サステナビリティ
コンプライアンス推進体制
NGKグループ企業行動指針および行動規範
「NGKグループ企業行動指針」は、企業活動を行う上での原則的な考え方を示すものです。また、「NGKグループ行動規範」は、役員および従業員が遵守すべき事項をまとめたものです。
NGKグループの一人ひとりがこれらの指針や規範に沿って高い倫理観を持って行動し、さらにはサプライチェーン全体で社会的責任を果たすことで社会からの信頼を築いていきます。日本語、英語、中国語など計13カ国語に翻訳し、毎年、年度初めにNGKグループの一人ひとりに周知、徹底の通知を行っています。また、日本ガイシと国内グループ会社は、社内イントラネットを活用し全従業員が使用するパソコンへの「NGKグループ企業行動指針」のポップアップ表示を行っています。
NGKグループでは、内部監査や内部通報制度、コンプライアンス意識調査アンケートなどを通じてNGKグループ企業行動指針やNGKグループ行動規範、法令などに対する違反の有無を確認しています。また、コンプライアンス委員会への報告や議論を通じてこれらの指針や規範の有効性を定期的にレビューし、改善につなげています。
適用範囲
「NGKグループ企業行動指針」は、NGKグループで働く全従業員とサプライヤーを対象としています。従業員には入社時の研修および「NGKグループ行動規範ガイドブック」を通じて周知しているほか、階層別教育などにおいても教育を実施しています。
コンプライアンス違反件数の報告
2024年度は、NGKグループにおいて重大なコンプライアンス違反はありませんでした。
コンプライアンス違反件数
NGKグループコンプライアンス活動基本要領
コンプライアンス活動の在り方は、社会情勢や法令動向の変化により、グローバルに進化を続けており、NGKグループも自らの活動について国際的な水準に照らして客観的に評価検証し、継続的に改善する仕組みが必要です。また法令遵守はもとより、安全、環境、品質などの分野においても、コンプライアンスに関する取り組みの在り方や価値観を統一することで、全体的な質的向上を図ることが重要です。このような背景の下に、コンプライアンス活動の在り方に関する当社の基本的な考え方を示す方針として、2021年度に「NGKグループコンプライアンス活動基本要領」を制定し、国内外の従業員に周知・徹底しています。「NGKグループコンプライアンス活動基本要領」に基づき、安全、環境、品質、輸出、人権、競争法等で実効性を重視したコンプライアンス活動の質的向上に向けて、関係部門が連携して取り組んでいます。
コンプライアンス推進体制
社長直下にコンプライアンス委員会を設置し、傘下に委員会の業務を適正に遂行するための会議体として、実務責任者で構成されるコンプライアンス活動推進部会を設けています。コンプライアンス委員会の内容については定期的に取締役会に報告することで、取締役会がコンプライアンス委員会の活動状況を監督しています。
コンプライアンス推進体制図

有効かつ実効性のあるコンプライアンス体制の基礎をNGKグループ全体に構築するため、2021年度以降、事業本部所管の国内外グループ会社にコンプライアンス責任者と担当者を選定して協議を開始しています。また、グループコンプライアンス部が中心となりグループディスカッションやオンラインと対面のハイブリッド等、各社ごとに工夫した教育形式を導入し、インタラクティブな教育により学習効果を高める取り組みを行っています。教育実施後には受講者向けのアンケートを実施し、理解度の確認や次回に向けた改善策の検討を行っています。こうした取り組みを通じて、将来的にはコンプライアンス施策の立案・実行・効果確認・改善をNGKグループ各社が自主的に行えることを目標に活動を推進しています。
グループコンプライアンス部のミッション
- コンプライアンスを最優先とする企業文化をNGKグループ全体に定着させる
- 国際的な水準のコンプライアンス活動の推進および継続的な改善の仕組みの確立により、NGKグループとしてコンプライアンスの徹底を図る
- 海外グループ会社については、その地域の関連法規や社会的要請に関する最新状況を把握し、グローバル化に対応したコンプライアンスを推進する
ミッション遂行に向けた2024年度の取り組み
