サステナビリティ
廃棄物削減と資源の有効利用
NGKグループでは、主にセラミックスの原材料調達などで天然資源を使用した事業を行っており、その過程で少なからず廃棄物が発生します。そのため、資源利用と廃棄物を適切に管理し資源効率を向上することは、地球環境負荷低減に貢献すると考えています。さらに、資源効率向上や循環型社会への移行に適切に対応することは、コスト削減や安定供給の面で自社の競争力強化にもつながると考えています。
NGKグループは、このような考え方に基づき、資源循環の推進を環境分野における重要課題と位置付け取り組みを進めていきます。
目標と実績
廃棄物の削減
NGKグループは、廃棄物削減においても2025年度目標の達成に向け、CO2排出量と同様に年次改善計画を立案・管理して廃棄物の発生抑制を推進しています。
2023年度の売上高原単位は2013年度比で削減率55%となり、年次目標を達成し、さらに2025年度目標50%削減にも到達しました。これは製造現場での原料収率と歩留まりの改善など製造部門での継続的な改善活動の成果です。
2013年度を基準とした生産量原単位の改善率を示す対BAU削減率※1は31%となり、年次目標、さらに2025年度の目標30%にも到達しました。今後も維持できるよう引き続き削減活動に取り組んでいきます。
1 生産量原単位が基準年度から変化がなかったと仮定した場合の廃棄物発生量に対する実際の廃棄物発生量の比率
廃棄物発生量の売上高原単位の推移(NGKグループ 全生産拠点)
対BAU削減率の推移(NGKグループ 全生産拠点)
廃棄物の再資源化
NGKグループは、廃棄物の分別徹底や再資源化方法の探索などを通じて、廃棄物の再資源化の推進に取り組んでいます。
2017年度からは国内全生産拠点で廃棄物の再資源化方法や処理業者に関する情報を共有し、信頼性の高い業者を選定するとともに効率的に再資源化を推進しています。
これら継続的な取り組みにより、5カ年計画の目標である「国内全体の再資源化率:99%以上」を2013年度以降継続して維持しており、セルベン(焼成後のセラミック廃棄物)や汚泥(焼成前のセラミック廃棄物)はセメント原料として、その他は路盤材として再資源化しています。
海外については地域によって状況が異なるため、各国の実情を考慮して目標を設定しています。海外全体では製造系グループ会社18社のうち、再資源化が困難な3社を除いた平均の再資源化率は約90%を継続して維持しています。
廃プラスチックの削減
NGKグループでは製造時の廃プラスチックの発生量について、本年度より開示を開始しています。2023年度の廃プラスチック発生量は1,456トンでした。今後、プラスチック使用工程や廃プラスチック発生時の分別について見直しを行い発生量の削減を進めていきます。
また、日本ガイシが原料輸入の際に使用し劣化したプラスチックドラムは従来再生利用が困難でしたが、プラスチック再生メーカーと協働し、同社が開発・販売する木材からの代替角材や鉄板からの代替板材など、産業・建築資材(リプラギ)の材料として100%リサイクルしています。
サーキュラーエコノミーへの対応
欧州では新バッテリー規則やエコデザイン規制への対応が必要となっていきます。NGKグループはサーキュラーエコノミー関連の動向を調査し、社会からの要請に対して適切に対応していきます。
水利用や資源循環に貢献する製品の開発、既存製品のゼロエミッション設計化やリサイクル材料適用可能性について調査を進めています。
今後、グループの事業での資源循環事例を整理し、開示していくとともに、「NGKグループ環境ビジョン」において循環型社会への2030年および2050年に向けた方針を検討します。