新製品の創出
PTCヒーターとデシカント(吸湿剤)の一体構造により小型化・省エネ化を実現する調湿デバイス
概要
調湿デバイスは、ハニカム(蜂の巣)構造のPTCヒーター※にデシカント(吸湿剤)が塗布された構造の湿度調整用デバイスです。日本ガイシ独自のPTCヒーター材料とハニカム構造、さらにヒーターと吸湿剤の一体構造によって、省エネルギー(省エネ)と装置の小型化に貢献します。
電気自動車に取り付けることで少ないエネルギーで車内環境を整えることができるほか、衣類乾燥除湿機や空調機への搭載により設備の小型化や電気代削減が可能となり、さまざまな用途で活用することが期待されています。
PTCヒーター : Positive Temperature Coefficient(正温度係数)ヒーターの略称。温度が上がると電流が流れにくくなる性質によって、自己制御で一定温度に保ち、過熱を防ぐことができるヒーターのこと。
特長
高効率な加熱により、省エネを実現
日本ガイシが独自に開発したPTCヒーター材料を用い、さらに少ない体積で広い表面積を生み出すハニカム(蜂の巣)構造を活かした電気回路によって少ない電力でも通電が安定し、均一な温度上昇が可能となり無駄のない加熱を実現します。
PTCヒーターとデシカント(吸湿剤)が一体構造のため、設備の小型化に貢献
PTCヒーターに吸湿材が塗布された一体構造で、吸湿材を直接暖めるため、電気効率が良く、設備の小型化と省スペース化を実現します。これにより、さまざまな用途への活用が可能です。
高い耐久性により、交換頻度の低減を実現
耐震性、耐腐食性が高いセラミック製のため、部品寿命の延長が可能となり、部品交換頻度の低減が見込めます。
用途に合わせてサイズ調整が可能
部品を連結させることで、使用用途に合わせてサイズを調整できます。製品に関するお問い合わせやご相談は、下記のお問い合わせフォームをご利用ください。
基本仕様
ヒーター温度 | 90~140℃ |
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主成分 | ハニカム型ヒーター:チタン酸バリウム 吸湿材:ゼオライト、シリカゲルなど |
調湿デバイスの想定される応用例
電気自動車の空調(調湿)設備への搭載により、冬季の航続距離の向上を実現
従来の電気自動車(EV)は、冬季の運転時に窓ガラスが曇らないよう換気を行うため、暖房の消費電力が大きくなるという課題がありました。調湿デバイスによって湿度を調整し、最小限の換気だけでの走行を実現します。これにより暖房電力を約35%節約し、航続距離を約15%向上させることが可能です。(当社調べ)
デシカント式衣類乾燥除湿機への取り付けにより省スペース化、電気代削減を可能に
ヒーターと吸湿剤ユニットが別置きの従来品と比較して、調湿デバイスをデシカント式衣類乾燥除湿機へ搭載した場合、従来方式と比べそれらの総体積が1/3となり、省スペース化が可能となります。さらに吸湿材を直接暖めるため電気効率が良く、従来方式と比べ電気代を約14%削減することが可能です。(当社調べ)
吸湿ローター(デシカントローター)の代替品として小型化、省エネを実現
ヒーターと別添えの吸湿ローター(デシカントローター)の代替品として使用することで、一体構造のため設備の小型化が可能です。また、ハニカム構造のヒーターにより高効率な加熱が可能なため、省エネを実現します。
研究開発に関するお問い合わせ
NV推進本部
- 052-872-7544 FAX:052-872-8680