- 年度初めに「コンプライアンス最優先」の社長メッセージ発信(従来から継続)
- 10月のコンプライアンス強化月間に、社長メッセージの発信や啓発ポスターを掲示
- 「NGKコンプライアンス活動基本要領」の周知と部門業務への活用事例紹介
- リスクベースで実効性を意識したコンプライアンス教育(日本ガイシおよび国内外グループ会社)
- グローバルな法規則への対応(競争法・贈賄防止法令など)
- 内部通報制度の運用・体制整備(国内:改正公益通報者保護法の運用状況確認、海外:EU内部通報指令対応、各社規程の見直し)
サプライヤーへの対応
サプライヤーの皆さまに対しては、「NGKグループサプライヤー行動規範」の遵守をお願いしています。本規範においては、包括的な腐敗防止、知的財産の保護、公正な取引など倫理・コンプライアンスにかかわる具体的な取り組みを明記しています。サプライヤーの皆さまには本規範遵守の同意を毎年要請しており、新規取引開始にあたっても遵守の同意をお願いしています。
内部通報制度
NGKグループでは、コンプライアンス違反の早期発見、組織の自浄作用の促進を目的として、各種内部通報制度を設置しています。
ヘルプライン・ホットラインは、公益通報者保護法その他関係法令に準拠した内部通報制度であり、日本ガイシおよびグループ会社の各事業所に勤務するすべての人(役員、従業員、社外へ出向中の従業員、顧問、契約社員、派遣契約に基づく派遣社員、業務委託契約に伴う駐在員、1年以内に退職した者を含む)が利用できます。
相談・報告は、原則として第三者が運営する社外窓口が、電話やインターネットを通じて受け付けます。日本語のみならず、英語での相談・報告にも対応しています。また、相談・報告者が受付窓口や会社に対して自らの氏名や所属等を明かさない方法(匿名)を希望する場合には、匿名の相談・報告として受け付けます。
相談・報告者の保護は社内規程で定められており、NGKグループ行動規範の中で、報告を行った者に対する報復を禁じています。また、相談・報告への対応は、公益通報者保護法に基づく指定を受けた従事者のみが担当するほか、従事者は社内規程の定めに従い定期的に研修を受けています。
相談・報告を受け付けた後、外部の独立した弁護士の助言を受けながら、事実調査から是正措置に至るまでの対応プロセスを公正、公平かつ誠実に実施します。調査の結果、法令違反、不正行為等が特定された場合には、会社は当該行為に関与した者に対して、就業規則に基づき処分を行います。
このほかにも、取引先ヘルプラインやホームページ等の窓口を通じて、NGKグループの事業活動と関わりを持つあらゆるステークホルダー(サプライヤーやお客さま、地域住民の皆さまなど)の声を受け付ける体制を整備しています。
内部通報体制図

ヘルプライン制度
「NGKグループ企業行動指針」や「NGKグループ行動規範」の趣旨に反する行為の抑制や未然防止、早期解決のために、従業員からの相談・報告を受け付けるヘルプラインを設けています。海外グループ会社は会社ごとにヘルプラインを設置しています。
役員や管理職層は、相談受付、事実関係の調査、是正措置における留意事項や、ハラスメントを含む具体的な通報事例や発生した場合の対応などについて定期的に社外の弁護士から研修を受けています。なお、2024年度はパワハラ事案に加え、不正行為事案への対応例についても取り上げました。
ヘルプライン相談・報告件数
2024年度の相談・報告件数は計42件でした。すべての案件で、受付・調査・判断・対策のプロセスごとに第三者である社外弁護士に確認・相談しながら対応を進めており、慎重な調査を実施した結果、当社の経営に影響を及ぼす内容の通報はなかったものの、5件の事案についてはコンプライアンス違反が確認されたため、速やかに是正措置を講じました。通報・相談された内容を参考に、NGKグループ企業行動指針および行動規範やコンプライアンスの取り組みの有効性を定期的に評価・検証し改善につなげています。
ホットライン制度
日本ガイシの役員等が関与する不正・法令違反ならびに、競争法および贈賄・汚職等の包括的な腐敗行為の通報を受け付けるホットラインを設けています。ホットラインは社外弁護士が窓口となり、社外役員を中心に構成される経営倫理委員会が取り扱い、取締役会への報告や改善策の実施を勧告します。
