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独自のAIを活用した用途探索の実証実験で新事業案の抽出に成功
社内の保有資産と連携させ市場ニーズにマッチした新事業創出を推進
2025年05月21日
日本ガイシ株式会社(社長:小林茂、本社:名古屋市)は、AI(人工知能)サービスの開発・運営を行うストックマーク株式会社(代表取締役CEO:林達、本社:東京都港区)が開発した独自のAIを活用して、日本ガイシの製品や技術の新規用途探索を高精度化・高速化する実証実験を行い、このたび、有望な新事業案の抽出に成功しました。本独自AIと日本ガイシが保有するさまざまな保有資産を連係させることで、市場のニーズにマッチした新製品・技術開発を推進します。
ストックマークが開発したAIは、最新の特許や論文、社会課題、ニュースといった大量の外部情報をもとに作成された独自の大規模言語モデル(Large Language Model: LLM)※です。日本ガイシとストックマークは、このLLMに日本ガイシの製品情報や技術情報など社外秘も含めた保有資産(シーズ)を学習させることで、新たな事業領域(ニーズ)を効率的に提案する独自AIの構築を行っています。実証実験では実践的な100件以上の新規提案を出力し、その中から再生可能エネルギー関連や水処理関連、センシング技術関連など、最終的に10件以上の有望な新事業になりうる用途を抽出することができました。今後は、顧客情報を含めたさまざまな保有資産と本独自AIを連携させることで、市場・顧客のニーズを直接反映したより精度の高い新規用途探索に挑戦していく予定です。
AIによる用途探索では、事実に基づかない情報が生成されるハルシネーションを生成する現象が起こるリスクがあります。開発を進める独自AIでは、LLMへの学習とテキストデータの改良を進めたことで、日本ガイシの製品・技術情報を適切に把握し、ハルシネーションが起こらない正確な用途抽出を実現しました。大量のテキストデータの解析を人に代わってAIが担うことで、属人的なスキルや経験に頼ることなく、従来必要とした膨大な時間と労力を削減し、自社の強みを生かせる未開拓市場を効率的に検討することが可能となります。
NGKグループは「NGKグループビジョン Road to 2050」で、カーボンニュートラルとデジタル社会分野への事業構成転換を掲げており、通過点である2030年には新事業で売上高1,000億円以上を目指す「New Value 1000」を進めています。また、ビジョン実現のために5つの変革に取り組んでおり、なかでも変革の1つであるDXの推進を「全体変革の推力」と位置づけ、NGKグループ全体で取り組みを加速しています。引き続きDXを推進し、当社の成長に資するテーマの新製品・新事業の創出に取り組んでいきます。
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※大規模言語モデル : 大量のテキストデータを使ってAIが分析するモデル。ChatGPTなどのAIに使われており、自然言語を用いたさまざまな処理を高精度で行うことが可能。
本独自AIは日本ガイシ社内のみの利用を想定しています。


関連情報
独自のAIを活用した新規用途探索の実証実験を開始(2024年2月8日)
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以上