新製品の創出
電気自動車(EV)向けパワーデバイスの信頼性向上と低コスト化を同時に実現するSiCウエハー
開発品の概要
日本ガイシは独自の結晶成長法で炭化ケイ素(SiC)バルクウエハーの重大な欠陥である基底面転位(BPD)密度の低減を実現しています。これにより高品質なSiCウエハーの提供が可能です。
電気自動車(EV)用インバーターなどに使用されるパワーデバイスの信頼性の向上と低コスト化に貢献します。
特長
SiCパワーデバイスの信頼性向上に貢献
これまで培ってきたセラミック技術を生かし独自の結晶成長法で作製したSiCバルクウエハーは、パワーデバイスの性能劣化をもたらす結晶欠陥である基底面転位(BPD)が非常に少ないことが特長の一つです。これによりパワーデバイスで問題となるバイポーラ劣化※を抑制することができ、高電圧・大電流下でも安定したデバイス性能の実現に貢献します。
バイポーラ劣化:バイポーラ劣化は、大電流動作のSiCデバイスで発生する基底面転位(BPD)が積層欠陥に拡張してオン抵抗を増大させる現象。
歩留まり向上に伴うSiCパワーデバイスの低コスト化に貢献
低欠陥密度を実現した当社独自のSiCバルクウエハーを活用することで、エピタキシャル成長後にさらに低い欠陥密度が得られます。結果としてパワーデバイスの歩留まりの向上が可能となり、コスト低減に貢献します。
基本仕様
品質項目 | 単位 | 日本ガイシ製ウエハー |
---|---|---|
サイズ | - | 4~6 インチ (8インチ開発中) |
結晶多形 | - | 4H |
導電タイプ | - | 窒素 / n型 |
オフ角度 | degree | 4 <11-20> ±0.5 |
抵抗率 | mΩcm | 15~25 |
マイクロパイプ密度 | /cm2 | <1 |
BPD密度 | /cm2 | <100 |
用途
パワー半導体向けSiCウエハー
電気自動車(EV)のモーター制御用インバーターなど、大電力を必要とするパワーエレクトロニクス用途向けに、SiCウエハーの開発を進めています。現在、さらなる大口径化・高品質化の開発にも取り組んでおり、早期の量産体制の構築を目指しています。
研究開発に関するお問い合わせ
NV推進本部
- 052-872-7544 FAX:052-872-8680