このほか、すべての海外グループ会社にも同様のホットライン制度を設置しており、グループコンプライアンス部による支援・監督のもと、適正な運用が図られています。
ステークホルダーとのコミュニケーション
NGKグループでは、コンプライアンス違反の早期発見、組織の自浄作用の促進を一層確実なものとするため、グループで働く従業員だけでなく、広くステークホルダーの皆さまからコンプライアンス違反等に関する情報を提供していただくための窓口を設置しています。
ホームページ上の窓口では、お客さまや株主、地域住民をはじめ、NGKグループと何らかの利害関係を持つあらゆるステークホルダーの皆さまからの通報を受け付けています。
また、ステークホルダーのうち、NGKグループが直接、物品、サービスを調達しているサプライヤーの皆さまに向けて、専用窓口である取引先ヘルプラインを設置しています。
腐敗防止体制
腐敗リスクの評価と対応
NGKグループは腐敗を含む重大なコンプライアンスリスクについて、経営レベルの視点から、重要と考えるリスクを事業環境、戦略、内部要因に分類し、継続的な見直しを実施することでリスクマネジメントを行っています。アンケートの実施や内部統制プロセスにおける特別リスクの評価などを通じてリスク分析を行うなど、コンプライアンス委員会をはじめとする各委員会や各担当部門が中心となって事業ごとにリスクの回避・予防に努めています。
コンプライアンス教育
従業員に対するコンプライアンス教育
グループコンプライアンス部と法務部が中心となり、役員および従業員に対するコンプライアンスの教育と啓発に努めています。キャリア教育や海外赴任者教育のほか、法令解説や事例紹介を行う「法令/コンプライアンス連絡会」を実施しています。2018年度からは、キャリア教育において品質コンプライアンス、契約遵守を加えて教育を行っています。
2024年度に実施したコンプライアンス教育(全般)
教育の名前 | 主な対象者 | 主な内容 | 受講形式 | 実施回数 |
---|---|---|---|---|
キャリア教育 | 新入社員 | コンプライアンス、競争法、贈賄防止規制 | 社内講師による教育 | 1 |
昇格・転換者 | コンプライアンス、企業行動指針・行動規範(誠実な事業活動) | 動画視聴 | 2 | |
キャリア中途採用者 | コンプライアンス、競争法、贈賄防止規制、企業行動指針・行動規範(誠実な事業活動) | 社内講師による教育・動画視聴 | 1 | |
新任係長 | コンプライアンス、競争法、贈賄防止規制、品質コンプライアンス、契約遵守、安全保障輸出管理、企業行動指針・行動規範(誠実な事業活動) | 社内講師による教育・ 動画視聴 |
1 | |
新任基幹職 | コンプライアンス、競争法、贈賄防止規制、品質コンプライアンス、契約遵守、安全保障輸出管理 | 社内講師による教育 | 1 | |
基幹職2級昇格者 | コンプライアンス、品質コンプライアンス | 社内講師による教育 | 1 | |
海外赴任者研修 (グローバル研修) |
海外赴任予定者 | 競争法、贈賄防止規制、安全保障輸出管理 | 動画視聴 | 1 |
コンプライアンス教育 | 海外グループ会社管理者層・営業職 | コンプライアンス、競争法、贈賄防止規制 | 弁護士による講演会の実施 およびe-ラーニング |
19 (24拠点) |
日本ガイシ、国内グループ会社一般層 | コンプライアンス、ハラスメント防止、内部通報制度について | 動画視聴 | 1 | |
日本ガイシ・国内外グループ会社営業職 | 贈賄防止規制 | 弁護士によるセミナー | 4 | |
役員 | 競争法 | 弁護士によるセミナー | 1 | |
新任役員 | 会社法・競争法 | 弁護士によるセミナー | 1 | |
日本ガイシ、国内グループ会社基幹職・営業職 | 競争法 | 弁護士によるセミナー・動画視聴 | 1 | |
競争法実務責任者等 | 競争法伝承教育 | コンプライアンス部門によるセミナー | 2 | |
法令/コンプライアンス連絡会 | 基幹職ほか内容に応じた対象者 | 5月度 損害賠償について | 社内講師によるセミナー・動画視聴 | 1 |
7月度 贈賄防止のためのベストプラクティス ~贈賄の法規制と国際ビジネス~ |
