業活動の一環として、2002年からグリーン電力(風力、太陽光、バイオマスなどで発電される電力)を導入しています。日本自然エネルギー株式会社と「グリーン電力証書システム」に基づいた契約を締結し、年間200万キロワット時のバイオマス発電を委託しています。
この電力は日本ガイシ本社ビルの年間使用電力量の約6割にあたり、これによるCO2削減効果は年間約1,000トンと、約71,000本のスギの木の年間CO2吸収量に相当します。

Scope3 温室効果ガス(GHG)排出量

近年、サプライチェーンでのCO2排出量についても把握することが求められるようになってきたことから、2017年度より日本 ガイシ単独上流でのScope3の排出量を算定しています。2020年度は、全体で89.3万トン-CO2となり単独自社でのCO2排出(Scope1、2の合計値)13.3万トン-CO2の約7倍であること、また、Scope3のカテゴリー1(原材料など)が8割以上を占めることを確認しました。今後、範囲拡大に向けて算定方法を検討していきます。
なお、Scope3の算定は「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン(Ver. 2.2)」(環境省、経済産業省)に準拠しました。
今年度からスタートする第5期環境行動5カ年計画では、Scope3の算定範囲を下流のカテゴリーも含むグループ全体で拡大する方針です。

<Scope3 温室効果ガス(GHG)排出量の推移>

カテゴリー 区分 単位 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
単独 単独 単独 単独
1 原材料など(転売品含む) 万トン-CO2 76.2 86.3 84.2 77.0
2 資本財(設備投資) 万トン-CO2 8.4 15.2 9.9 9.0
3 エネルギー 万トン-CO2 1.6 1.8 1.6 1.5
4 輸送 万トン-CO2 1.1 0.8 1.4 1.3
5 廃棄物 万トン-CO2 0.1 0.3 0.2 0.2
6 出張 万トン-CO2 0.1 0.1 0.1 0.1
7 通勤 万トン-CO2 0.2 0.2 0.2 0.2
8 リース 万トン-CO2 0.0 0.0 0.0 0.0
合計 万トン-CO2 87.7 104.7 97.7 89.3

インターナル・カーボンプライシング

インターナル・カーボンプライシングの導入検討

インターナル・カーボンプライシング(ICP)とは、脱炭素に向けた投資や対策の推進に向けて、企業内部で独自に設定、使用する炭素価格を指します。GHG排出量に企業内部での独自の価格を設定することで、温室効果ガス(GHG)排出量を財務的な指標に変換することが可能となり、TCFDにおいても、企業が低炭素社会への移行に伴うリスク・機会を把握し、行動するためのツールとしてICPが推奨されています。
日本ガイシでは、NGKグループ環境ビジョンで掲げた2050年CO2排出ネットゼロの目標実現のため、高効率設備や再生可能エネルギー関連設備の投資を推進するために、ICPを活用することを検討しています。