サステナビリティ

品質の追求

基本的な考え方

NGKグループは、より良い社会環境に資する製品・サービスの提供を最も重要な使命の一つと考え、お客さま視点に立った世の中に信頼される品質づくりに努めています。
「NGKグループ企業行動指針」に基づく品質方針の下、毎年、品質目標を定めて、お客さま視点での品質づくりに取り組んでいます。

品質方針

2022年度の取り組み実績

日本ガイシは2018年度から「業務品質」※1の改善に取り組んでいます。
2021年度より、実務現場の一人ひとりが自律的に業務の品質改善を行うことを目指し取り組みを進めています。2022年度は業務の無理・曖昧の防止と、コミュニケーションの徹底を図りました。その結果、業務負荷や作業ルールの見直しと、実務現場やグループ会社への品質コンプライアンスの理解と浸透が進み、問題をオープンにする組織風土が形成されつつあります。

1 業務品質:お客さまとの約束を遵守するための仕事の仕組みのレベル

2023年度の取り組み計画

2023年度は、部門主体の活動をさらに進めNGKグループ全員が業務品質に磨きをかけるため、2022年度の目標を継続して掲げ、活動の自律化を強固なものにしていきます。
製品品質については、引き続きQRE-P※2の運用により、市場での品質リスクの排除を進めます。その中でも特に、2022年度に試行した不具合を分析し、仕事の進め方を改善する活動を部門内で定着させる取り組みに注力します。

2 QRE-P(Quality Risk Elimination-Process):製品の企画から量産に至る商品化プロセスにて、より効果的に品質リスクを排除する仕事の手順書。

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品質活動体制

NGKグループの品質活動体制は、品質委員長をトップとするグループ全体の体制と、各事業本部長をトップとする事業部門内活動体制からなります。グループ全体の活動としては、品質委員長を補佐する審議機関として品質委員会を設置し、事業部門内活動体制としては、事業系列別にそれぞれに適した品質システムを構築し、ISO9001認証またはIATF16949認証を取得して、品質保証・品質管理・品質改善・品質教育などの活動を推進しています。
お客さまとの接点は各事業本部がその窓口を持ち、市場における品質の不具合やご要望を商品やサービスに反映して、さらなるお客さま満足の向上に努めています。
2022年度は、QRE-Pの運用の一環として品質不具合の原因を分析し仕事を改める試行を行い、不具合発生時にこれを部門が実施するための運用ルールを制定しました。不具合を発生させた部門が仕事の進め方を改善することで、より根本的な対策につなげる仕組みへと改善しています。

品質活動体系

品質活動の体系図です。品質委員会を中心に行われる全社活動と、各事業本部で行われる事業本部の活動に大別できます。

ISO9001認証またはIATF16949認証取得状況

NGK本社および全ての事業本部の国内・海外グループ会社の製造拠点とその支援部門/拠点で、ISO9001またはIATF16949の認証を取得しています。

ISO9001認証またはIATF16949認証取得状況

社会データ集

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品質リスクマネジメント

4つの「品質活動ルール」

NGKグループは、お客さまの品質要求の高度化や多様化、対象市場などの違いに、より的確に対応するために「NGK品質活動の再構築」の活動を全社で推進しています。
特に、市場での品質リスクの排除を強化するために「品質活動ルール」を策定し、ルールの定着とさらなる有効性向上を進めています。

品質活動の有効性向上および仕事のやり方改革を目指して

製品実現において品質向上と品質リスク排除を強化するための仕事のやり方を示した業務プロセスQRE-P活動の全社展開を進めています。2017年度から実施してきたQRE-P活動では部門の規程にQRE-Pの内容を盛り込むとともに、担当者が実務に活用できるレベルになるよう、開発案件を選定し実践支援をしてきました。
2022年度は、2020年度に開始した「部門の弱点にフォーカスしてQRE-Pの考え方を盛り込む取り組み」を進めるため、市場不具合発生時に技術的な対策だけではなく、仕事の進め方において何が足りなかったかを部門で分析し、自ら仕組みを改善するルールを策定しました。また、グループ会社へのQRE-P活動の展開強化のため、製品設計や工程設計を実施している国内グループ会社を中心にQRE-P活動の展開を開始しました。
2023年度は、開発案件の品質リスク排除を一層効果的/効率的に進めることを目指し、開発の早い段階からQRE-Pに沿った品質リスクの検討を部門と行い、事業化時点での信頼性向上に努めます。また、グループ会社へのQRE-P活動の展開をさらに進めるため、海外グループ会社へのQRE-P活動の展開も検討していく予定です。

