サステナビリティ

環境貢献製品・サービス

NGKグループは、事業活動を通じた社会貢献が企業の最も重要な使命の一つと考えます。会社設立から1世紀以上にわたり蓄積した技術を活かして、地球環境に貢献する製品・技術を開発し、提供していきます。

環境貢献製品およびサービスの開発と普及

2021年度にスタートした「第5期環境行動5カ年計画」では、環境貢献製品のうちカーボンニュートラル製品・サービスの登録を増やすことを目標としています。これまでに再生可能エネルギーをNAS電池で安定供給することで地域のカーボンニュートラルに貢献するサービス事業会社として「恵那電力」と「あばしり電力」が登録されました。2023年度は電気自動車用パワーユニットに必要となる絶縁放熱回路基板を新たに登録しました。
環境貢献製品およびサービスは11のラインアップとなりました。うちカーボンニュートラル関連の環境貢献製品およびサービスは5つです。今後もNAS電池に続く電力貯蔵バッテリーZNB(亜鉛二次電池)や、CCU/CCS分野での活用が期待されるCO2分離膜などの新たなカーボンニュートラル製品の開発およびサービスの提供にも注力していきます。

2023年度環境貢献製品

2023年度の環境貢献製品の売上高比率64%

当社の環境貢献製品およびサービスの定義

  • 第三者機関に表彰または認定されたもの
  • 地球環境への環境負荷抑制・軽減に寄与するもの
  • 地域の環境負荷低減または発生負荷の対処に寄与するもの

環境貢献製品およびサービスの開発・創出

製品設計時のESG考慮の仕組み

製品・サービスの開発・設計は「NGKグループ企業行動指針および行動規範」に沿って実施しています。またお客さまやサプライチェーンの要求事項の遵守に努めるとともに、国際規格(ISO14001等)の環境マネジメントシステムで規定された要求事項である環境方針の中で「環境社会貢献として、環境貢献製品・サービスの開発普及を推進すること」を明記しています。そして、その取り組み状況は環境マネジメントシステムに関する定期的な内部監査や第三者機関による監査を通して確認されています。

ページの先頭へ

カーボンニュートラルへの貢献

絶縁放熱回路基板
(カーボンニュートラル関連製品)

絶縁放熱回路基板はモータ駆動制御や発電機の電力変換制御を行うパワーモジュールに使われる製品です。半導体素子で発生した熱を冷却器へ逃がす役割を担っています。
当社の絶縁放熱回路基板は、独自の接合技術により高い信頼性と優れた放熱特性を実現しており、パワー半導体の性能を最大限に引き出します。世界的なEV化の進展に伴い、EV・HEVの車載用途の拡大を通じて、カーボンニュートラルへの寄与が期待される製品です。独自のセラミック技術を通じて社会課題の解決に貢献していきます。

絶縁放熱回路基板の写真です。パワーモジュールで使われ、発生した熱を冷却器へ逃がす役割を担っています。

地域への再生可能エネルギーの供給サービス(恵那電力およびあばしり電力)
(カーボンニュートラル関連サービス)

2021年4月に恵那市、中部電力ミライズ、日本ガイシの3者で恵那電力を設立しました。
恵那電力は、恵那市の公共施設の屋根や遊休地に太陽光発電設備およびNAS電池を設置し、発電した電力を公共施設やNGKグループの明知ガイシに供給することで、恵那市のエネルギーの地産地消とカーボンニュートラルに貢献しています。
さらに、2022年4月には、網走市と日本ガイシで同様な地産の再生可能エネルギーを供給するあばしり電力を設立しました。

恵那電⼒株式会社による地域への再⽣可能エネルギー電⼒供給サービスを表したイメージ図です。

NAS電池
(カーボンニュートラル関連製品)

化石燃料を使わず、二酸化炭素(CO2)を排出しない再生可能エネルギーの普及が進んでいます。NAS電池は、自然現象に左右される風力発電や太陽光発電の出力変動を充放電で吸収し安定化することができます。
また、再生可能エネルギーが増加すると、季節や時間帯によっては電力が余るなど、電力の需要と供給のバランスを取るのが難しくなります。NAS電池は大容量を活かして余剰電力を貯蔵するなど、需給バランスを調整でき、再生可能エネルギーの導入拡大に貢献しています。

NAS電池の写真です。特長である大容量を生かし、風力発電や太陽光発電の出力変動を充放電で吸収し安定化します。
恵那電力吉田発電所
NAS電池の実績数値です。国内外で出力計720MW、放電容量計5000MWh、設置個所250カ所以上と、大型二次電池としては世界トップクラスの実績を持ちます。

波長制御乾燥システム
(カーボンニュートラル関連サービス)

波長制御乾燥システムは、日本ガイシが独自に開発したヒーターユニットを使用し、溶剤の乾燥を促進させることができる乾燥システムです。
このシステムは、蒸発に有効な特定の赤外線を選択照射するため、熱で乾燥させる従来の方式と比べて乾燥時間を約1/2~1/3に短縮し、消費電力も30~50%削減できます。塗布膜中成分の乾燥による濃度の偏りを示すバインダー偏析も30~40%抑制することが可能です。

