お知らせ

「ICSCRM2024」でSiCウエハーに関する研究成果を発表
8インチSiCウエハーを初公開

2024年09月17日

日本ガイシは2024年9月29日(日)から10月4日(金)まで、アメリカのノースカロライナ州ローリーで開催される国際会議「ICSCRM2024」に参加します。「ICSCRM」は次世代パワー半導体素子に使われる炭化ケイ素(SiC)に関する世界最大の国際会議です。当社は開発中のSiCウエハーに関する研究成果を発表するとともに、関連製品の展示をはじめ、8インチのSiCウエハーを初めて公開します。

国際会議概要

国際会議名 ICSCRM2024
開催地 アメリカ・ノースカロライナ州ローリー
会場 Raleigh Convention Center
500 South Salisbury Street Raleigh, NC 27601
公式サイト ICSCRM2024 CONFERENCE
期間 2024年9月29日(日)~ 10月4日(金)

発表概要

口頭講演

日時 2024年10月3日(木)15:20 ~ 15:40
会場 Room 305(Bulk Growth 2)
タイトル 低BPD密度の4H-SiC単結晶を多数枚ウエハー上へ成長可能な新規製法:成長結晶の特性とその制御因子
発表者 吉川潤、福井宏史、岡田陽平、宮風里紗、浦田勇輝、松川真也、松島潔
発表内容 SiCパワーデバイスの歩留まりや信頼性の向上に対し、SiCウエハーの基底面転位(BPD)低減は重要な課題である。日本ガイシは保有するセラミックプロセス技術を生かし、低BPD密度を有する4H-SiC単結晶を、多数枚ウエハー上へ同時に成長させる独自製法を開発中である。本発表では、本製法の概要に加え、得られた結晶の基本特性をその制御因子とともに紹介する。
  • 講演者

ポスター講演

日時 2024年10月3日(木)16:30 ~ 18:30
場所 No.38
タイトル 低BPD密度の4H-SiC単結晶を多数枚ウエハー上へ成長可能な新規製法:BPD及びその他欠陥の挙動
発表者 浦田勇輝、宮風里紗、福井宏史、岡田陽平、松川真也、松島潔、吉川潤
発表内容 本ポスター講演では、上記講演の製法により得られたSiC結晶に対し、各種欠陥を詳細に解析した結果について報告する。具体的には、結晶成長に伴うBPDの低減挙動や、マイクロパイプ、貫通らせん転位(TSD)等その他欠陥の進展挙動について報告する。
  • 講演者

出展概要

炭化ケイ素(SiC)ウエハー

写真は6インチのSiCウエハー

 SiCウエハーは、電気自動車(EV)向けなどで採用されているSiCパワー半導体の材料です。

 当社は独自の結晶成長法でSiCウエハーの欠陥密度の低減を実現しています。高品質なSiCウエハーの提供が可能で、EV用インバーターなどに使用されるパワーデバイスの信頼性の向上と低コスト化に寄与します。

 今回、BPD密度を低減できるプロセスを用いて結晶成長させた8インチSiCウエハーを初めて公開します。


<参考展示>

導電性FGAN

 窒化ガリウム(GaN)ウエハー「FGAN」は、当社独自の液相結晶成長法で低欠陥密度を実現した高品質なGaNウエハーです。導電性FGANは高輝度のレーザーダイオードや電気自動車(EV)や電源制御などに用いられる大電力かつ低損失のパワーデバイスを実現します。

TFLN複合ウエハー

 光通信向けTFLN複合ウエハーは、ニオブ酸リチウム(LN)とベース基板を接合した複合ウエハーを精密研磨した高性能ウエハーです。これにより結晶ダメージのない薄膜LNを実現し、データセンターやコアネットワーク、メトロネットワークで使用する光変調デバイスの低消費電力化、小型化に貢献します。

大電流配線基板

 大電流配線基板は、EV向けインバーターに採用が進んでいるSiCなどのパワー半導体の性能を最大限に引き出す新しい配線部材です。独自の製法により多層のセラミック基板に厚さ100μmの銅配線を埋設し、従来のワイヤーを使った配線に比べて配線長を短くすることで、スイッチングサージを大幅に低減します。

絶縁放熱基板(AMB/DCB)

 絶縁放熱基板(AMB/DCB)は絶縁材料であるセラミック板の両面に、銅板が接合された製品です。インバーター制御機器に組み込まれるパワー半導体から発生する熱を逃がすことで、高効率な安定動作に貢献します

  • AMB:Active Metal Brazing method、DCB:Direct Copper Bonding method

以上

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