製品情報
ハンガリー国立のエネルギー研究所向けにNAS電池を受注
エネルギー転換を見据えた実証プロジェクトに活用
2023年07月24日
日本ガイシ株式会社(社長:小林茂、本社:名古屋市)は、ハンガリーのエンジニアリング企業であるDuna Center Therm Uzemi Szolgaltato Kft.を通じて、ハンガリー国立のエネルギー研究所から電力貯蔵用NAS電池を受注しました。
受注したNAS電池は、ハンガリー国立のエネルギー研究所で実施される再生可能エネルギーの安定化用途に最適な定置用大型蓄電池を検討する実証プロジェクトに使用されます。ハンガリーでは、カーボンニュートラルに向けた非化石燃料へのエネルギー転換が進められており、実証を通じてエネルギーの安定供給とカーボンニュートラルの両立を目指します。大容量で長時間放電できることが特長のNAS電池は、太陽光発電のピークシフトに適していること、豊富な実績があり蓄電技術として信頼性が高いこと、多重的な安全設計や設備の監視体制が厳しい安全管理が求められる国立研究所内の設置基準を満たしていることが高く評価され、採用が決定しました。
2050年のカーボンニュートラル達成を法制化しているハンガリーは、2030年までに発電量の90%を低炭素電源に転換する目標を掲げています。エネルギーセクターへの投資を2023年から2030年までの7年間で、過去7年間と比較して5倍に拡大することも発表しており、再エネの導入が急速に進められています。本実証で得られたデータは、ハンガリーの国営エネルギー会社MVMグループなどにも共有され、実証結果をもとに、ハンガリーで今後導入する定置用大型蓄電池の性能基準が検討される予定です。平坦な地形が多いハンガリーでは、高低差が必要となる揚水発電※1の建設が困難なため、代替としてNAS電池のような大容量の蓄電池の需要が高まっており、本実証を皮切りに、今後同様の実証への採用が期待されます。
NAS電池は、再エネの安定化や電力需給バランスの調整、非常用電源などさまざまな用途で利用されており、現在までに全世界で250カ所以上、20年以上の安定的な運用実績があります。当社は今後もNAS電池の提案・販売活動をさらに推進し、世界の再エネ導入拡大とカーボンニュートラルの実現に貢献していきます。
受注したNAS電池の概要
設置場所 | ハンガリー国立 エネルギー研究所(ブダペスト市) |
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出力 | 直流 250キロワット(最大出力) |
容量 | 直流 1,450キロワット時(納入時) |
設置台数 | コンテナ型1台 |
用途 | 再エネ安定化用途の定置用大型蓄電池の実証 |
運転開始 | 2024年(予定) |
NAS電池について
NAS電池は日本ガイシが世界で初めて実用化したメガワット級の大容量蓄電池です。大容量、高エネルギー密度(コンパクト)、長寿命を特長とし、長期にわたり高出力の電力を長時間、安定して供給することが可能です。全世界で250カ所以上、総出力72万キロワット(720メガワット)・ 総容量約500万キロワット時(約5,000メガワット時)の設置実績を持ち、電力負荷平準によるピークカットや非常電源用途のほか、再生可能エネルギーの安定化やスマートグリッドの構築など、さまざまな用途で利用されており、環境負荷の低減、カーボンニュートラルの実現に貢献しています。
NAS電池は、世界的な第三者安全科学機関であるUL Solutionsによる評価プログラムを通じ、定置用蓄電池の安全規格UL1973のUL認証(単電池・モジュール)を取得しています。また、バッテリーおよび蓄電池システム内の火災リスクを検証する試験規格であるUL9540A規格に基づく試験レポート(単電池・モジュール・設置レベル)を取得し、UL9540A規格に基づく要件への準拠を確認しています※2。
NAS電池製品情報
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※1揚水発電:水を利用して電気を蓄える蓄電池のような役割を担う設備。発電所の上部と下部に水を蓄える調整池をつくり、電力需要が大きい時間帯には上部から下部へ水を流下させて発電し、電力需要の少ない時間帯には、余剰電力で水車を逆回転させて下部から上部へと水をくみ上げて再び発電に使う。
- ※2コンテナ型NAS電池(および搭載される単電池・モジュール)を対象としています。
以上