製品情報

チップ型セラミックス二次電池「EnerCera(エナセラ)」シリーズ

超薄型・小型のリチウムイオン二次電池「EnerCera」とは

「EnerCera(エナセラ)」シリーズ

EnerCera(エナセラ)は、超薄型・小型のリチウムイオン二次電池です。日本ガイシ独自の結晶配向セラミックス正極板を使用した半固体電池により、従来のリチウムイオン二次電池では併存が難しかった高容量、高出力、高耐熱、長寿命などの特性を兼ね備えています。

低抵抗なため、微小な電力を蓄えて必要なときに大電力を供給することが可能で、環境発電(エネルギーハーべスティング)やワイヤレス空間電力伝送(WPT)の電源として最適です。これらの給電技術とEnerCeraを組み合わせた電源システムにより、自然エネルギーのみで稼働し、繰り返し使用することのできるメンテナンスフリーなIoTデバイスを実現します。

EnerCeraはキャパシタとリチウムイオン二次電池の長所を合わせ持つ蓄電デバイスとして、自立型IoTの社会実装の実現に貢献します。

EnerCeraはメンテナンスフリーを実現するIoT用バッテリーです

EnerCeraの特長

高耐熱で量産プロセスに対応し、コストダウンに貢献

耐熱性に優れるため、リフローはんだ付けなど高温プロセスでの実装が可能です。他の電子部品と同様、量産プロセスへの対応が可能で、コスト低減につながります。半固体電池「EnerCera Coin」は、電池が最も劣化しやすい満充電状態において、105℃で1,000時間保持後も容量維持率は80%以上です。

安全性が高く、安心して身に着けられる

有機バインダーを含まず、電解液も微量なため、発熱・発火・爆発の可能性が極めて低い安全なリチウムイオン二次電池です。
衣服や腕、首などに身に着けるウエアラブルデバイス用電源に最適です。

高出力で幅広い無線通信に対応

同サイズの市販二次電池に比べ、1/2以下の抵抗で大電流を流せるため、数10~数100ミリアンペアの幅広い無線通信に対応します。
BLE(Bluetooth Low Energy)やLPWA(Low Power Wide Area)、セルラー通信などの超薄型・小型電池として極めて高い性能を有します。

微小な電力でも充電し、エネルギーを有効活用

低抵抗かつ自己放電量が小さいため、環境発電(エネルギーハーべスティング)や無線給電による微小な電力の蓄電に最適です。エネルギーを有効活用し、繰り返し使える、メンテナンスフリー電源として適しています。

超薄型・小型なのに高容量

超薄型・小型でありながら電池容量は同サイズの市販二次電池の約1.5~2倍。スペースが限られた設計にも対応が可能です。より薄型・小型なデバイスを設計できます。

曲げ耐性に強く、曲面にフィット

EnerCera Pouchの厚みはわずか0.45ミリメートル。超薄型で小型のうえ、曲げ耐性があるため、曲面にもフィットします。カード型デバイスへの実装をはじめ、湾曲面に貼ることもできるなど、これまで電池を使えなかったものに搭載することができ、IoTデバイスの活躍の場を広げます。

EnerCeraのキーテクノロジー

EnerCeraは超薄型・小型でありながら、高耐熱、安全性(高信頼性)、高出力、長寿命を実現したリチウムイオン二次電池です。これらの性質を実現するために欠かせないのが、日本ガイシが独自開発した「結晶配向セラミックス正極板」と「半固体電池」です。

結晶配向セラミックス正極板

従来のリチウムイオン電池は、電極材料の成形に電極活物質の粉末と導電助剤および、それを結着させる有機バインダーを使用しています。この構造は高温環境では有機バインダーが電解液と反応して結着力が低下し、電子伝導性を失います。そのため、耐熱性が低く、電池性能が劣化しやすいという弱点がありました。
当社は独自の焼結技術により、結晶の向きを緻密に制御できる「結晶配向セラミックス正極板」を開発しました。EnerCeraの正極に結晶配向セラミックス正極板を使用することにより、活物質内をリチウムイオンが高速で移動できるようになるため、低抵抗で高出力な電池を実現しています。加えて電池容量に寄与しない有機バインダーや導電助剤を含まないため、高いエネルギー密度を有しています。これらの特性により、超薄型・小型ながら耐熱性に優れ、効率的に蓄電・出力できる二次電池の実現に成功しました。

半固体電池

EnerCeraは、セラミック製の積層電池部材に微量の電解液を染み込ませた半固体電池です。有機材料を含まず、電極成分のみを焼き固めたセラミックス板にごくわずかな電解液を染み込ませているため、発熱・発火・爆発の可能性が極めて低い安全なリチウムイオン二次電池です。

EnerCeraと一般的なリチウムイオン電池の構造比較

ラインアップ

量産実装プロセスに対応できるEnerCera

EnerCeraには厚さ0.45ミリメートルと超薄型で曲げ耐性のあるカード実装向け「EnerCera Pouch」と、コイン形で厚さ1~1.8ミリメートルの回路基板実装向け「EnerCera Coin」の2タイプがあります。
EnerCera Pouchは、ICカードの製造で広く使われるセ氏100度以上の高温でカードを成形するホットラミネート加工で実装できる世界初の薄型リチウムイオン二次電池です。大電流タイプ、高温プロセスタイプ、高速充電タイプがあり、さまざまなデバイス設計に対応可能です。
EnerCera Coinは、基板への電子部品の実装方法として一般的なリフローはんだ付けで回路基板に実装でき、かつ大電流放電が可能な世界初のデバイス駆動用リチウムイオン二次電池です。

品番 EC382704P-T EC382704P-Hr ET382704P-H
【量産準備中】
ET2016C-R ET1210C-H
外観 EC382704P-T EC382704P-Hr ET382704P-H ET2016C-R ET1210C-H
サイズ(端子含まず) 38mm×27mm 20mm 12.5mm
厚さ(端子込み) 0.45mm 2.05mm 1.3mm
公称容量 27mAh (4.3V)
24mAh (4.2V)
20mAh 20mAh 25mAh 4mAh
公称電圧 3.8V 2.3V
充電 充電方式 定電流 (CC) - 定電圧 (CV) 充電 定電圧 (CV) 充電 (電流制御不要)
充電電圧 4.3V
4.2V
4.2V 2.7V
標準充電電流 13.5mA (4.3V)
12.0mA (4.2V)
10mA -
放電 放電終止電圧 3.0V 1.5V
標準放電電流※1 27mA (4.3V)
24mA (4.2V)
10mA 40mA 2.5mA 0.8mA
(参考値)
放電ピーク電流※2
560mA 130mA 300mA 60mA 20mA
曲げ耐性 カード規格ISO 14443-1準拠の曲げ・ねじり試験で性能劣化なし -
作動温度 放電:-20℃~45℃
(充電:0℃~45℃)
放電:-20℃~60℃
(充電:0℃~60℃)
-40℃~70℃ -20℃※5~105℃
備考 大電流タイプ 高温プロセスタイプ※3 高速充電タイプ※4 リフローはんだ付け非対応
【対応品開発中】
リフローはんだ付け対応※6

※1 公称容量を利用できる電流値
※2 0.1秒間放電時の電圧低下が0.5V (25℃)
※3 ICカード製造のホットラミネート加工に対応
※4 80%充電まで14分
※5 RTCバックアップ用途では-40℃~105℃
※6 推奨条件 Max.240℃×1回 詳細は弊社にご相談ください

IEC62133取得済み
記載内容については予告なく変更する場合があります

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電子デバイス事業部 営業部