生物多様性の保全と再生
考え方
2022年のCOP15で採択された「昆明・モントリオール生物多様性枠組み」は、2030年までに生物多様性の損失を止め、反転させる「ネイチャーポジティブ」を目標としています。
また、2023年に公表されたTNFD提言では、自然関連課題が企業の戦略的リスクに関わることから、事業活動およびバリューチェーンを通じた自然への依存や影響、ならびに自然関連のリスク・機会について把握し、情報開示することを推奨しています。
NGKグループは、こうした国際的動向を踏まえ、生物多様性の保全と再生を重要課題と位置づけ、バリューチェーン全体での影響把握と持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進します。
指標と目標
NGKグループは、「NGKグループ環境ビジョン」に基づき、自然との共生を目指し、生態系への負荷低減と啓発活動による意識向上に取り組んでいます。また、「第5期環境行動5カ年計画」では、生物多様性推進をテーマに掲げ、2025年度までに国際的なイニシアチブに対応した取り組みの拡充を目標として活動してきました。
2025年度は、TNFD提言に基づく開示への対応として、自然への依存・インパクトならびにリスク・機会に関する分析を深化させ、開示内容の充実を進めました。
取り組み
生物多様性保全の活動
社内のイベントを活用した従業員の意識向上への取り組み
NGKグループは、自然保全活動に関する情報開示に加え、従業員を対象とした環境教育および啓発活動を継続的に実施しています。2025年10月に開催した社内イベント「NGK-Days」では、生物多様性をテーマとしたワークショップを実施しました。
当日は、専門家と共に本社周辺の植生を観察しながら、NGKの事業や地域と自然との関わりについて学び、生物多様性保全に取り組む意義や考え方について、従業員の理解促進を図りました。
社有地や事業所での生物調査
NGKグループは、生物多様性保護に向けた取り組みの基盤とするため、社有地や事業所において地域の生態系に関する生物調査を実施しています。これまで複数の社有地で、植物、動物、鳥類、昆虫などの調査を行い、さまざまな生物を確認しました。調査の結果、早急な対応が必要な外来種は発見されず、適切な管理状態にあることを確認しています。また、調査結果はパネルにまとめて厚生施設に展示し、従業員や地域住民などのステークホルダーに生物多様性保護の重要性を周知しています。
2025年度は、前年の本社沿いを流れる新堀川での調査に続き、環境DNAの手法を用いて、小牧事業所沿いを流れる大山川で生物調査を実施しました。当社は大山川へ処理水を排水していることから、まずは地域の生物多様性の現状を把握することが重要であると考えています。調査結果については、地域の生態系に関する理解を深め、生物多様性の保全などにどのように活用できるか検討しています。今後は、他の拠点でも環境DNAの活用を進めていく予定です。
2025年度 調査概要
- 時期:2025年10月
- 場所:大山川(NGK小牧事業所付近)
- 調査委託会社:サンリット・シードリングス株式会社
環境に関わる社会貢献活動
NGKグループは、国内外の拠点において、地域環境保全への貢献や生物多様性の保護、従業員の環境意識向上を目的に、地域の行政、NPO、企業と連携した社会貢献活動を実施しています。
海岸清掃
NGK石川工場、NGKセラミックデバイス石川工場
NGK石川工場およびNGKセラミックデバイス(NCDK)石川工場は、石川県の海岸愛護運動「クリーン・ビーチいしかわ」に参加し、地域住民と共に根上海岸(石川県能美市)の清掃活動を行っています。2025年度は、従業員とその家族が参加し、海岸から漂着したプラスチック容器やペットボトル、木くずなど、多くのごみを回収しました。この活動は、石川県の海岸線全体の美化を目的に1995年から継続されており、NGK石川工場は2012年、NCDK石川工場は2017年から参加しています。
NGKセラミックデバイスマレーシア
NGKセラミックデバイスマレーシア(当時NGKエレクトロデバイスマレーシア)は、ペナン州議会(MBPP)の協力の下、ペルマタン・ダマル・ラウト地区パンタイ・エセンのビーチにおいて清掃活動を実施しました。
NGKセラミックデバイスマレーシアの従業員84人が参加し、海岸沿いのごみや漂着物の回収に取り組みました。
森林保全活動
NGKフィルテックは、「かながわ森林再生50年構想」に賛同し、神奈川県松田町のやどりき水源林で森林保全活動を実施しました。従業員とその家族が参加し、生物観察や植物の説明を通じて森林保全の重要性を学びました。
同社は2022年9月から5年間、神奈川県と協定を締結し、森林整備費用の支援を行う「森林再生パートナー」として活動しています。
駐車場跡地の緑化
NGK本社の駐車場跡地を活用し、2024年度から緑地化の実証的な取り組みを進めています。本取り組みでは、地域の在来種の苗を植えることで、NGKが事業を行う地域における生物多様性の回復への貢献を目指しています。2025年11月には、チガヤ草地の草刈りおよび野草苗の植栽を実施しました。また、この取り組みを従業員に現地で紹介する場を設け、環境意識向上を目的とした社内環境教育の場として活用しました。
自然共生サイト「NGK みんなの森みずなみ」における活動
岐阜県瑞浪市にある社有林「NGK みんなの森みずなみ」は、環境省の自然共生サイトに認定されており、2030年までに陸域・海域の30%以上を健全な生態系として保全する国際目標のカウント対象となるOECMに登録されています。
同社有林は、NGKセラミックデバイス多治見工場、NGKアドレック、明知ガイシの周辺に位置しており、NGKグループは、適切な森林管理を通じて生態系の健全性を高め、地域の生物多様性の維持・再生とネイチャーポジティブの実現に向けた取り組みを進めています。
2025年度は、社内制度である「自主テーマサークル」を活用し、趣旨に賛同した従業員が主体となって、下草刈りや間伐などの里山保全活動を継続的に実施しました。
生物多様性関連イニシアチブへの参加および外部評価
「NGK みんなの森みずなみ」が環境省の自然共生サイトに認定
「NGK みんなの森みずなみ」は、グループ会社周辺の社有林で、2024年3月に環境省の「自然共生サイト」に認定されました。
自然共生サイトは、民間の取り組みにより生物多様性の保全が図られている区域として国が認定するものです。
あいち生物多様性認証企業に認証
NGKは、2023年11月に愛知県の「あいち生物多様性認証企業」に認定されました。
この制度は、生物多様性保全に関する優れた取り組みを実践する企業を認証し、地域での保全活動を促進するものです。
経団連生物多様性宣言イニシアチブに賛同
NGKグループは、2022年に「経団連生物多様性宣言イニシアチブ」に賛同しました。
この宣言は、企業・団体が生物多様性保全に向けた決意と行動指針を示すものです。