製品情報
雑固体廃棄物溶融炉
概要

低レベル放射性廃棄物の埋設処分が1992年度から開始され、このうち雑固体廃棄物については第2次事業として、2000年度から埋設処分が開始されています。雑固体廃棄物は原子力発電所で保管されている金属類、フィルター類、保温材、ガラス・コンクリートおよび焼却灰などの不燃物が主体で、埋設処分するためには長期にわたり物理的・化学的に安定で、基準以上の核種閉じ込め性などを有した固化体にすることが必要です。
日本ガイシは、これらの要求された固化体の条件を満足し、かつ廃棄物を大幅に減容することができる高周波誘導加熱方法による溶融固化システムを開発致しました。日本ガイシの溶融固化システムは、現在(2017年)国内の原子力発電所に5基を納入し、順調に稼動しています。
特長

あらゆる不燃物を処理
導電性セラミックキャニスターの採用により、金属・保温材・コンクリートなどのあらゆる不燃物を安定な固化体にすることができます。
高い減容効果
廃棄物を溶融することにより、真比重に近い固化体にすることができるため、高い減容効果が得られます。
埋設処分への対応性
固化体は長期間安定なガラス・金属塊であり、有害な空隙がなく核種閉じ込め性にも優れているため、最終処分への対応が容易です。
シンプルな構造
インキャン式のため、溶融物の排出が不要でシンプルな構造となり、メンテナンスも容易です。
信頼性の実証
高周波誘導炉はもちろん、システム全体の信頼性を実規模大実証試験装置により確認しています。
溶融設備フロー(基本例)

セラミックキャニスター方式による溶融固化

誘導コイルに交流電流を流すことで、セラミックキャニスターに発生した誘導電流によるジュール熱で内部の廃棄物を溶融します。間欠的に廃棄物を投入して溶融固化を行い、キャニスターごとドラム缶に充填し廃棄します。
雑固体廃棄物溶融炉
- 運転操作が簡単
- 耐火物少なく、メンテナンスが容易
- エネルギー効率が高く、温度制御が容易

- 炉はコイルと耐火物のみの単純な構造でコンパクト
- 電力投入密度が大きく、短時間で昇温が可能
- 溶融物と耐火物が接触しないため、耐火物が消耗しない

高周波溶融炉の原理

誘導コイルに交流電流I1を流すことにより磁界が発生し、加熱材(セラミックキャニスター)中に誘導電流I2が流れてジュール熱が発生することを利用した誘導加熱方法

溶融固化による減容効果

仕様
対象 | 金属、保温材、コンクリート、ガラスなど不燃物 |
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原理 | 高周波誘導加熱 |
処理能力 | 標準150kg/h 補助バーナー付250kg/h |
キャニスター容量 | 最大130リットル |
エネルギープラントに関するお問い合わせ
産業プロセス事業部営業部
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