製品情報

世界初の赤外線を用いた有機化合物の結晶探索サービス事業を開始
独自の赤外線技術により医薬品開発に貢献

2024年03月25日

日本ガイシ株式会社(社長:小林 茂、本社:名古屋市)は2024年4月から、当社独自の赤外線技術を応用した、医薬品開発向けの有機化合物の結晶探索サービス事業を開始します。人工知能(AI)を用いた独自の結晶予測ソフトも開発しており、本サービスを通じ医薬品開発への貢献を目指します。赤外線を用いた結晶探索サービスは世界初となります。

 有機化合物結晶探索サービスは、有機化合物に特定の波長の赤外線を照射して分子間の結合を制御することで結晶形の析出確率を高め、これまで発見するのが困難だった未知の結晶形を探索するものです。

 医薬品は、同じ化合物であっても結晶構造の違いが体内への吸収率や保存期間などに影響します。そのため創薬では、数ある結晶形の中から最適な結晶形を探索することが重要となっています。当社は長年培ってきたセラミック焼成技術などに基づく赤外線に関する膨大な知見を有しており、選択した波長の赤外線のみを照射できる波長制御技術を持っています。さらに赤外線が有機化合物の特定の部位を選択的に振動させる効果を持つことに着目し、大学との共同研究により、波長制御技術を活用し結晶形を探索する新しいサービスを開発しました。結晶形の探索には従来、蒸発や冷却などの手法が用いられてきましたが、新たに赤外線を用いた手法を導入することで、未知の結晶形を析出できる可能性が広がり、より効率的な医薬品開発に寄与します。実証実験では、実際に未知の結晶形を析出できたほか、特定の結晶形の選択的な作り分けが可能であることを確認しました。

 また、結晶析出プロセスの明確化による効率的な結晶形予測を目的に、AIを用いた独自の予測ソフトも開発しています。2025年度に実装予定で、未知の結晶形の析出可能性がさらに高まります。当社は有機化合物結晶探索サービスにより、2030年度に売上高30億円を目指します。

 NGKグループは、2050年の未来を見据えた中長期ビジョン「NGKグループビジョン Road to 2050」で、カーボンニュートラルとデジタル社会分野への事業構成転換を掲げており、通過点である2030年に新事業で売上高1,000億円以上を目指す「New Value 1000」に取り組んでいます。当社は今後も独自に培ってきたセラミック関連技術を生かし、新製品・新事業の創出を進めていきます。

有機化合物結晶探索サービス

赤外線を用いた結晶探索装置
赤外線を用いた結晶探索のイメージ



 当社は本サービスについて、日本薬学会第144年会の展示会にブースを出展し、講演を行う予定です。

日本薬学会第144年会出展概要

会期 2024年3月28日(木)~31日(日)
会場 パシフィコ横浜(神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1)
当社ブース ブースNo.7
公式サイト 日本薬学会第144年会

当社担当者らによる講演概要

日時 2024年3月30日(土)12:00~13:00
場所 会議センター503(パシフィコ横浜内)
テーマ 日本ガイシ株式会社の新サービスについて~有機化合物結晶探索サービス~
講演者 NV推進本部ライフサイエンス部 部長 山田和成、マネージャー 近藤良夫ほか

以上

一覧へ戻る