製品情報
「CEATEC 2023」に出展
大気中からCO2を回収するDAC用セラミック基材や IoTデバイス用電池「EnerCera」などを展示
2023年10月04日
日本ガイシ株式会社(社長:小林茂、本社:名古屋市)は、10月17日(火)から20日(金)まで幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催される「CEATEC 2023」のアドバンスドテクノロジーエリアに出展します。開催初日の17日には、幕張メッセ会場内のイベント会場でデジタル社会に貢献する製品について、当社執行役員と株式会社リコーとの合弁会社NR-Power Lab株式会社の役員が講演します。
今回で24回目となるCEATECは、「経済発展と社会課題の解決を両立する『Society 5.0』の実現を目指し、あらゆる産業・業種の人と技術・情報が集い、『共創』によって未来を描く。」をテーマに開催されます。
当社は「セラミック技術が創る、クリーンでスマートな未来」をテーマに出展します。大気中のCO2を直接回収するダイレクト・エア・キャプチャー(DAC)用セラミック基材をはじめ、「Society 5.0」の実現に寄与する自立型IoTデバイス用電源「EnerCera(エナセラ)」や、高機能な光デバイス向けの異種材料接合ウエハーなど、当社独自のセラミック技術を用いたカーボンニュートラル・デジタル社会の実現に貢献する製品を展示します。
展示ブースの運営のための電力は、「J-クレジット」※の充当により再生可能エネルギー100%で実施する予定です。NR-Power LabがVPP(仮想発電所)事業で活用するトラッキング技術を使用し、太陽光発電所の発電電力とブースの消費電力を監視し、再エネ適用のデモンストレーションを行います。
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※J-クレジット制度:エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2などの排出削減量や、適切な 森林管理によるCO2などの吸収量を「クレジット」として国が認証する制度。
CEATEC 2023出展概要
会期 | 2023年10月17日(火)~20日(金) |
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会場 | 幕張メッセ(千葉市美浜区中瀬2-1) |
当社ブース | ブースNo.A006(アドバンスドテクノロジーエリア) |
URL | CEATEC 2023 |
当社役員らによる講演概要
日時 | 2023年10月17日(火)13:30~14:30 |
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場所 | Tech-Hub(幕張メッセ Hall4 キーデバイスエリア内) |
テーマ | セラミックス×デジタル技術で叶える未来社会 |
講演者 | 執行役員 NV推進本部ビジネスクリエーション担当 大和田 巌 NR-Power Lab株式会社 CTO 東 義一 |
出展内容
出展製品
ダイレクト・エア・キャプチャー(DAC)用セラミック基材
DACとは、大気中のCO2を直接吸着・吸収し回収する技術です。2050年には約10億トンのCO2がDACにより処理される見通しで、カーボンニュートラルに貢献する技術として注目されています。大気中に含まれるCO2濃度は約0.04パーセントと非常に低いため、CO2を大量に吸着・吸収させるには大量の大気を効率よく処理する必要があります。
当社では、自動車排ガス浄化用セラミックスで培ったセラミック製ハニカム構造体の技術を応用し、「コンパクトかつ表面積が大きい」「圧力損失が低い(大量の空気を効率よく処理できる)」などの特長をもつDAC用セラミック基材を開発中です。ブースではDAC用セラミック基材とともに、DACの仕組みを紹介します。
DAC用セラミック基材製品サイト
IoTデバイス用電源「EnerCera(エナセラ)」
EnerCeraは、電極に当社独自の結晶配向セラミックス板を使用した、超薄型・小型のリチウムイオン二次電池です。従来のリチウムイオン二次電池では併存が難しかった小型・ 薄型、高容量、高出力、高耐熱、長寿命といったIoTデバイス用電源に求められる特性を実現しています。
内部抵抗が低いためわずかな電力でも蓄電できるという特長があり、太陽電池で発電した微小電力をEnerCeraに蓄電することで、電池の交換や充電をしなくても利用できる自立型の位置トラッカーなどに適用できます。位置トラッカーは、人やモノの流れを可視化できるため、物流現場などのオペレーションの効率化や省人化※、子どもや高齢者の見守り、店舗や工場の人流解析にも役立つことが期待されています。展示ブースでは、EnerCeraと位置トラッカーを用いた位置情報サービスを紹介します。
- ※ニュースリリース(2023年1月30日):リチウムイオン二次電池「EnerCera」を使用した名古屋市中央卸売市場本場の物流実証が開始~屋内外位置トラッカーにより場内の人・モノの動線を可視化~
異種材料接合ウエハー(複合ウエハー)
異種材料接合ウエハーは、異種材料接合技術と高精度な研磨技術により実現した特殊な複合ウエハーです。研磨技術によって薄くなった材料の一方に光を効率的に閉じ込めることができ、デバイスの小型化や低消費電力化が可能となります。社会のIoT化が加速する中、光技術を使った次世代通信基盤「IOWN®」※の実現に向け、より高性能な光デバイスが求められています。これらの光デバイスは、光回路として優れたシリコンをベースに種々開発が進められています。シリコン基板(SiO2/Si)と、電気を加えると光の屈折率(位相)や波長が変化する特性を持つニオブ酸リチウム(LN)を組み合わせた複合ウエハーは、シリコンでは得ることができない、小型かつ低消費電力の光変調器や波長変換デバイスを実現できます。
ブースでは、データセンター向けの光変調器デバイス向けウエハーや、次世代の光通信用のプラットフォーム基板に使用されるウエハーなど、デジタル社会に貢献する各種複合ウエハーを展示します。
- ※「IOWN®」は、日本電信電話株式会社の商標又は登録商標です。
分散型ID活用VPPシステム
NR-Power Labが事業化に向けて取り組んでいる分散型ID※を活用したVPPシステムは、低コストでセキュリティが堅固なシステムです。AI技術を使用して消費電力や発電量を予測し、収益を最大化するためにさまざまなエネルギーリソースを最適制御します。また、分散型IDを利用することで、エネルギーリソースのデータを正確に把握できます。これにより、効率的なエネルギー管理と再生可能エネルギーの普及を促進します。
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※分散型ID : ブロックチェーン技術などを活用し個人(または法人や機器)が主体となりIDを管理する技術。個人がパーソナル・データのアクセスをコントロールしながら、デジタル世界のさまざまな人やサービスや機器と安全にコミュニケーションすることが可能になる。
ニュースリリース(2023年8月9日):NR-Power Lab、CollaboGate JapanおよびSassorと連携し、世界初の分散型ID活用VPPシステムの構築を開始
以上