製品情報

ドイツの大型グリーン水素製造プロジェクト向けにNAS電池を受注

2024年04月23日

日本ガイシ株式会社(社長:小林茂、本社:名古屋市)はこのたび、 ドイツの総合化学メーカーBASFの子会社であるBASF Stationary Energy Storage GmbH(本社:独ルートヴィッヒスハーフェン、以下BSES)を通じ、ドイツの水素事業会社HH2E(本社:独ハンブルグ)が手掛ける大型グリーン水素製造プロジェクト向けに電力貯蔵用NAS電池を受注しました。

コンテナ型NAS電池

 受注したNAS電池は、最大出力18メガワット、容量104.4メガワット時で、コンテナ型電池72台で構成されます。ドイツ北東部に設置され、天候に左右される太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー(再エネ)由来の電力を充放電する蓄電設備として利用されます。NAS電池により水素製造設備に安定的に再エネ由来の電力を供給することが可能となり、効率的なグリーン水素*製造に活用されます。大容量で長時間放電できるNAS電池は、再エネの長時間のピークシフトに適していること、豊富な実績があり蓄電技術として信頼性が高いことなどが高く評価され、採用が決定しました。NAS電池の商用のグリーン水素製造プロジェクトへの採用は、本件が初となります。
 本受注は、HH2Eが手掛ける総容量230メガワット時以上の大型プロジェクトの前半ロットにあたり、当社は本プロジェクトの後半ロットについても現在、契約に向け交渉を進めています。

 2050年カーボンニュートラル達成に向け、事業活動におけるCO2排出量削減の取り組みが世界中で加速しています。再エネ先進国のドイツは、国内水素製造能力を2030年までに10,000メガワット(10ギガワット)まで引き上げる目標を掲げており、グリーン水素製造用途での大容量蓄電池のさらなる採用拡大が期待されます。

 日本ガイシとBSESは、2019年にNAS電池の販売提携契約を締結し、BASFの有する世界的な販売網を通じて、NAS電池の販売を拡大してきました。NAS電池は、再エネの安定化や電力需給バランスの調整、非常用電源などさまざまな用途で利用されており、現在まで全世界で250カ所以上、20年以上の安定的な運用実績があります。当社は今後もBSESと連携し、NAS電池の提案・販売活動をさらに推進し、世界の再エネ導入拡大とカーボンニュートラルの実現に貢献していきます。

受注したNAS電池の概要

出力 直流 18メガワット (最大出力)
容量 直流 104.4メガワット時 (納入時)
設置台数 コンテナ型72台
用途 グリーン水素製造設備への再エネ安定供給、余剰電力の売電

BASF社(ビーエーエスエフ)について

BASF(ビーエーエスエフ)は、独ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追求、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で約110,000人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客さまに貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)からなります。2022年のBASFの売上高は873億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。
https://www.basf.com/jp/ja.html

BASF Stationary Energy Storage(BSES)について

BASF Stationary Energy Storage(BSES)は、BASF社の100%子会社です。NAS電池事業の探索・開拓を専門的に担い、NAS電池の販売およびNAS技術を日本ガイシと共同開発しています。

NAS電池について

NAS電池は日本ガイシが世界で初めて実用化したメガワット級の大容量蓄電池です。大容量、高エネルギー密度(コンパクト)、長寿命を特長とし、長期にわたり高出力の電力を長時間、安定して供給することが可能です。全世界で250カ所以上、総出力72万キロワット(720メガワット)・ 総容量約500万キロワット時(約5,000メガワット時) の設置実績を持ち、電力負荷平準による ピークカットや非常電源用途のほか、再生可能エネルギーの安定化やスマートグリッドの構築など、さまざまな用途で利用されており、環境負荷の低減、カーボンニュートラルの実現に貢献しています。
NAS電池は、世界的な第三者安全科学機関であるUL Solutionsによる評価プログラムを通じ、定置用蓄電池の安全規格UL1973のUL認証(単電池・モジュール)を取得しています。また、バッテリーおよび蓄電池システム内の火災リスクを検証する試験規格であるUL9540A規格に基づく試験レポート(単電池・モジュール・設置レベル)を取得し、UL9540A規格に基づく要件への準拠を確認しています

  • コンテナ型NAS電池(及び搭載される単電池・モジュール)を対象としています。

NAS電池製品情報

以上

一覧へ戻る