製品情報

NAS電池で「デマンドレスポンス」に対応、電力需給ひっ迫の改善に貢献
カーボンニュートラルに向け独自EMSの設計・検証も開始

2022年03月15日

日本ガイシ株式会社(社長:小林茂、本社:名古屋市)は1月6日、デマンドレスポンス契約に基づく電力の需要抑制の要請に応え、電力貯蔵用NAS電池にためていた電力を放出しました。当日は広範囲で電力需給を調整する電力会社間の広域融通が実施されており、電力放出により電力需給状況の改善に貢献しました。

NAS電池(日本ガイシ小牧事業所)
NAS電池(日本ガイシ小牧事業所)

 同日は気温低下により電力需要が増加し、夕方の点灯ピーク時の需給ひっ迫を解消するため、事業者が電力の需要(デマンド)を抑制するデマンドレスポンスが求められました。当社は中部電力ミライズ株式会社(本社:名古屋市)の要請により、名古屋・知多(愛知県半田市)・小牧(愛知県小牧市)の各事業所と製造子会社NGKセラミックデバイス株式会社の多治見工場(岐阜県多治見市)に設置しているNAS電池を活用し、合計2万1,000キロワット時の需要を抑制しました。NGKグループは自社開発のNAS電池を国内4拠点に設置、運用しており、総出力7,100キロワット、総容量5万1,000キロワット時にのぼっています。

 NAS電池は大容量が特長です。長時間の放電ができるため、BCP(事業継続計画)に求められる非常用電力を残しながら、猛暑や厳寒など電力需給ひっ迫時の需給バランス調整に求められる3時間のデマンドレスポンスにも安定して応動することが可能です。また昼間に余った太陽光電力を貯蔵して夜に利用することも可能で、再生可能エネルギー発電の増加に伴い拡大する電力需給ギャップの調整手段としても有効です。

 当社は2021年4月に開設された電力の需給調整市場に向け、NAS電池の商品価値をさらに向上させるため、独自のエネルギーマネジメントシステム(EMS)を設計し、NGKセラミックデバイス多治見工場で検証を開始しています。本EMSは工場に設置する太陽光発電設備(PV)などの再生可能エネルギー電力の発電量と工場の需要電力を時間単位で予測し、自動的にNAS電池の充放電を制御することにより、再生可能エネルギー電力を100%利用しながら、工場の受電電力をデマンドレスポンスで要請される電力値に正確に合わせることが可能なシステムです。NAS電池とEMSを組み合わせることで、NAS電池の容量の有効活用、エネルギーリソース価値の最大化が可能となります。

 NGKグループは2021年4月に策定した中長期ビジョン「NGKグループビジョン Road to 2050」で、カーボンニュートラルを取り組むべき社会課題の一つとしています。また同時に策定した「NGKグループ環境ビジョン」では、2050年までに二酸化炭素(CO2)排出量ネットゼロを目標に掲げ、実現のための戦略の一つとして「カーボンニュートラル関連製品・サービスの開発と提供」に取り組んでおり、蓄電池ビジネスでは「モノ売り」に加えてサービスや価値を提供する「コト売り」への展開を図っています。

電力貯蔵用NAS電池とは

 NAS電池は日本ガイシが世界で初めて実用化したメガワット級の大容量蓄電池です。大容量、高エネルギー密度(コンパクト)、長寿命を特長とし、長期にわたり高出力の電力を長時間、安定して供給することが可能です。全世界で200カ所以上、総出力70万キロワット(700メガワット)・総容量490万キロワット時(4,900メガワット時)以上の設置実績を持ち、電力負荷平準によるピークカットや非常電源用途のほか、再生可能エネルギーの安定化やスマートグリッドの構築など、さまざまな用途で利用されており、環境負荷の低減、カーボンニュートラルの実現に貢献しています。

NAS電池製品情報

NGKグループビジョン
NGKグループ環境ビジョン

日本ガイシはSDGs達成に貢献しています。

以上

一覧へ戻る