製品情報
シェアリング機能付きハイブリッド蓄電所の太陽光発電設備が運転開始
岩手銀行グループ会社が運営する太陽光発電所で式典を開催
2025年07月24日
日本ガイシ株式会社(代表取締役社長:小林茂)が、株式会社リコー(社長執行役員:大山晃)および大和エナジー・インフラ株式会社(代表取締役社長:小林昭広)と、日本ガイシとリコーの合弁会社NR-Power Lab株式会社(代表取締役社長:中西祐一)を通して開発を進めるシェアリング機能付きハイブリッド蓄電所「StorageHub」の太陽光発電設備がこのたび、運転を開始しました。
StorageHubは、初期投資を抑え、設備を持たずに利用できるアセットフリー型で蓄電池を柔軟に設置・活用できる蓄電所です。初期投資の負担を軽減させるだけでなく、分散設置により小規模ユーザーにもサービス提供可能です。さらに蓄電池を群で制御することで、各蓄電池の余力を集約して新たな用途に利用することもできます。本システムは、大容量で長寿命が特長のNAS電池と、高出力でサイズのラインナップも豊富なリチウムイオン電池を組み合わせたハイブリッド蓄電池システムとなっており、規模の大小、需要家や発電所など設置場所を問わず、幅広い電力ニーズに柔軟応えることが可能です。
StorageHubの運用に向け、NR-Power LabはNAS電池とリチウムイオン電池を組み合わせたハイブリッドシステムの協調制御システムの開発を進めており、岩手銀行グループ会社のmanordaいわて株式会社(代表取締役:石川恒介)が運営する太陽光発電所に実証機を設置しました。太陽光発電設備の運転開始に伴い、7月24日に式典が開催され、岩手銀行関係者や久慈市長、日本ガイシの責任者らが出席し、岩手銀行の常務らが以下の内容でスピーチを行いました。
岩手銀行 取締役常務執行役員
菊地 文彦
氏 コメント
岩手銀行は、地域課題の解決や持続可能なまちづくりを目指して、再生可能エネルギー(再エネ)の地産地消に向けて取り組んできた。このたびの日本ガイシの実証事業が本格化すれば、再エネ電力の効率的かつ安定的な利用が可能となり、地域のカーボンニュートラル化に貢献できる。引き続き脱炭素に取り組み、持続可能な地域社会の実現を目指していく。
日本ガイシ NV推進本部 CN事業開発 エネルギーソリューション部長 岡田 浩一 コメント
日本ガイシは新たな価値を創造する事業の創出を進めており、一環として地域密着型のエネルギーインフラ構築に取り組んでいる。実証事業では、地域で発電・消費する電力の地産地消を通じて、経済的恩恵と地域活性化を目指す。さらに、災害時には非常用電源として機能し、安心・安全の確保にも貢献する。今後も、持続可能なエネルギー社会の実現に向けて邁進したい。
NR-Power Labは、開発・構築を進めるVPP※システムによりStorageHubや需要家に移設した蓄電池を統合的に制御し、再エネの出力抑制回避などのニーズに対する、蓄電機能に特化したアセットフリー型のサービスを検討しています。VPPサービスと電力デジタルサービスの提供を通じて、脱炭素社会の実現に不可欠な再エネの普及における課題を解決し、持続可能な社会の実現に貢献する企業を目指します。
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※VPP (仮想発電所)
再エネの発電や蓄電池への充放電、施設や家庭の空調や照明の電力消費など、さまざまなエネルギーリソースをデジタル技術で統合制御し最適化することで、あたかも一つの大きな発電所のように運営すること。
実証機の概要
設置場所 | manordaいわて SUNLUMO(サンルーモ)久慈夏井太陽光発電所内(岩手県久慈市) |
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構成 | NAS電池:1式(出力)200キロワット/(容量)1,200キロワット時 リチウムイオン電池-1:1式(出力) 312キロワット/(容量)1,290キロワット時 リチウムイオン電池-2:3式(出力)計 90キロワット/(容量) 計184.2キロワット時 太陽光発電設備:650キロワット |
用途 | NAS電池とリチウムイオン電池のハイブリッドシステムの開発に向けた実証 |
運転開始 | 2025年8月(予定) |
運転開始式の概要


運転開始式の概要
日時 | 7月24日(木曜日)11時~11時30分 |
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場所 | manordaいわて SUNLUMO(サンルーモ)久慈夏井太陽光発電所 |
参加者 | 岩手銀行 取締役常務執行役員 菊地 文彦 氏 久慈市長 遠藤 譲一 氏 日本ガイシ NV推進本部 CN事業開発 エネルギーソリューション部長 岡田 浩一 ほか |

NR-Power Labについて
NR-Power Labは、VPPサービスおよび電力デジタルサービスの開発を目的に2023年2月に事業を開始した、日本ガイシとリコーによる合弁会社です。日本ガイシの蓄電池制御技術とリコーのIoT・デジタル活用ノウハウを融合し、「モノ×デジタル×サービス」で脱炭素社会の実現に不可欠な再エネの普及における課題を解決し、持続可能な社会の実現に貢献する企業を目指しています。
NR-Power Lab
NAS電池について
NAS電池は日本ガイシが世界で初めて実用化したメガワット級の大容量蓄電池です。大容量、高エネルギー密度(コンパクト)、長寿命を特長とし、長期にわたり高出力の電力を長時間、安定して供給することが可能です。全世界で250カ所以上、総出力72万キロワット(720メガワット)・総容量約500万キロワット時(約5,000メガワット時)の設置実績を持ち、電力負荷平準によるピークカットや非常電源用途のほか、再エネの安定化やスマートグリッドの構築など、さまざまな用途で利用されており、環境負荷の低減、カーボンニュートラルの実現に貢献しています。
NAS電池は、世界的な第三者安全科学機関であるUL Solutionsによる評価プログラムを通じ、定置用蓄電池の安全規格UL1973のUL認証(単電池・モジュール)を取得しています。また、バッテリーおよび蓄電池システム内の火災リスクを検証する試験規格であるUL9540A規格に基づく試験レポート(単電池・モジュール・設置レベル)を取得し、UL9540A規格に基づく要件への準拠を確認しています※。
NAS電池製品情報
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※コンテナ型NAS電池(及び搭載される単電池・モジュール)を対象としています。
参考情報
シェアリング機能付きハイブリッド蓄電所のビジネスモデル開発を開始(2024年6月13日)
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※「NAS」は日本ガイシ株式会社の登録商標です。
以上