サステナビリティ
品質活動
品質活動体制
日本ガイシの品質活動体制は、品質委員長をトップとするグループ全体の体制と、各事業本部長をトップとする事業部門内活動体制からなります。グループ全体の活動としては品質委員長を補佐する審議機関として品質委員会を設置し、事業部門内活動体制としては事業系列別に、それぞれに適した品質システムを構築し、ISO9001認証またはIATF16949認証を取得して、品質保証・品質管理・品質改善・品質教育などの活動を推進しています。
2018年度からは、受渡検査の不整合問題への対策として、品質コンプライアンスの強化を図るため遵守ルールを規程化するとともに、従来の「製品品質」に加えて「業務品質」にも品質活動を拡大しています。
2020年度にはグループ会社を含む事業部門内の活動体制を整備し、グループ会社に対する品質保証部の位置づけを明確化しました。
今後も事業部門内のルールを整備し、グループ会社を含めた体系的活動を進めます。
品質活動体系

ISO9001認証またはIATF16949認証取得状況
2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | |
---|---|---|---|---|---|
ISO9001認証取得事業所/割合(%、グループ) | 100 | 97 | 97 | 97 | 100 |
品質リスクマネジメント
4つの「品質活動ルール」
NGKグループでは、お客さまの品質要求の高度化や多様化、対象市場などの違いに、より的確に対応するために「NGK品質活動の再構築」の活動を全社で推進しています。
特に、市場での品質リスクの排除を強化するために「品質活動ルール」を策定し、ルールの定着とさらなる有効性向上を進めています。
品質確認のルール
開発から生産立ち上げまでの節目や、製造工程の変更時に守るべき6つの品質を確認し、継承する。
DR※機能強化のルール
品質リスクの重要性が高位と中位のDR計画を重要DRとして登録し、全社レビュワが同DRに参加する。特に品質リスクの高い案件については、品質経営統括部長が全社DRを開催する。
デザイン・レビュー、設計審査
品質監視のルール
製造や市場での品質状況の変化や課題を全社で監視・共有する。製造不良と市場クレームの状況を毎月、品質経営統括部への報告を通して全社で共有し、市場不具合の処置に対して妥当性を審議する。
重大な市場クレーム処置のルール
重大な市場クレームが発生した場合、あるいはその恐れがある場合は、迅速に品質委員長へ報告し、全社的措置を検討する。
品質活動の有効性向上および仕事のやり方改革を目指して
製品実現において品質向上と品質リスク排除を強化するための仕事のやり方を示した業務プロセス(QRE-P:Quality Risk Elimination-Process)活動の全社展開を進めています。2017年度から実施してきたQRE-P活動では部門の規程にQRE-P内容を盛り込んでもらうとともに、担当者が実務に活用できるレベルになるよう、開発案件を選定し実践支援をしてきました。
2020年度は、その実践支援を継続するとともに、担当者だけでなく部門全体にQRE-Pの考え方を定着させることを目指し「部門自身でのQRE-P自律運用化」の取り組みを開始しました。最初の取り組みとして特に注力する部門を選定し、部門が運用しやすい方策を部門の品質保証部とともに協議し、各部門や製品に適した活動を始めました。
品質リスク排除と製品価値向上の強化を推進するために、主要な製品に対しては「部門自身でのQRE-P自律運用化」を継続していくとともに、それに続いてQRE-P活動を国内・海外のグループ会社にも展開させていくための支援も併せて実施していく予定です。
DR機能強化の活動
お客さまの品質要求の高度化や多様化により、開発の全期間にわたり、設計だけでなく生産技術や製造の関連メンバーの知見を集める必要性が高まっています。このため、DR(デザイン・レビュー、設計審査)を最重要活動と位置づけ、開発の節目や製造工程の変更時にはDRを実施すること、重要なDRには全社からレビュワが参加して品質リスクの排除を支援することを強化しています。
各DRの議論をより活性化し品質リスク排除を徹底できるよう「DRガイドライン」を作成し、教育やDRごとの振り返りなどにより普及に努めることで、DRの有効性向上を推進しています。
また、部門だけでは解決が困難な課題に対して、全社DR(全社の品質会議)を開き、社内から広く関連する技術者や知見者を集め、製品の信頼性や安全性などを多面的に評価しています。
先述のQRE-Pの考え方を展開することによるDR前の設計レベルの向上とともに、本活動によるDRで組織の知恵や経験の効果的な活用を一層強化していきます。

