新製品の創出

超高速通信やEV用パワーデバイスに貢献する次世代ウエハー

開発品の概要

次世代ウエハー各種

5Gや6Gなどの高速無線通信ネットワークでは、より高い周波数で動作するパワーアンプやフィルターが求められ、データセンターやコアネットワーク・メトロネットワークでは、超高速かつ低消費電力で超高速光伝送を実現する光デバイスが求められています。さらに電気自動車(EV)などに用いられるパワーデバイスでは、高出力化や電力損失の低減、信頼性の向上が期待されています。

これらの市場ニーズに貢献するため、日本ガイシでは独自の結晶成長法や超精密研磨技術、異種材接合技術を用いて、高性能な次世代ウエハー製品を開発しています。

開発中のウエハー製品

窒化アルミニウム(AlN)ウエハー

AlNウエハーは、殺菌に使用される深紫外発光ダイオード(UVC-LED)の性能向上に貢献できるほか、次世代のパワー半導体への展開も期待されています。当社は独自の製法によって、大型化が非常に難しいとされる単結晶AlNウエハーの4インチ化に成功しました。

写真は左から2インチ、4インチ

光通信用TFLN複合ウエハー

光通信用TFLN複合ウエハーは、ニオブ酸リチウム(LNまたはLiNbO3)とベース基板を接合した複合ウエハーを精密研磨した高性能ウエハーです。これにより結晶ダメージのない薄膜LNを実現し、データセンターやコアネットワーク、メトロネットワークで使用する光変調デバイスの低消費電力化、小型化に貢献します。

写真は6インチ

無線通信用LT/LN複合ウエハー

無線通信用LT/LN複合ウエハーは、タンタル酸リチウム(LTまたはLiTaO3)、ニオブ酸リチウム(LNまたはLiNbO3)を使用したSAWフィルター用複合ウエハーです。当社では量産を進めており、独自の直接接合や精密研磨技術を進展させるとともに、5Gや6G通信に対応する高周波フィルターを実現します。

写真は6インチ

MEMSデバイス用PZT複合ウエハー

電気を加えると変形し、変形させると電気が発生する圧電性能の高いPZTを焼結法で作製し、さまざまな支持基板上に常温接合・精密研磨することで、10~50μmの厚みで形成した複合ウエハーです。従来の成膜品よりも大きな変位が得られるため、高性能なアクチュエーターや高感度センサデバイスの実現が可能です。

光学用SiC複合ウエハー

光学用SiC複合ウエハーは、SiCとベース基板を接合し、難加工材料であるSiCを独自技術で精密研磨して均一に薄片化した複合ウエハーです。SiCは非線形光学効果が大きく、バンドギャップが広いため、可視光から赤外光までの広い波長領域で使用する波長変換や広帯波長帯域光源に応用可能で、データセンターや量子コンピューター、量子通信への適用が期待されています。

写真は4インチ

高出力レーザー用InP複合ウエハー

高出力レーザー用InP複合ウエハーは、InPと高放熱材料であるSiCを直接接合したウエハーです。独自の接合技術と研磨技術により、InPウエハーに形成したレーザーによる発熱を抑制でき、テレコム用高出力レーザーやAIサーバー用高速光変調器内蔵のレーザー光源への適用が期待されています。

写真は4インチ

サブTHz通信用石英ガラス複合ウエハー

石英ガラス複合ウエハーは、石英ガラスとシリコンを接合したウエハーで、石英ガラスの電磁波に対する低損失性能と、シリコン基材の高い放熱特性を併せ持っています。6G通信や高周波レーダー用の低損失、広周波数帯域、高い放熱性能、高信頼性を兼ね備えたアンテナ回路基板の実現に貢献します。

写真は4インチ

関連製品

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