サステナビリティ

水資源の保全

基本的な考え方

NGKグループでは、事業における重要課題の一つとして資源循環の推進を掲げており、セラミックスの製造時に必要な水利用についても、効率的な利用を推進しています。そしてこの取り組みが地球環境への負荷を低減することに貢献すると考えています。今後はサプライチェーンにも拡大して、さらなる水リスクの低減に努めていきます。

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目標と実績

2021年度からスタートした「第5期環境行動5カ年計画」では、NGKグループ全体の取水量の売上高原単位を指標に、まずは新型コロナウイルス感染症による生産減の影響がなかった2019年度の売上高原単位1,000m³/億円の水準を維持することを目標にしており、2023年度は、730m³/億円と目標を達成しました。

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水資源に関するリスク管理と対応

NGKグループは、サステナビリティの観点から水資源に関するリスク管理と水利用の効率化に取り組んでいます。
昨年度からTNFDの推奨するLEAPアプローチを通じて、各拠点の水リスクや環境への影響度について調査を開始しています。
また、2023年度はNGKグループの国内および海外の拠点で、排水水質に関する重大な基準、規制違反はありませんでした。

水リスクの評価

国内外の全生産拠点の水リスクについて、拠点が立地する地域の河川の水供給量を基に水不足の度合いを簡易的な手法で自己評価するとともに、海外拠点を中心に第三者による詳細な分析を実施してきました。詳細分析においては、水需給リスクについては、河川の水供給量に加え、地下水や季節変化、ダム等の貯水力も評価項目に加え、将来の水需給予測も実施しています。その他、水災リスク(洪水・土砂崩れ)、水質リスク(公衆衛生・生態系)についても分析し、総合的なリスク評価を実施しています。
この取り組みを通じて、海外の全生産拠点の水リスクを把握し、各拠点と情報を共有しています。
いずれの拠点も現時点の水リスクは深刻な状態ではありませんが、規制動向のウォッチや必要に応じて水利用の効率化の取り組みなどを実施しています。
また、分析ツールAqueductを用いて主要サプライヤーについても水リスクの評価を行い、サプライチェーンの強靭化を目指しています。

潜在的な水リスクをもつ地域の海外生産拠点数

地域 拠点数 水需給 水災 水質汚濁への脆弱性
現在 2040年 公衆衛生 生態系
北中米 5 0 1 0 0 0
欧州・その他 5 2 0 0 2 3
中国 3 0 0 0 0 0
アジア・豪州 7 0 5 0 1 1

グループ会社での水利用の効率化

水利用の適正化を目指したガイドライン(実施状況のチェックリスト)を作成し、2015年度から国内外の全生産拠点での効率的な水利用の現状調査を行っています。今後、グループ内の各拠点や他社の事例調査を通じて、ガイドラインの充実を図るとともに、拠点での水利用の適正化の取り組みを促進し、将来の水需給の悪化に備えていきます。

NGKセラミックデバイス(NCDK)における再生水利用

NCDK小牧工場で生産しているSAW用複合ウエハーの加工工程では、水を大量に使用するため、セラミック膜でろ過して再生水を利用できるシステムを導入し、2022年4月から利用を開始しました。このシステムの導入により、2023年度では年間取水量約170,000m³のうち、約37,000m³を再生水で賄うことができました。一方、同じ工程を有するNCDK富士吉田工場では、さらに処理能力の高い設備も導入しており、水需給リスクの小さい国内でも、水の効率利用を推進しています。

NCDK富士吉田工場で稼働中の、再生水処理装置の写真です。

再生水処理装置(NCDK富士吉田工場)

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