海外拠点における品質活動への取り組み
海外生産拠点では従来からそれぞれに適した品質システムを構築し、ISO9001認証またはIATF16949認証を取得して品質活動を行っています。
また、グループ全体の品質活動により、毎月報告される各拠点の製造品質の状況や、市場クレームなどの情報は、国内拠点と同様に品質活動推進部会で審議され、NGKグループ全体の品質状況としてタイムリーに把握されています。グループ全体の品質活動ルールや年度ごとの品質目標も展開され、品質活動の発展と充実を図っています。
全従業員が参加する品質改善活動 「QuiC活動」
NGKグループは、全従業員が参加する品質改善活動「QuiC(Quality up innovation Challenge)活動」を、2003年から展開しています。製品と仕事の質の向上を図るための小集団活動や個人による改善、提案活動で、優れた改善事例は全グループ会社で共有します。毎年7月には、優れた改善事例の横展開を目的に全社大会を本社で開催しています。
2020年度は新たな試みとして、事例発表会「NGK-BOX/Surprising Challenges!」をオンライン形式で開催しました。NGK-BOXとは、NGKグループ全体で取り組んでいる変革や改善事例を共有し、全社的に推進することを目的とした発表会で、今回初めて開催されたものです。各部門が実践している事例紹介や改善発表者との意見交換を通じて「変化に挑戦するマインドの醸成」を図ります。国内グループ会社の代表2グループを含む計11グループが業務の効率化や本質の追求、理念共有、組織風土改革などの活動成果を発表しました。従業員・役員含め延べ約500人がオンラインで聴講しました。
2021年度は、8月に製造部門を主体とした改善事例を共有する全社大会を、11月にはNGKグループ全体で取り組んでいる変革や改善事例を共有するNGK-BOXを開催する計画です。
<提案活動参加率>
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | |
---|---|---|---|
製造部門 | 100% | 98% | 93% |
非製造部門 | 92% | 85% | 83% |
事務部門 | - | 60% | 50% |
提案件数 | 約28,000件 | 約29,000件 | 約19,000件 |

「NGK-BOX/Surprising Challenges!」
全社大会の受賞者および提案活動の優秀者を国内外の研修に派遣
海外グループ会社での研修
例年、10月末~11月初旬にかけて、提案優秀者と全社大会の最優秀賞受賞者を海外グループ会社に派遣していますが、2020年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、中止となりました。
今後は、新型コロナウイルス感染症の拡大が収まり次第、海外での改善活動普及の活動を再開する予定です。
国内研修
例年、12月下旬には、提案優秀者と全社大会の大会優秀賞・特別賞受賞者を沖縄に派遣し、QCサークル全国大会を聴講し、他社とNGKグループの違いなどをテーマとして意見交換を行っていましたが、2020年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、中止となりました。
今後は、新型コロナウイルス感染症の拡大が収まり次第、国内での改善活動普及の活動を再開する予定です。
品質教育の強化
NGKグループは、お客さまの期待を超えていく製品を提供することを目指し、品質に関するスキル習得と意識向上のための品質教育を全従業員を対象として強化しています。
各自が実務テーマを持ち寄って行う実践研修および業務の仕組み改善を促進するための品質管理システム(QMS)の研修を最重要と考えており、2020年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により2021年度に延期した研修もありますが、オンライン配信や動画配信を活用するとともに、研修室の安全対策を取り入れた対面式を併用することにより、下表の研修を継続実施しました。
<2020年度の品質教育>
教育名 | 開催日数と参加人数 | 目的・今年度の特長 |
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QCⅠ (日本ガイシ J群技能職) |
e-ラーニング(1カ月):120人 実践テーマ研修(2カ月) |
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失敗学と創造学 (全NGKグループ) |
失敗学講義:0.5日 25人 失敗学演習:各自1日 22人 失敗学講演/共有会:1日 234人/148人 創造学講義:0.5日 149人 |
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QMS研修 (全NGKグループ) |
ISO/IATF規格解説:1日×5回 503人 |
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ISO/IATF内部品質監査員養成: 2日×5回 94人 |
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監査力量向上:1日 16人 |
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VDA6.3プロセス監査:1日 27人 |
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自主保全士試験に115人(1級37人、2級78人)の従業員が合格
NGKグループは保全活動のレベル向上や生産効率アップを目指し、2020年度も多くの従業員が自主保全士検定試験(日本プラントメンテナンス協会)に挑戦しました。この資格は品質管理や安全、機械保全に必要な幅広い知識と技能を持ち、自主保全活動の計画・立案、実践・指導ができると認められた者に与えられます。
NGKグループでは、引き続き自主保全士検定試験の受験を後押しし、自主保全活動の活性化と従業員のモチベーションアップに取り組んでいきます。
<合格者数>
1級 | 2級 | |
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日本ガイシ | 32人(合格率52%) | 55人(合格率79%) |
NGKセラミックデバイス |
3人(合格率50%) | 23人(合格率92%) |
NGKエレクトロデバイス | 2人(合格率50%) | - |