サステナビリティ
知的財産マネジメント
NGKグループは知的財産を重要な経営資源と位置づけています。
保有する知的財産を最大限に活用するとともに、経営戦略に資する知的財産活動を推進し、新規事業の創出ならびに既存事業の競争力強化につなげ、事業の拡大と収益性の向上を目指していきます。
2030年の目指す姿
NGKグループは知的財産を重要な経営資源と位置づけ、これまでグローバルに特許等の権利を取得することを中心とした活動を行い、事業を支えてきました。近年、無形資産への投資・活用の重要性が一層求められる中、従来の「権利化中心の活動」に加え、経営戦略との整合性を持った知的財産への投資を行うことによって、新規事業の創出や、既存事業の競争力を強化し、NGKグループビジョンを実現しなければなりません。このため、「2030年の目指す姿」を掲げ、知財活動目標を明確化しこれに向けた取り組みを推進していきます。
- 事業戦略・開発戦略・知的財産戦略の三位一体での推進
- 経営・事業を成功に導く知的財産活動の実施
目指す姿

知的財産推進体制
知的財産の戦略的活用を通じて企業価値の最大化を図るため、事業部門、開発部門、知財戦略部が一体となった知財活動会議を1年に2回開催し、各部門の連携を強化しながら知的財産の創出・保護・活用に関する戦略を検討、共有しています。また、取締役会では年1回、全社の知財活動状況の報告を行っています。この報告により、知的財産活動の進捗状況および成果が取締役会に共有され、適切な監督と改善が図られます。
全社知財活動推進体制図

2030年の目指す姿実現に向けた4つの重点課題
NGKグループでは、2030年の外部環境と自社の現状を分析し、「2030年の目指す姿」の実現に向けた到達像を描いています。そしてその到達像とのギャップを埋めるための4つの重点課題を2023年度に特定しました。これら4つの重点課題に対して、2024年度から3カ年のロードマップを作成し、このロードマップに沿って着実に活動を進化させることにより「2030年の目指す姿」の実現を目指します。
2030年の目指す姿実現に向けた4つの重点課題
重点課題 | 課題への2024年度施策 |
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1)全社知財マインドの醸成 | NGK知財フォーラムの開催 |
2)知財活動体制の強化 | 知財活動会議の開催 |
3)知財スキルの向上 | 知財教育プログラムの見直し |
4)知財戦略部機能の強化 | 社外調査、分析コンサルタントの積極活用 |
NGK知財フォーラムの開催
2024年度、NGKグループは従業員に対して知財活動の重要性に関する理解促進を目的として、「NGK知財フォーラム」を初開催しました。技術者に加え営業や事務などの多様な職種の従業員約200人が参加しました。外部講師による講演および各事業領域での知財活動、商標保護などの事例紹介や、身の回りの知財にかかわる話題、意匠や商標、知財戦略部の活動事例などの展示も行いました。また、生成AIを活用して簡単に特許調査や分析ができる最新ツールの体験会や相談会も行い、来訪者と知財担当者が活発な議論を交わしました。


知財活動会議の開催
知財戦略部は、事業部門および開発部門と連携し、既存事業および重要な開発テーマごとに「知財活動会議」を期初、期中の年2回開催しています。この会議では、横断的に複数の部門の関係者が一同に会して、市場や競合状況などの分析結果に基づき、あるべき知財戦略を議論し、実行計画を策定します。各事業や開発戦略に連動した知財活動方針を立て、半期ごとに活動の進捗をフォローしています。例えば、IPランドスケープを活用して、技術動向や競合の特許群を可視化し、不足技術の購入や自社特許のライセンスアウトなども視野に入れながら、研究開発やアライアンスの意思決定を行っています。2024年度は延べ30以上の技術分野について知財活動会議を開催しました。
また、実効性のある知財活動を推進するため、優れた発明を表彰する発明報奨制度も充実させ、知的財産の創出を奨励しています。
特許保有件数の推移


グループビジョンの実現に向けた研究開発を加速
NGKグループの特許出願におけるカーボンニュートラル(CN)とデジタル社会(DS)分野の合計割合が、2024年度に初めて8割に達しました。今後もCN分野とDS分野の研究開発を加速し、NGKグループビジョンの実現を目指します。
CN、DS分野の出願件数割合推移

【IPランドスケープの例】
NGK保有技術から新規用途を探索
下記の図は、NGKグループの全特許出願の分布を可視化したものです。色の赤い領域は、多数の出願がなされていることを示します。これらデータを活用しながら、自社および競合の特許の強みと弱みを認識し、戦略的な知的財産活動を推進しています。
