サステナビリティ
廃棄物削減と資源の有効利用
NGKグループは、主にセラミック製品の原材料調達などで天然資源を使用した事業を行っており、その過程で少なからず廃棄物が発生します。そのため、資源利用と廃棄物を適切に管理し資源効率を向上させることは、地球環境負荷低減に貢献すると考えています。さらに、資源効率向上や循環型社会への移行に適切に対応することが、コスト削減や安定供給の面で自社の競争力強化にもつながると考えています。
NGKグループは、このような考え方に基づき、資源循環の推進を環境分野における重要課題と位置づけ、取り組みを進めていきます。
目標と実績
廃棄物の削減
NGKグループは、廃棄物の削減における2025年度目標の達成に向け、CO2排出量と同様に年次改善計画を立案・管理して廃棄物の発生抑制を推進しています。2024年度の売上高原単位は2013年度比で削減率62%となり、年次目標を達成し、さらに2025年度目標50%削減にも到達しました。これは製造現場での原料収率や歩留まりの改善など、製造部門での継続的な改善活動の成果です。2013年度を基準とした生産量原単位の改善率を示す対BAU削減率※は35%となり、年次目標、さらに2025年度の目標30%にも到達しました。第5期環境行動5カ年計画の最終年度に向けて、今後も維持できるよう引き続き削減活動に取り組んでいきます。
生産量原単位が基準年度から変化がなかったと仮定した場合の廃棄物発生量に対する実際の廃棄物発生量の比率
廃棄物発生量の売上高原単位の推移(NGKグループ 全生産拠点)

対BAU削減率の推移(NGKグループ 全生産拠点)

廃棄物の再資源化
NGKグループは、廃棄物の分別徹底や再資源化方法の検討などを通じて、廃棄物の再資源化に積極的に取り組んでいます。2017年度からは、国内の全生産拠点で、再資源化の方法や廃棄物処理業者に関する情報を共有し、信頼性の高い業者を選ぶことで、効率的かつ確実な再資源化の推進を図っています。これらの継続的な取り組みにより、5カ年計画の目標である「国内全体の再資源化率:99%以上」を2013年度以降継続して維持しており、製造工程のセラミック廃棄物はセメント原料として、その他は路盤材として再資源化しています。海外については地域によって状況が異なるため、各国の実情を考慮して目標値を設定しています。海外グループ会社全体では製造系グループ会社18社のうち、再資源化が困難な3社を除く平均の再資源化率が、約90%を継続して維持しています。
廃プラスチックの削減
NGKグループは、2023年度から製造時の廃プラスチックの発生量について開示を開始しました。2024年度の廃プラスチック発生量は1,777トンです。今後、プラスチックの使用工程や廃プラスチック発生時の分別について見直しを行い、発生量の削減を進めていきます。
また、日本ガイシが原料輸入の際に使用し劣化したプラスチックドラムは、従来再生利用が困難でしたが、プラスチック再生メーカーと協働し、同社が開発・販売する木材の代替角材や鉄板の代替板材など、産業・建築資材(リプラギ)の材料として100%リサイクルしています。
サーキュラーエコノミーへの対応
欧州ではサーキュラーエコノミーの実現に向けて、バッテリー規則やエコデザイン規則などの規制の制定が進んでいます。NGKグループはこれらの動向を注視し、社会からの要請に対して適切に対応していきます。
今後、グループの事業における資源循環事例を整理し、開示していくとともに、「NGKグループ環境ビジョン」に掲げる循環型社会実現へ2030年にむけた行動計画を検討します。
また、事業所内で発生する廃プラスチックのマテリアルリサイクルの可能性についても検討を始めています。その一例として、製造工程で発生した廃プラスチックからテーブルの天板や施設サインなどを製作し、当社のNGKグループ共創施設「NGK Collaboration Square DIVERS(ダイバース)」に設置しました。2024年度には、同素材を用いた従業員向けのノベルティを製作し、サステナビリティ意識の浸透を図りました。さらに、梱包材や製造現場での活用も検討していきます。


NGK Collaboration Square DIVERSに設置したテーブルと施設サイン