DR機能強化の活動

お客さまの品質要求の高度化や多様化により、開発の全期間にわたり、設計だけでなく生産技術や製造の関連メンバーの知見を集める必要性が高まっています。このため、DR(デザイン・レビュー、設計審査)を最重要活動と位置づけ、開発の節目や製造工程の変更時にはDRを実施すること、重要なDRには全社からレビュワが参加して品質リスク排除の支援を強化しています。
各DRの議論をより活性化し品質リスク排除を徹底できるよう「DRガイドライン」を作成し、教育やDRごとの振り返りなどにより普及に努めることで、DRの有効性向上を推進しています。
また、部門だけでは解決が困難な課題に対して、全社DR(全社の品質会議)を開き、社内から広く関連する技術者や知見者を集め、製品の信頼性や安全性などを多面的に評価しています。
先述のQRE-Pの考え方を展開することによるDR前の設計レベルの向上とともに、本活動によるDRで組織の知恵や経験の効果的な活用を一層強化していきます。

DR活動の流れを描いた図です。DRガイドラインにもとづき設計者が製品や工程の設計を検討し、DRの場で議論や審議を行い、品質リスクを排除していきます。

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海外拠点での品質活動

海外生産拠点では従来からそれぞれに適した品質システムを構築し、ISO9001認証またはIATF16949認証を取得して品質活動を行っています。
また、グループ全体の品質活動により、毎月報告される各拠点の製造品質の状況や、市場クレームなどの情報は、国内拠点と同様に品質活動推進部会で審議され、NGKグループ全体の品質状況としてタイムリーに把握されています。グループ全体の品質活動ルールや年度ごとの品質目標も展開され、品質活動の発展と充実を図っています。

ISO9001認証またはIATF16949認証取得状況

社会データ集

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全従業員が参加する品質改善活動 「QuiC活動」

NGKグループは、全従業員が参加する品質改善活動「QuiC(Quality up innovation Challenge)活動」を、2003年から展開しています。製品と仕事の質の向上を図るための小集団活動や個人による改善・提案活動で、優れた改善事例は全グループ会社で共有します。毎年7月には、優れた改善事例の横展開を目的に全社大会を本社で開催しています。
2022年度は、7月に「QuiC活動全社大会」を、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けてオンライン併用で開催しました。10月には、事例発表会「NGK-BOX/Surprising Challenges!」を開催しました。「NGK-BOX/Surprising Challenges!」は、全社の改革事例や手本となる取り組みを水平展開し、従業員のモチベーションアップと職場の活性化を図ることを目的としたもので、3回目の開催となりました。
2023年度は、7月に製造部門を主体とした改善事例を共有する全社大会を、10月にNGKグループ全体で取り組んでいる変革や改善事例を共有する「NGK-BOX/Surprising Challenges!」を開催する計画です。

提案活動参加率

2020年度 2021年度 2022年度
製造部門 93% 82% 89%
非製造部門 83% 71% 76%
事務部門 50% 25% 27%
提案件数 約19,000件 約16,400件 約15,600件
QuiC活動全社大会の写真です。
QuiC活動全社大会
QuiC活動の紹介写真です。事例発表会「NGK-BOX/Surprising Challenges!」をオンライン形式で開催しました。
QuiC活動の紹介写真です。事例発表会「NGK-BOX/Surprising Challenges!」をオンライン形式で開催しました。