社外弁護士によるセミナー・動画視聴 | 1 | ||
9月度 フリーランス法について | 社内講師によるセミナー・動画視聴 | 1 | ||
11月度 裁判例に見るハラスメントの動向 ~内部通報制度の活用方法とともに~ |
社外弁護士によるセミナー・動画視聴 | 1 | ||
1月度 インサイダー取引規制の最新動向 | 社内講師によるセミナー・動画視聴 | 1 | ||
3月度 著作権にまつわる実務上の留意点 | 社内講師によるセミナー・動画視聴 | 1 |
2024年度に実施した競争法に関する教育
教育の名前 | 主な対象者 | 主な内容 | 実施回数 |
---|---|---|---|
新任役員向け教育 | 新任役員 | 社外弁護士によるライブセミナー | 1 |
競争法コンプライアンス講演会 | 日本ガイシおよび国内グループ会社の全役員、基幹職、営業職 | 社外弁護士によるライブセミナーおよび動画視聴 | 2 |
海外グループ会社 コンプライアンス研修 |
海外グループ会社管理者層・営業職 | 弁護士によるライブセミナー、e-ラーニング、社内講師による実施 | 19 (24拠点) |
社内講師による競争法教育 | 内容に応じた対象者 | 部門からの依頼による出前教育 | 2 |
2024年度に実施した贈収賄防止に関する教育
教育の名前 | 主な対象者 | 主な内容 | 実施回数 |
---|---|---|---|
営業関係者向け研修 | 国内営業関係者海外グループ会社(一部)拠点長 | 贈賄防止規制 | 4 |
法令コンプライアンス連絡会 | 日本ガイシ基幹職 | 贈賄防止規制 | 1 |
コンプライアンス教育 | 海外グループ会社管理者層・営業職 | 社外弁護士によるライブセミナーおよびオンラインセミナーの実施、社内講師による実施、紙資料での実施 | 19 (24拠点) |
贈収賄防止教育の実施
日本ガイシの階層別教育において社内講師による教育を実施しているほか、2019年度から営業部門においては、社外から弁護士を招いた対話形式での講義と、受講者の業務に沿ったケーススタディを基に、グループディスカッションを取り入れた研修を開催しています。また、すべてのグループ会社で弁護士によるセミナー等による教育を実施しています。 加えて、2023年度からは営業部門だけでなく、新しく事業を探索する部門等にも教育範囲を広げて開催しています。
その他の啓発活動
コンプライアンス便り
社内イントラネットに毎月1回、身近なテーマを4コマ漫画などでわかりやすく学べる「コンプライアンス便り」を掲載。事例から学ぶべきことを詳細に解説しています。

2024年度「コンプライアンス便り」テーマ一覧
4月 | なぜ企業はSDGsに取り組むの? |
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5月 | コミュニケーションをとるのが苦手な人がいたら… |
6月 | 顧客情報を不正に持ち出したら |
7月 | 納期に間に合わなければ、検査を省略してもよい? |
8月 | 会社のスマホを私的に利用したら |
9月 | インテグリティって何? |
10月 | コンプライアンス強化月間 |
11月 | 同性からセクハラを受けたら… |
12月 | 人権週間 |
1月 | 取引先と健全な関係になっていますか? |
2月 | 「偽装請負」って何? |
3月 | 違法な時間外労働をさせていませんか? |
コンプライアンス強化月間
2017年度から毎年10月をコンプライアンス強化月間として、社長メッセージの発信、啓発ポスターの掲示や内部通報先の周知などを行っています。2024年度は社長メッセージを日本ガイシおよび国内外のグループ会社に対し動画で配信しました。
コンプライアンス活動表彰
2021年度から「コンプライアンス活動表彰制度」を開始し、各部門や国内外のグループ会社が取り組むコンプライアンス活動の中から、自主性・独自性など特に優れた活動を表彰し、好事例としてNGKグループ内に展開しています。2024年度はデジタルソサエティ事業本部の「交流活動・職場環境改善による組織活性化」を表彰し、コンプライアンス委員長からの表彰状の授与や受賞部門のメンバーとの意見交換を行いました。