波長制御乾燥システムの写真です。従来の方式と比べ乾燥時間をおよそ半分以下に短縮します。

ページの先頭へ

環境汚染の防止

ハニセラム

ハニセラムは、自動車の排ガスに含まれる有害成分を浄化する触媒担体用セラミックスです。有害物質を化学反応で無害化する触媒を保持し、ハニカム(ハチの巣)構造により、排ガスとの接触面積を大きくとることでその浄化性能を高めています。
1976年に量産開始以来、累計生産数は18億個以上に達し、自動車の排ガス浄化に欠かせないセラミック製品です。
日本ガイシが生産したハニセラムが1年間で削減できる窒素酸化物(NOx)※1の量は、年間400万トン。これは、日本の年間NOx排出量※2の約2倍に相当します。

1 排ガスシステムを搭載していない新車に同システムを搭載していると仮定

2 出典:OECD Environment Statistics(2012)

触媒担体用セラミックス、ハニセラムの写真です。生産したハニセラムが1年間で削減できる窒素酸化物の量は、年間400万トンに及びます。
日本ガイシが生産したハニセラムが1年間で削減できる素酸化物(NOx)の量は、年間400万トン

ディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)

DPFはディーゼル車の排気系に搭載されている多孔質セラミックフィルターです。微細孔により粒子状物質(PM)を確実に捕集することで、ディーゼル車の排ガスを浄化し、大気汚染の防止に大きく貢献しています。日本ガイシは、コージェライト製と炭化ケイ素製、2種類を量産する唯一のメーカーとして、ディーゼル車のさらなる進化をセラミック技術で支えています。

ディーゼル・パティキュレート・フィルターの写真です。微細孔により、排ガス中の粒子状物質を99%除去します。
微細孔により粒子状物質(PM)を99%除去

ガソリン・パティキュレート・フィルター(GPF)

GPFはガソリンエンジンから排出されるPMを除去するセラミックフィルターです。
ディーゼル車用のPM除去フィルター(DPF)の技術をベースに開発を進め、独自の造孔技術と細孔制御技術などにより、高いPM捕集効率と低い圧力損失(低燃費、高出力)を両立させるGPFの開発に成功しました。2012年に当社が世界で初めて実用化し、2016年から本格的な量産を開始しました。
自動車の排ガス規制は世界的に強化されており、今後GPFの需要が増加する見通しです。当社は需要拡大に対応するため、増産体制を強化しています。

ガソリン・パティキュレート・フィルターの写真です。ガソリンエンジンから排出される粒子状物質を除去します。

車載用高精度NOxセンサー

排ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度を高精度で、リアルタイムに測定できる世界初の車載用センサーです。排ガス中のNOx濃度をppm(100万分の1)レベルで測定し、わずかなNOxも見逃しません。ディーゼル車の排ガス浄化装置を精密に制御してNOxの排出量を減らし、クリーンディーゼル車の普及に貢献しています。

車載用高精度NOxセンサーの写真です。排ガス中の窒素酸化物濃度を高精度で、リアルタイムに測定します。

低レベル放射性廃棄物処理装置

日本ガイシは、独自の処理技術や高性能フィルターを使った排ガス除塵技術を用いて、原子力設備で発生する低レベル放射性廃棄物を安全に処理する各種設備を全国の原子力発電所や関連研究施設などに納入しています。
日本ガイシは、設計から製造、工事までの幅広いエンジニアリング、長期にわたるメンテナンス対応によって、高度かつ安定的な放射能除去を達成し、原子力設備の安全運転に貢献しています。
また、今後老朽化していく原子炉を安全に停止、解体する廃炉作業において新たに発生するさまざまな廃棄物を処理するシステムの開発にも取り組んでいます。

低レベル放射性廃棄物処理装置の写真です。原子力設備で発生する低レベル放射性廃棄物を安全に処理します。

放射性廃棄物処理の重要性

原子力発電所などの放射性管理区域で発生する廃棄物の処理・処分に関しては、放射性物質の放出・漏洩を防止することが最重要で、一般の廃棄物とは異なった処理・処分をしなければなりません。

紫外LED用マイクロレンズ

紫外LED用マイクロレンズは、日本ガイシが開発した石英ガラス製レンズで、水銀ランプに代わる紫外LEDに使われます。水や空気の殺菌などの用途で普及している紫外線光源には現在、水銀ランプが用いられていますが、水俣条約の規制を背景に今後、使用が禁止となる可能性があるため、水銀を用いない紫外LEDへの関心が高まっています。当社製紫外LED用マイクロレンズは紫外LEDチップを格納するキャビティ(空間)を備えた形状に特長があり、紫外LEDの効率を高め、同時に低コスト化も実現します。

紫外LED用マイクロレンズの写真です。水銀ランプに代わる紫外LEDに使われる石英ガラス製レンズです。

ページの先頭へ

環境ラベルおよび宣言

NGKグループでは、取り扱いの多くがBtoB製品であるため、製品への環境ラベルを適用できませんが、製品ごとにお客さまの要望に対応しています。

ページの先頭へ