環境

水資源の保全

考え方

NGKグループは、「NGKグループ環境ビジョン」に基づき、水資源の持続可能な利用を重要な経営課題の一つと位置づけています。
主力事業であるセラミックス製造に必要な水についても、水利用の効率化と水リスクの適切な管理を通じて、環境負荷の低減と事業の安定的な継続の両立を目指しています。
なお、本取り組みは、マテリアリティに沿った構成の下、「資源循環の推進」に位置づけていますが、第6期環境行動5カ年計画においては、水資源の保全を「自然との共生」に含めて整理しています。

指標と目標

目標と実績

NGKグループは、「第5期環境行動5カ年計画」において、取水量の売上高原単位を指標としています。2019年度の水準(1,000m3/億円)を維持することを目標に設定し、2025年度は601m3/億円と、目標を達成しました。2026年度からは「第6期環境行動5カ年計画」に基づき、5年間の平均売上高原単位において、毎年度0.5%削減を目標としています。

取り組み

水資源に関するリスク管理と対応

NGKグループは、サステナビリティの観点から、水資源に関するリスク管理と水利用の効率化に取り組んでいます。
自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)が推奨するLEAPアプローチを活用し、国内外の各拠点における取水や排水が拠点周辺地域の水資源に与える依存や影響について調査・評価を行っています。
2025年度は、過去に実施した水リスク評価を再度行い、潜在的な水リスクのある拠点の見直しを行いました。これらの結果を基に、リスクがあると考えられる拠点を優先的に対象とし、水利用に関する詳細情報や取り組み内容を現地と確認しながら、水利用のさらなる効率化に取り組んでいます。
なお、国内外の拠点において排水水質に関する重大な基準・規制違反はありませんでした。

水リスクの評価

NGKグループは、国内外の全生産拠点を対象に、水不足リスクの自己評価を行うとともに、海外拠点を中心に第三者による詳細な分析を実施しています。詳細分析では、水ストレスや地下水ストレス、季節変動による水供給量の変化、ダムの貯水力などを評価し、将来の水需給予測も行っています。さらに、水災リスク(洪水・土砂崩れ)や水質リスク(公衆衛生・生態系)も含め、総合的なリスク評価を進めています。
その結果、アジア・北米の一部拠点は水ストレスが高い流域に位置しており、2025年度の取水量は125,000m3で、グループ全体の約3%を占めています。
これらの評価結果は、拠点ごとの水リスク把握や情報共有に活用しており、水ストレスが高い地域では、水利用の効率化や再生水活用などの対応を検討・推進しています。現時点では、いずれの拠点においても深刻な水リスクは確認されていませんが、規制動向を注視し、必要に応じて水利用効率化を推進します。

潜在的な水リスクのある地域の海外生産拠点数
地域 水需給 水災 水質汚濁への脆弱性
現在 2050年 公衆衛生 生態系
北米 0 2 0 0 1
欧州 0 0 0 0 1
日本・アジア・豪州 1 2 0 1 1
  • 水ストレス:水需給がひっ迫している状態を指します。ここでは、水供給量に占める取水量の比率を評価指標としています

水利用の効率化とサプライチェーンへの展開

NGKグループは、水利用の適正化を目指し、チェックリストを兼ねたガイドラインを作成し、これらを用いた現状調査を実施しています。
今後は、グループ各拠点や他社の事例調査結果も活用し、ガイドラインをさらに充実させるとともに、水利用の効率化を推進します。
また、分析ツール「Aqueduct」を用いて主要サプライヤーの水リスク評価も行い、サプライチェーン全体でのリスク管理強化を目指しています。

グループ会社における取り組み

生産拠点における再生水利用

NGKグループでは、製品の製造工程において水資源が不可欠であることを踏まえ、水利用の効率化と水リスクの適切な管理を通じて環境負荷の低減と事業の安定的な継続の両立を図っています。その一環として、製造工程の特性に応じ、一部の生産拠点において再生水の利用を行っています。
NGKセラミックデバイス(NCDK)小牧工場では、SAWフィルター用複合ウエハーの加工工程で比較的多くの水を使用するため、セラミック膜でろ過した再生水を利用するシステムを導入し、2022年度から運用を開始しました。この仕組みにより、2025年度は年間取水量約160,000m3のうち約28,000m3を再生水で賄いました。
同様の工程を持つNCDK富士吉田工場では、さらに処理能力の高い設備を導入し、水需給リスクが比較的小さい国内においても効率的な水利用を推進しています。

NCDK富士吉田工場で稼働中の、再生水処理装置の写真です。
NCDK富士吉田工場の再生水処理装置

水ストレス拠点における詳細調査

NGKグループでは、水リスクのある拠点に対するリスク管理の一環として、水ストレスが高い地域に立地する拠点の水資源の利用状況について詳細な調査を実施しています。例えば、NGKセラミックスメキシコでは取水する流域について水ストレス評価を行うなど、水リスクの把握と低減に向けた取り組みを進めています。