製品情報

リチウムイオン二次電池「EnerCera」を使用した名古屋市中央卸売市場本場の物流実証が開始
屋内外位置トラッカーにより場内の人・モノの動線を可視化

2023年01月30日

日本ガイシ株式会社(社長:小林茂、本社:名古屋市)のリチウムイオン二次電池「EnerCera(エナセラ)」を使用した物流実証が2月6日、名古屋市中央卸売市場本場で開始されます。本実証は、効率のよい新たな場内物流モデルの作成を目指して行われるもので、EnerCeraが搭載された屋内外位置トラッカーで荷物や作業者の動きを把握し、見える化します。実際の作業現場でEnerCera搭載のトラッカーを複数個使用して実証を行うのは、今回が初となります。


リチウムイオン二次電池「EnerCera」
リチウムイオン二次電池「EnerCera」

 この実証プロジェクトは、名古屋市が提示する行政課題などに対して、先進技術を活用した解決策を持つ企業などを選定し、社会実証を支援する「Hatch Technology Nagoya」の課題提示型支援事業※1に採択され、行われるものです。実証事業者は佐川急便株式会社(本社:京都市)で、当社は屋内外位置トラッカーにより青果棟内の荷の動きなどを計測・分析します。

 近年のドライバー不足による物流の2024年問題などを背景に、効率的な流通のための物流ルールの統合を目指す「青果物流通の標準化※2」が全国的に進められている中、中央卸売市場本場の青果棟周辺では、トラックの待機場所の不足、荷降ろし・荷積み場所の不足が長年の懸案となっています。実証プロジェクトでは、青果棟内のフォークリフトや作業者、荷物の運搬時に使用するパレットに屋内外位置トラッカーを装着し、場内でのそれぞれの動線を定量的なデータとして記録します。これまで把握できていなかった人・モノの動線や敷地の使い方の可視化により、場内オペレーション向上によるスペースの効率的な利用や事故防止など、課題解決につながる新たな場内物流モデルの構築に向けた検証に寄与します。2月から屋内外位置トラッカーによる動線データの収集を開始し、3月の実証プロジェクトの成果報告発表会で実証結果が発表される予定です。

 使用する屋内外位置トラッカーは、室内灯や太陽光などの光をエネルギーとして電力に変えて利用する太陽電池により、電池の交換や充電作業を伴わず屋内外でメンテナンスフリーに動作させることができます。高精度な位置情報が取得できるほか、温湿度や加速度も記録することができ、これらのデータをクラウドなどに送ることで、精密で円滑なデータ解析を可能にします。トラッカーに搭載されるEnerCeraは、環境発電による微小電力を高効率で充電でき、超薄型・小型でありながら、デバイスを駆動させるのに十分な大容量の電力を利用することができるため、小型IoTデバイスの電源として、ウェアラブルデバイスや物流向けトラッカーに使用することができます。

 当社は本実証プロジェクトで得られる知見やノウハウをもとに、今後は物流のほか、オフィス人員の行動や作業環境把握、店舗や工場、特定の場所などの人流解析といった位置情報を活用したソリューションビジネスの検討を進めます。EnerCeraの超小型・薄型で高容量、高出力、高耐熱、長寿命といった特性を生かし、引き続きさまざまなパートナーと協業しながら幅広い分野で用途開拓を進め、IoT社会の実現に貢献します。

屋内外位置トラッカー
屋内外位置トラッカー
屋内外位置トラッカー
屋内外位置トラッカー
屋内外位置トラッカーの動作イメージ
屋内外位置トラッカーの動作イメージ


名古屋市中央卸売市場本場 青果棟前 (Hatch Technology NAGOYA HPより)
名古屋市中央卸売市場本場 青果棟前 (Hatch Technology NAGOYA HPより)
青果棟内部の様子
青果棟内部の様子


※1:名古屋市プレスリリース 「Hatch Technology Nagoya」課題提示型支援事業に係る実証プロジェクトの決定について
※1:「Hatch Technology Nagoya」課題提案型支援事業  「青果物流通の標準化」を見据え、効率のよい場内物流モデルを作成したい!
※2:農林水産省による「青果物流通の標準化」

以上

一覧へ戻る