製品情報
BASFシュヴァルツハイデ拠点でNAS電池が商用運転を開始
生産拠点の再生可能エネルギー利用率の向上に活用
2024年03月18日
日本ガイシ株式会社(社長:小林茂、本社:名古屋市)が、ドイツの総合化学メーカーBASFの子会社であるBASF Stationary Energy Storage GmbH(本社:独ルートヴィッヒスハーフェン、以下BSES)から受注し、BASFのシュヴァルツハイデ拠点(ドイツ)に納入した電力貯蔵用NAS電池がこのほど、商用運転を開始しました。
納入したNAS電池は最大出力1,000キロワット、容量5,800キロワット時で、コンテナ型電池4台で構成されています。BASFシュヴァルツハイデ拠点敷地内の太陽光発電システムと連携され、同拠点における再生可能エネルギー(再エネ)の利用率向上に活用される予定で、BASFの生産拠点で初の試みとなります。NAS電池の特長である大容量・長時間放電が、太陽光発電による電力のピークシフトに適していることや、豊富な使用実績に裏打ちされた信頼性、世界的な第三者安全科学機関であるUL Solutionsによる認証・試験レポートを取得していることなどが高く評価され、このたびの採用が決定しました。本件は、2021年のアントワープ拠点(ベルギー)に続き、BASFのNAS電池設置の第2号案件となります。
BASFでは、気候変動対策としてCO2削減に取り組んでおり、2030年までに2018年比25%削減、2050年ネットゼロの目標を掲げ、積極的に生産拠点での再エネ利用率向上を推進しています。このたびのNAS電池の導入により、再エネ余剰時にNAS電池に充電した電力を、再エネ不足時に放電することができるようになるため、シュヴァルツハイデ拠点内の製造工程でほぼ24時間にわたり再エネを利用することが可能となります。
日本ガイシとBSESは、2019年にNAS電池の販売提携契約を締結し、BASFの有する世界的な販売網を通じて、NAS電池の販売を拡大してきました。NAS電池は、再エネの安定化や電力需給バランスの調整、非常用電源などさまざまな用途で利用されており、現在までに全世界で250カ所以上、20年以上の安定的な運用実績があります。当社は今後もBSESと連携し、NAS電池の提案・販売活動をさらに推進し、世界の再エネ導入拡大とカーボンニュートラルの実現に貢献していきます。
運転を開始したNAS電池の概要
設置場所 | BASFシュヴァルツハイデ(ドイツ) |
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定格出力 | 直流1,000キロワット(最大出力) |
放電容量 | 直流5,800キロワット時(納入時) |
設置台数 | コンテナ型4台 |
用途 | 再生可能エネルギーの利用率向上 |
運転開始 | 2024年3月 |
BASF社(ビーエーエスエフ)について
BASF(ビーエーエスエフ)は、独ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追求、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で約110,000人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客さまに貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)からなります。2022年のBASFの売上高は873億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。
BASF社
BASF Stationary Energy Storage GmbH(BSES)について
BASF Stationary Energy Storage GmbH(BSES)は、BASF社の100%子会社です。NAS電池事業の探索・開拓を専門的に担い、NAS電池の販売およびNAS技術を日本ガイシと共同開発しています。
NAS電池について
NAS電池は日本ガイシが世界で初めて実用化したメガワット級の大容量蓄電池です。大容量、高エネルギー密度(コンパクト)、長寿命を特長とし、長期にわたり高出力の電力を長時間、安定して供給することが可能です。全世界で250カ所以上、総出力72万キロワット(720メガワット)・ 総容量約500万キロワット時(約5,000メガワット時)の設置実績を持ち、電力負荷平準によるピークカットや非常電源用途のほか、再生可能エネルギーの安定化やスマートグリッドの構築など、さまざまな用途で利用されており、環境負荷の低減、カーボンニュートラルの実現に貢献しています。
NAS電池は、世界的な第三者安全科学機関であるUL Solutionsによる評価プログラムを通じ、定置用蓄電池の安全規格UL1973のUL認証(単電池・モジュール)を取得しています。また、バッテリーおよび蓄電池システム内の火災リスクを検証する試験規格であるUL9540A規格に基づく試験レポート(単電池・モジュール・設置レベル)を取得し、UL9540A規格に基づく要件への準拠を確認しています※。
- ※コンテナ型NAS電池(及び搭載される単電池・モジュール)を対象としています。
以上