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電子部品焼成工程における排出物削減(廃棄物削減)の取り組み(焼成用セッター再利用)

焼成用セッターとは

焼成用セッターとは、電子部品(コンデンサー、フェライト、抵抗器等)を焼成する際に、これらを直接のせる台として使用されるものです。サヤや匣鉢(こうばち)と呼ばれることもあります。  
焼成をする際、焼成炉内は1,000℃以上もの高温状態となります。そのため、焼成用セッターは耐熱性や化学安定性など、さまざまな特性が求められます。

ローラーハースキルン(RHK)

焼成用セッターに求められる特性

  • 耐熱性:焼成炉内の高温にも耐える
  • 化学的安定性:焼成炉内の高温下でも、被焼成物と反応しない
  • 熱伝導性:熱伝導性が良いと被焼成物である電子部品の温度バラツキが軽減され、歩留り向上、生産性向上が期待できる
  • 高強度:急昇温、急降温の過酷な条件下において焼成用セッターの割れや変形を防ぐ。主な材質としてSiCやアルミナが広く用いられる

焼成用セッターの材質

  • SiC焼成用セッター:高熱伝導性、高強度を有する。薄肉・軽量の省エネルギー設計が可能。
  • アルミナ焼成用セッター:化学的安定性(耐反応性)に優れ、低コスト。

日本ガイシでは、がいしやセラミックスの製造で培った焼成技術やノウハウを生かし、SiC焼成用セッターのNEWSICや、さらに軽量材質で加工可能なアルミナ焼成用セッターAIRONなど、さまざまな用途に対応可能な焼成用セッターを製造・販売しております。

従来のアルミナ焼成用セッターの問題点

従来の電子部品焼成用セッターは「アルミナ」が主流です。コストで優れる反面、アルミナ焼成用セッターは、使用を繰り返すと変形、クラック、割れが発生し、定期交換が必要となります。
また、焼成用セッターと焼成物が反応する場合は、表面をコートすることで反応を防止します。しかしながら、表面のコートは繰り返し使用することで、剥離や焼成物からの成分転写が発生し使用不可となるため、定期交換が必要となります。アルミナ焼成用セッターは、多い会社で年間数十万枚が廃棄処分されます。環境負荷を低減し循環型社会を目指すには、排出物削減に取り組む必要があります。
なおSiC焼成用セッターは、アルミナ焼成用セッターと比較し高強度、長寿命で廃棄処分を減らす事ができるため、環境負荷低減に貢献します。

使用済みセッター例

SiC焼成用セッター再利用(排出物削減)

SiC焼成用セッターは、高強度、高熱伝導である反面、焼成物と反応する弱点があるため、反応防止用の表面コートを施す必要があります。しかしながら、表面コートは繰り返し使用することで、剥離するという課題がありました。日本ガイシはその課題を解決し、繰り返し表面コートが可能なSiC焼成用セッターを開発しました。
日本ガイシが開発した「高強度・高熱伝導のSiC焼成用セッター(NEWSIC)」と「当社独自の再コート技術」は、表面コートの劣化で廃棄していた焼成用セッターを繰り返し再利用することを可能とし、排出物を従来の10分の1に削減できます。
焼成用セッターを繰り返し再利用することでコスト削減、廃棄物削減につながり、環境負荷低減に貢献します。

  • 当社アルミナ製焼成用セッターより寿命2倍、再コート5回した想定
SiC製焼成用セッター(NEWSIC)

日本ガイシSiC焼成用セッターが再利用可能な理由

SiC基材は10倍の長寿命

日本ガイシのSiC基材(NEWSIC)は、アルミナ基材と比較し高強度・高耐久の為、焼成用セッターの長寿命化が期待できます。表面コート部分が劣化しても、SiC基材はダメージがほとんど無く、継続使用できる耐久性があります。

  • 当社アルミナ基材比

基材にダメージを与えない再コート技術

再生コートで重要なのは、SiC基材にダメージを与えずに古いコート剥がす事がポイントとなります。
日本ガイシは2010年頃からこの問題に取組み、再生処理に適したコートと処理技術を確立致しました。

SiC焼成用セッター再生利用のメリット

環境負荷低減

従来廃棄処分としていた、表面コートが劣化した焼成用セッターを再利用することで、排出物削減し、環境負荷を低減します。

  • 再生回数は、条件・仕様で異なります

コストダウン

再生コート品を使用することにより、新規購入価格の1/2に抑えることが可能です。

  • サイズ、仕様で異なります

納期短縮

再生コート品は、新規製作と比較し納期を1/2に短縮可能です。

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