研究から量産まで対応する
セラミック膜乳化式LNP形成装置
概要
NGKで開発中のセラミック膜乳化式LNP※1(Lipid Nano Particle)形成装置は、DDS※2(Drug Delivery System)として注目されるLNPをセラミック膜によって膜乳化法で製造できる装置です。独自のセラミック膜の細孔径制御技術を活用し、研究開発から商業生産まで同一の混合原理でLNPを形成できる製造プラットフォームの実現を目指しています。
本技術は、mRNA医薬、核酸医薬、遺伝子治療薬などの次世代医薬品に不可欠なLNPの開発・製造を支え、革新的な医療の普及に貢献することが期待されています。
- ※1LNP:脂質から構成されるナノサイズの粒子
- ※2DDS:薬を体内で必要な場所・量に効率よく届けるための薬物送達システム
LNPとは
LNPは、脂質から構成される直径50〜100nm程度の微小な粒子で、薬物や核酸を体内の標的部位へ運ぶ役割を担います。新型コロナウイルス感染症向けmRNAワクチンで広く実用化されたことで注目を集めました。現在では、遺伝子治療、がんワクチン、核酸医薬など、さまざまな次世代医薬品の送達技術として期待されています。
LNPは、脂質を溶解した液体と薬物を含む液体を高速かつ均一に混合することで形成されます。そのため、混合原理と技術はLNPの粒子径や品質を左右する重要な製造技術の一つです。
特長
研究開発から量産まで対応可能なスケーラビリティ性能
従来のLNP形成技術では、対応可能な流量範囲が限定されるため、研究開発から量産まで同一の装置・原理で展開することが容易ではありませんでした。NGKはセラミック膜の微細孔径と有効混合面積を制御することで、従来法よりも幅広い総流量領域への対応を目指しています。これにより、研究開発から量産まで同一の混合原理によるLNP形成が可能な製造プラットフォームの実現を目指しています。
- ※1マイクロ流路法:微細な流路内で2種類の液体を精密に混合し、均一なLNPを形成する方法
- ※2T-ジャンクション法:T字型の流路で2種類の液体を瞬時に混合し、LNPを形成する方法
- ※3金属膜乳化法:金属膜の貫通孔を用いて、2液を混合し、LNPを形成する方法
LNP形成装置に求められる性能
NGKセラミック膜の高精度な細孔径制御技術、膜面積設計の柔軟性、優れた耐薬品性などの特長を活かし、LNP形成の開発・製造における課題解決に貢献します。
| 課題 | 求められる性能 | セラミック膜による解決策 |
|---|---|---|
| スケーラビリティ | 研究開発から商業生産まで、製造条件の変更を最小限としたスケール移行 | セラミック膜の微細孔と表面面積を制御することで、混合原理や製造条件を維持したままスケールアップが可能 |
| シングルユース対応 | 製品間の交差汚染リスク低減と洗浄・滅菌工程の削減 | セラミック膜を使い捨て可能な構成とすることで、洗浄・滅菌を不要とするシングルユース対応を実現 |
| 粒子径の制御 | 目的に応じた粒子径の安定かつ高精度な制御 | 均一な微細孔により脂質溶液を均質に分配し、均一に混合することによって、粒子径のばらつきを低減 |
| 耐薬品性 | 将来的な新規脂質や溶媒への適応性 | セラミック膜による高い耐薬品性により、幅広い脂質や溶媒へ対応 |
試作品の提供について
NGKでは、LNP医薬品や核酸医薬品の研究開発・製造を検討されている企業向けに試作品を提供しています。評価をご希望の場合はお問い合わせフォームよりご相談ください。
LNP形成装置に関するご相談
NGKのセラミック膜乳化式LNP形成装置に関するお問い合わせに加え、LNP形成装置の研究開発や製造スケールアップに関する課題についてもご相談いただけます。試作品評価や共創のご検討など、お客様のニーズに応じて対応します。まずはお気軽にご連絡ください。