オンライン形式で開催された事例発表会「NGK-BOX/Surprising Challenges!」

全社大会の受賞者および提案活動の優秀者を国内外の研修に派遣

海外グループ会社での研修

例年10月末から11月初旬にかけて、提案優秀者と全社大会の最優秀賞受賞者を海外グループ会社に派遣していますが、2022年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、昨年度に引き続き中止となりました。
今後、新型コロナウイルス感染症の拡大が収まり次第、海外での改善活動普及の活動を再開する予定です。

国内研修

2020年度から新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて中止となっていた国内研修を3年ぶりに開催しました。国内研修では12月7日から10日にかけて、提案優秀者と全社大会の大会優秀賞・特別賞受賞者の16名を沖縄に派遣し、QCサークル全国大会を聴講し、他社とNGKグループの違いなどをテーマとして意見交換を行いました。

国内研修でQCサークル全国大会を聴講の写真です。
国内研修でQCサークル全国大会を聴講

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品質教育の強化

NGKグループは、お客さまの期待を超えていく製品を提供することを目指し、品質に関するスキル習得と意識向上のための品質教育を全従業員を対象として強化しています。
各自が実務テーマを持ち寄って行う実践研修および業務の仕組み改善を促進するための品質管理システム(QMS)の研修を最重要と考えており、半年にわたる長期個別指導を実施しています。新型コロナウイルス感染症の影響が続いており、オンライン配信や動画配信を活用するとともに、研修室の安全対策を取り入れた対面式を併用することにより、下表の研修を継続実施しました。

2022年度の品質教育

研修名 参加人数 目的・特長
問題解決
(日本ガイシ若手)
講義:67人
個別指導:32人
  • 業務課題をテーマとした統計分析技術のスキルアップサポート
  • 受講生の上司とともに支援
SQC(Statistic Quality
Control)手法研修
(希望者/NGKグループ含む)
延べ356人
  • 統計的品質管理手法の習得
  • 従来の対面講座を手法ごとにe-ラーニング化
  • 問い合わせの多い手法の講座を一つ追加し、全15講座で構成
  • 全講座をいつでも自由に聴講可能
信頼性基礎研修
(希望者/NGKグループ含む)
信頼性基礎研修Ⅰ:103人
  • 設計信頼性や故障物理、信頼性データの解析方法の習得
信頼性基礎研修Ⅱ:80人
  • 未然防止の手法、QFD、FTA、FMEA、デザインレビュー(DR)の習得
  • 変更点に潜む問題発見と問題解決の議論を通してスキルアップ
  • 日本ガイシのDRおよびQRE-Pの理解
失敗学と創造学研修
(希望者/NGKグループ含む)
上位職向講演会:約150人
実務者向講演会:約200人
指導・相談会:20人
  • 失敗学の考え方、活用メリットの理解
  • 分析力と展開力の向上
QMS研修
(希望者/NGKグループ含む)
ISO/IATF規格解説:594人
  • 規格の意図と要求事項の理解
  • 対面式+オンライン(同時配信)による需要対応
ISO/IATF内部品質監査員養成:129人
  • 内部品質監査員の育成と認定
VDA6.3プロセス監査:41人
  • VDA規格で要求されるプロセス監査の理解

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保全活動のレベル向上

NGKグループは保全活動のレベル向上や生産効率アップを目指し、2022年度も多くの従業員が自主保全士検定試験(日本プラントメンテナンス協会)に挑戦しました。この資格は品質管理や安全、機械保全に必要な幅広い知識と技能を持ち、自主保全活動の計画・立案、実践・指導ができると認められた者に与えられます。
NGKグループでは、引き続き自主保全士検定試験の受験を後押しし、自主保全活動の活性化と従業員のモチベーションアップに取り組んでいきます。

合格者数

会社名 1級受験者数 1級合格者数(合格率) 2級受験者数 2級合格者数(合格率)
日本ガイシ 33人 11名(33%) 34人 24人(71%)
NGKセラミックデバイス 5人 4人(80%) 55人 36人(65%)
NGKエレクトロデバイス 7人 1人(14%)

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