サステナビリティ
人的資本経営
基本的な考え方
NGKグループでは、2050年のありたい姿「独自のセラミック技術でカーボンニュートラルとデジタル社会に貢献する」を実現するために、なすべきこととして5つの変革を定め、事業構成の転換を図っています。この5つの変革の中でも、ESG課題の対応を経営の中心と位置付けています。人材はコストではなく、資本の一つであるとの認識の下、経営戦略と人材戦略を連動させ、人材の価値を最大限に高めることが、企業価値の向上と成長につながると考えています。
昨今の人材に関する社会からの情報開示要請の高まりやNGKグループビジョンを踏まえ、2023年6月に「NGKグループ人的資本経営方針」およびこれを具体化した「人材育成方針」「社内環境整備方針」を策定しました。
「NGKグループビジョン Road to 2050」の実現に向けて、5つの変革を実行し、持続可能な社会に向けて新たな価値を創造していくのは従業員一人ひとりにほかなりません。豊かで活気ある職場環境を提供し、挑戦し変革する人材を後押ししていくことで、従業員の能力を最大限発揮していきます。
推進体制
NGKグループでは、NGKグループ人的資本経営方針をグループ共通の指針として共有し、グループ全体で人的資本経営を推進していきます。HR委員会においてNGKグループ人的資本経営方針に基づく各種の人事施策を審議し、委員会の審議を経て決定した事項のうち重要と判断されるもの、また年度の実績については、年1回以上取締役会に報告されます。
一方で、NGKグループは世界中に拠点を有しており、人的資本経営方針の実現に向けた戦略や施策は、グループ各社ごとの状況・課題感に合わせて策定・運用していくことが、実効性の観点から重要だと考えています。今後、各拠点人事部門と、それぞれの拠点に合った施策・活動について丁寧なコミュニケーションを重ね、人的資本経営方針の浸透を進めていきます。
推進体制図
人的資本経営方針の浸透に向けた取り組み
2023年度には、人的資本経営方針の浸透を図るため、全社員および国内グループ会社向けの社内報に特集記事を掲載し、本方針の策定背景やそこに込められた意図を分かりやすく紹介しました。
また、人材統括部長がすべての国内グループ会社13社を訪問(一部オンライン)し、各社の社長や人事担当者と人的資本経営方針について意見交換を実施しました。この取り組みの中で、グループ各社や各拠点が、それぞれの状況に即した形で、従業員が成長し活躍し続けたいと思えるような組織や環境を構築することが重要なポイントになるとの認識を共有しました。また、職種ごとに求められる専門性やスキルは異なるものの、求められるマインドセット(心構え)は、どの職種や役職においても基本的に同じであることを確認しました。また、海外グループ会社については、アジア・北中米の8社で共有活動を実施、今後は、欧州の海外グループ会社を訪問、方針共有の場を設け、さらなる浸透を図っていきます。
新基幹職人事制度の検討・確立
NGKグループビジョンで掲げる「5つの変革」を実現するためには、今後一層、人材の力を高めていくことが不可欠です。人的資本経営方針に定める目指すべき人材像・整備すべき職場環境を実現のための施策の一環として、基幹職人事制度を改定します。社内人材による最大限の力の発揮と、社外優秀人材の採用獲得競争力の向上を目指す予定です。
新制度においては、「透明性・公平性・納得性」の向上と自律的な行動促進をコンセプトとしています。従来の「業績評価」に加え、コンピテンシーに基づく「行動評価」を新たに導入し、その結果を報酬に反映することで、変革や挑戦に向けた行動の喚起と強化を狙っていきます。先行して2024年度から58歳以上の非役職者に導入し、2025年度には全基幹職への適用を予定しています。