製品情報

サーラエナジーの蓄電所向けにNAS電池を受注

2023年07月07日

日本ガイシ株式会社(社長:小林茂、本社:名古屋市)は、株式会社サーラコーポレーションの子会社でエネルギー事業を行うサーラエナジー株式会社(本社:豊橋市)から、蓄電所向け電力貯蔵用NAS電池を受注しました。

蓄電所に設置されるNAS電池のイメージ

 NAS電池は、容量69,600キロワット時(69.6メガワット時)で、一般家庭約6千戸分の一日の使用量に相当する電力を蓄電できます。浜松市内にあるサーラ浜松蓄電所で系統用蓄電池として電力系統に直接接続され、電力の余剰時には蓄電し不足時には放電して電力需給の安定化を図ります。大容量で長時間放電可能なNAS電池の特長を生かし、需給調整市場や容量市場への参入に加え、卸電力市場を通じた裁定取引※1による電力調達コストの削減など、複数の用途で活用(マルチユース)される予定です。NAS電池は、資源エネルギー庁が支援事業を委託している一般社団法人 環境共創イニシアチブの「令和4年度補正 系統用蓄電システム・水電解装置導入支援事業」※2にサーラエナジーが採択され導入されるもので、電力需給の安定化とともに変動の大きい再生可能エネルギー(再エネ)利用拡大への貢献が期待されています。

 カーボンニュートラル達成に向け、太陽光や風力といった再エネ発電のさらなる導入が見込まれている一方で、再エネは季節や天候により発電量が左右されるという課題があります。また、気候変動などによる電力需給ひっ迫への対応も社会課題となっています。系統用蓄電池を電力需給に応じて充放電することで、これらの課題解決につなげることができます。

 NAS電池は、再エネの安定化や電力需給バランスの調整、非常用電源などさまざまな用途で利用されており、現在までに全世界で250カ所以上、20年以上の安定的な運用実績があります。当社は今後も系統用蓄電池をはじめとする大容量蓄電池のニーズに応え、再エネの普及促進と電力需給の安定化を図り、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献していきます。

受注したNAS電池の概要

設置場所 サーラ浜松蓄電所(静岡県浜松市)
容量 69,600キロワット時(69.6メガワット時)
設置台数 コンテナ型NAS電池48台
用途 電力需給調整、容量市場・需給調整市場・卸取引市場などへの電力供出
着工 2023年7月
運転開始 2026年春頃(予定)


NAS電池について

 NAS電池は日本ガイシが世界で初めて実用化したメガワット級の大容量蓄電池です。大容量、高エネルギー密度(コンパクト)、長寿命を特長とし、長期にわたり高出力の電力を長時間、安定して供給することが可能です。全世界で250カ所以上、総出力72万キロワット(720メガワット)・ 総容量約500万キロワット時(約5,000メガワット時)の設置実績を持ち、電力負荷平準によるピークカットや非常電源用途のほか、再生可能エネルギーの安定化やスマートグリッドの構築など、さまざまな用途で利用されており、環境負荷の低減、カーボンニュートラルの実現に貢献しています。

 NAS電池は、世界的な第三者安全科学機関であるUL Solutionsによる評価プログラムを通じ、定置用蓄電池の安全規格UL1973のUL認証(単電池・モジュール)を取得しています。また、バッテリーおよび蓄電池システム内の火災リスクを検証する試験規格であるUL9540A規格に基づく試験レポート(単電池・モジュール・設置レベル)を取得し、UL9540A規格に基づく要件への準拠を確認しています※3

NAS電池製品情報


  • ※1裁定取引(アービトラージ):卸電力市場価格が安い時に充電、高い時に放電するよう制御する取引。電力調達コストの削減を図る。
  • ※2令和4年度補正 系統用蓄電システム・水電解装置導入支援事業:2050年のカーボンニュートラル、2030年のエネルギーミックス達成に向けて、再エネのさらなる活用や導入拡大のため、各種電力市場での取引などを通じて余剰再エネの吸収や調整力の供出が可能な系統用蓄電池や水電解装置のリソースを導入する事業者に対して、当該経費の一部を助成する事業。
  • ※3コンテナ型NAS電池(および搭載される単電池・モジュール)を対象としています。

以上

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