サステナビリティ

生物多様性の保全と再生

2022年12月にカナダのモントリオールで開かれた国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)において、「昆明・モントリオール生物多様性枠組み」が採択され、2030年までに「生物多様性の損失を止め、反転させるための緊急の行動をとる」という「ネイチャーポジティブ」の目標が掲げられています。また、2023年9月に公表された「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD:Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)」の提言では、自然関連の課題が企業の戦略的なリスクに関わる問題であることから、企業に対し事業を通じた自然への依存・インパクト、リスク・機会を把握・開示することを推奨しています。
これらの国際的な動向を踏まえ、NGKグループは自然との関わりを考慮し、バリューチェーン全体を通じた事業の自然への依存度や影響を把握することの重要性を認識しています。NGKグループは、生物多様性の保全と再生を重要な課題と位置づけ、取り組みを推進していきます。

目標と実績

「NGKグループ環境ビジョン」では、自然との共生の実現に寄与するため、「生態系への環境負荷を最小限に抑制するとともに、啓発活動を通じて、一人ひとりの意識を高め、自然との共生を図ります。」と明記しています。また、「第5期環境行動5カ年計画」においては、生物多様性の推進をテーマとしており、2025年度の目標に「ポスト愛知目標に対応して取り組みを拡充する」を掲げ活動しています。
2023年度は、TNFD開示への対応として国内外の動向調査を実施し、TNFD枠組みで提案されているLEAP(Locate、Evaluate、Assess、Prepare)アプローチに沿ってリスクや機会の評価を開始しました。今後は引き続き活動を推進し、開示内容を充実させます。

TNFD Early Adopterへ登録

NGKグループはTNFDの取り組みに賛同し、2024年1月TNFD Early Adopterへ登録、2026年に提言に沿った全面的な形で情報開示を行うことを宣言しています。2024年度は前年度までに実施したLEAPアプローチに基づく分析結果を開示します。

TNFDに基づく情報開示

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生物多様性における自然保全活動

社有地での生物調査

NGKグループはこれまでに社有地で生物調査を実施してきました。多様な生物が確認される中で早急な対応が必要な外来種は発見されず、適切な管理状態にあることを確認しました。また、調査結果をパネルにまとめるなどして展示することで、生物多様性について認識していただけるよう活用しています。

従業員のボランティア活動

NGKグループの国内外の拠点で、地域の行政やNPOと連携した社会貢献活動を実施しており、その中には生物多様性保全に寄与する活動も含まれています。

日本ガイシ石川工場とNGKセラミックデバイス石川工場の海岸清掃

日本ガイシ石川工場とNGKセラミックデバイス石川工場は、地域住民とともに根上海岸(石川県能美市)の清掃活動に参加しています。2023年は社員80名が参加しました。昨今、海洋プラスチックごみによる環境汚染が国際的に懸念されており、海岸の景観を損ねるだけでなく、生態系への影響が深刻な問題となっています。こうした問題を背景に、石川県の海岸愛護運動「クリーン・ビーチいしかわ」に毎年協力しています。

日本ガイシ石川工場とNGKセラミックデバイス石川工場が行った海岸清掃の写真です。
海岸清掃(日本ガイシ石川工場、NGKセラミックデバイス石川工場)

NGKフィルテックの森林活動

NGKフィルテック(神奈川県茅ヶ崎市)は、賛同する「かながわ森林再生50年構想」の一環で、神奈川県の管理する「やどりき水源林(神奈川県松田町)」で森林活動を実施し、社員とその家族25名が参加しました。
NGKフィルテックは、神奈川県の森林保全と再生への取り組みに貢献する「森林再生パートナー」として2022年9月から5年間の協定を締結し、森林整備費用などの支援を行っています。森林インストラクターの指導の下、やどりき水源林の歴史や、生息する植物や生き物などの説明などを受け、森林保全・再生の大切さを学びました。

NGKフィルテックが行った、水源林での森林活動の写真です。
やどりき水源林での森林活動(NGKフィルテック)

NGKセラミックスタイランドによるマングローブの植林

NGKセラミックスタイランドでは、タイ東部のチョンブリー県でマングローブの植林を行いました。マングローブはCO2吸収だけでなく、さまざまな動物の生息地として生物多様性を保全し、さらには海岸浸食の予防にも役立つため、植林をすることでグリーンエリアの増加も促進することができます。このような活動を通して、従業員に自然保護や生態系維持の重要性を認識してもらい、環境保護に貢献していくこと目指しています。

NGKセラミックスタイランドが行った、マングローブ植林の写真です。
マングローブの植林(NGKセラミックスタイランド)

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生物多様性関連イニシアチブへの参加および外部団体からの認証

「日本ガイシ みんなの森みずなみ」が環境省の自然共生サイトに認定

「日本ガイシ みんなの森みずなみ」はグループ会社の周辺に位置する社有林で、2024年3月に環境省の自然共生サイトに認定されました。自然共生サイトとは民間の取り組み等によって生物多様性の保全が図られている区域を国が認定する区域のことです。

自然共生サイト認定の画像です。

森林づくり活動「日本ガイシ みんなの森みずなみ」【環境、地域とのかかわり】

あいち生物多様性認証企業に認証

2023年11月にあいち生物多様性企業認証制度(愛知県)に基づく「あいち生物多様性認証企業」に認証されました。あいち生物多様性企業認証制度とは企業の生物多様性保全に関する取り組みを促進するため、優れた取り組みを実践している企業を愛知県が認証する制度です。

あいち生物多様性認証企業のロゴです。

経団連生物多様性宣言イニシアチブに賛同

2022年1月に経団連生物多様性宣言イニシアチブに賛同しました。経団連生物多様性宣言は企業・団体の立場から生物多様性保全に対する決意と行動指針を示しています。

経団連⽣物多様性宣⾔イニシアチブのロゴです。

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