サステナビリティ
人的資本経営
基本的な考え方
NGKグループでは、2050年のありたい姿「独自のセラミック技術でカーボンニュートラルとデジタル社会に貢献する」を実現するために、なすべきこととして5つの変革を定め、事業構成の転換を図っています。この5つの変革の中でも、ESG課題への対応を経営の中心と位置づけています。人材はコストではなく、資本の一つであるとの認識の下、経営戦略と人材戦略を連動させ、人材の価値を最大限に高めることが、企業価値の向上と成長につながると考えています。
NGKグループビジョンを踏まえ、「NGKグループ人的資本経営方針」およびこれを具体化した「人材育成方針」「社内環境整備方針」を策定しました。
「NGKグループビジョン Road to 2050」の実現に向けて、5つの変革を実行し、持続可能な社会に向けて新たな価値を創造していくのは従業員一人ひとりにほかなりません。豊かで活気ある職場環境を提供し、挑戦し変革する人材を後押ししていくことで、従業員の能力を最大限発揮していきます。
人材育成方針
NGKグループは、5つの変革を実現するため、以下のような能力、マインドを持つ人材を育成していきます。
- 高度な知識、技術、能力を身につけ、主体的に問題に取り組む人材
- チームワークを発揮し、粘り強く成果につなげる人材
- 自律的に成長し、自身と会社を変革し続ける人材
事業環境の変化に迅速に対応し、提供価値を最大化するためには、高い知識、技術、能力を持ち、チームワークを発揮し、自ら考え迅速に行動する人材が必要であると認識しています。このような人材の育成・確保に向けて、各人が志向・適性・職種に応じて追求できる多様なキャリアパスや教育プログラムを提供しています。また、従業員がそれぞれの環境で事業への貢献に向けて主体的に成長できる制度や風土づくりに取り組んでいます。
社内環境整備方針
NGKグループは、人材が持てる力を十分に発揮できる舞台として、以下のような職場環境をつくり上げていきます。
- 多様性を尊重し、さまざまな人が活躍できる職場
人種、国籍、性別、年齢や信念、経験、価値観などにかかわらず、誰もが認められ、尊重される職場。 - 豊かで活気あふれる職場
多様な人材が、やりがいをもって、尊敬できる仲間と楽しく働くことができ、 こころと体の健康、仕事と生活の調和が保てる職場。 - 挑戦を後押しするオープンな職場
果敢な挑戦を後押しする、風通しよく心理的安全性が守られた職場。
5つの変革の実現には、イノベーションにつながる新たな発想や創造性を刺激する人材、多様なバックグラウンドや経験を持つ人材の異なる視点とアプローチが必要不可欠です。NGKグループは、人種、国籍、性別、性的指向、ジェンダーアイデンティティ、年齢、宗教、信条、障がいの有無にかかわらず、雇用の安定と機会均等を基本方針に多様な人材を登用しています。両立支援、障がい者雇用、多様性への理解を進める啓発活動などのダイバーシティ&インクルージョン施策の推進、テレワークの活用など柔軟な働き方の提供に加え、従業員が持てる力を存分に発揮できる職場環境の整備に注力しています。従業員が働きやすく、やりがいを感じられる環境を整備するため、組織活性度調査を毎年実施し、従業員の意見や要望を把握し、問題点や改善の必要性を特定しています。
推進体制
NGKグループでは、NGKグループ人的資本経営方針をグループ共通の指針として共有し、グループ全体で人的資本経営を推進していきます。HR委員会においてNGKグループ人的資本経営方針に基づく各種の人事施策を審議し、委員会の審議を経て決定した事項のうち重要と判断されるもの、また年度の実績については、年1回以上取締役会に報告されます。
一方で、NGKグループは世界中に拠点を有しており、人的資本経営方針の実現に向けた戦略や施策は、グループ各社ごとの状況・課題感に合わせて策定・運用していくことが、実効性の観点から重要だと考えています。今後、各拠点人事部門と、それぞれの拠点に合った施策・活動について丁寧なコミュニケーションを重ね、人的資本経営方針の浸透を進めていきます。
推進体制図

人的資本経営方針の浸透に向けた取り組み
2024年度には、人的資本経営方針の浸透を図るため、期初の社長メッセージで全従業員に本方針の策定背景や意図、概要と施策を発信しました。日本ガイシの従業員に対しては、新入社員や昇格者などの階層別研修時に、改めて本方針の説明を実施しています。
また、人材統括部が欧州3社、北中米6社、アジア5社を訪問し、各社の人事担当者と人的資本経営方針について意見交換を実施しました。この取り組みを通じて、グループ各社が、それぞれの状況に即した形で、従業員が成長し活躍し続けたいと思えるような組織や環境を構築することが重要なポイントになるとの認識を共有しました。また、職種ごとに求められる専門性やスキルは異なるものの、求められるマインドセット(心構え)は、どの職種や役職においても基本的に同じであることを確認しました。
今後も、従業員との対話を重視しながら方針の理解を深め、企業文化として根付かせるため、国内外グループ会社を訪問し、方針共有の場を設けるほか、浸透イベントや情報発信などのインターナルコミュニケーションを強化します。方針の浸透を通じて、社員のエンゲージメントを高め、企業価値の向上と持続的な成長を実現します。