製品情報
チップ型セラミックス二次電池「EnerCera」シリーズ
ルネサスとメンテナンスフリーIoTデバイスの普及に向けた協業を開始
2021年03月02日
日本ガイシ株式会社(社長:大島卓、本社:名古屋市)は、ルネサス エレクトロニクス株式会社(本社:東京都江東区、以下ルネサス)とメンテナンスフリーIoTデバイスの普及に向けた協業を開始しました。協業第一弾として「EnerCera(エナセラ)」シリーズとルネサスの超低消費電力マイコン「REファミリ」を組み合わせて、脱炭素社会の実現に資するワイヤレス空気質センシングシステムのリファレンスデザイン(参照設計)を開発しました。
社会課題の解決には、あらゆる場所からデータを収集し利活用することが有用です。一方、日本を含む世界各国が2050年までに温暖化ガスの排出を実質ゼロにする目標を掲げるなど、世界で脱炭素化の動きが加速していることから、データ収集のために多数のIoTデバイスを実装しつつ、電力消費量を削減することが求められます。このような社会の実現には、デバイス周辺の光や熱、振動など環境の中にあるエネルギーから得られる微弱な電力で駆動し、かつ電池交換が不要なメンテンナンスフリーIoTデバイスの開発が求められています。
EnerCeraシリーズは、小型・超薄型でありながら高容量・低抵抗・長寿命を特徴とするリチウムイオン二次電池です。微弱な電流で効率よく充電しながら、センシングや通信などに必要な大電流放電を断続的に行うことが可能なため、メンテナンスフリーIoTデバイス用電源として最適です。電池にためた電力でデバイスを駆動するには、電池とセンサーICや通信ICなどをつなげるマイコンが必要なことから、業界トップレベルの超低消費電力を実現したREファミリを有するルネサスと、メンテナンスフリーIoTデバイスの普及に向けたリファレンスデザインを開発しました。
ルネサスのIoT・インフラストラクチャ事業本部エンタープライズ・インフラ・ソリューション事業部 ローパワープロダクト部長の溝口誠氏は次のように述べています。
「日本ガイシの電池技術とルネサスの超低消費電力技術により、バッテリーメンテナンスフリーなIoTデバイスの普及を加速することができます。」
当社の執行役員エレクトロニクス事業本部ADC事業部長の大和田巌は次のように述べています。
「ルネサスとの協業によりメンテナンスフリーIoTデバイスの開発が促進され、脱炭素を実現しながら社会課題が解決されることを確信しています。」
協業の第一弾として、太陽電池で駆動するワイヤレス屋外空気質センシングシステムのリファレンスデザインを開発しました。大気環境保全のため、さまざまな有害物質のモニタリングが行われていますが、従来のセンシングシステムは消費電力が大きいため電源ケーブルが必要で、設置できる場所が限られるなどの問題がありました。超低消費電力のREマイコンと低抵抗・高容量なエナセラを組み合せると、太陽電池から得られる微弱で間欠的な電力でも屋外の空気質指数を常時測定でき、電源ケーブルの配線や電池交換の手間なく、大気汚染度合いをモニタリングすることができます。LPWA(省電力広域無線通信)などの長距離無線通信も可能なため、多数のセンサーからの測定値を集中管理することも可能です。
環境モニタリングにとどまらずさまざまな分野で、今後も継続してEnerCeraシリーズとREファミリを組み合わせたメンテナンスフリーIoTデバイスの普及を実現するリファレンスデザインを開発していきます。
脱炭素社会の実現に資するワイヤレス空気質センシングシステム
超低消費電力のREマイコンと低抵抗・高容量なエナセラを組み合せると、太陽電池から得られる微弱で間欠的な電力でも屋外の空気質指数を常時測定でき、電源ケーブルの配線や電池交換の手間なく、大気汚染の度合いをモニタリングすることができます。
特長
- 太陽電池からの微弱な電力でも効率よく充電
- ガスセンシングや無線通信に必要な大電流を放電
- 夜間などでもエナセラにためた電力で安定動作可能
EnerCera製品サイト
EnerCera特設サイト
ルネサスの超低消費電力マイコン「REファミリ」
以上