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JAXA種子島宇宙センタ-向けNAS電池を受注
電力の安定化と省エネルギー化に貢献

2021年02月04日

日本ガイシ株式会社(社長:大島卓、本社:名古屋市)は株式会社九電工(本社:福岡市)から、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下JAXA)の種子島宇宙センター向け電力貯蔵用NAS電池を受注しました。

 JAXAでは現在、種子島宇宙センターでの基幹ロケットの確実な打ち上げのため、電力システムのさらなる信頼性向上を目的に、大型蓄電池の整備などのさまざまな取り組みを進めています。大容量を特徴とするNAS電池は、容量(放電時間)、耐環境性、ライフサイクルコストに加え、豊富な設置数や長期の運用実績による信頼性が射場の電力基盤構築に適していると評価され、この度の採用が決定しました。

NAS電池は以下の用途で使用されます。 

1.非常用電源(発電機のバックアップ)

 種子島宇宙センターでは、打ち上げ作業に関わる電力の安定供給と、落雷や台風などの自然災害時のBCP(事業継続計画)のため、複数の発電機が24時間365日稼働しています。万が一、発電機が故障した際にはバックアップとしてNAS電池から電力を供給します。発電機と大容量のNAS電池を組み合わせることで、さらなる電力の安定供給を実現します。

2.周波数安定化(電力品質の向上)

 発電機が追従できない電力の負荷変動をNAS電池の充放電で吸収し、電気の周波数変動を抑えて電力品質を高めます。

3.発電機の高効率運用による省エネルギー化

 発電機は一定の出力で連続運転することにより、効率を高めることができます。電力使用量が発電機の発電量より少ない場合は余剰分をNAS電池に充電し、上回る場合は放電して電力負荷を平準化することで発電機の高効率運転を維持し、化石燃料使用量と二酸化炭素(CO2)排出量の削減を実現します。またNAS電池は大容量で長時間稼働が可能なため、発電機の運転台数削減にも寄与します。

 NAS電池は2002年の事業化以来、全世界で200カ所以上、総出力60万キロワット(600メガワット)・総容量420万キロワット時(4,200メガワット時)以上設置されています。期待寿命が15年と長いことも特長で、すでに複数の設備で15年の運用期間を迎え更新された実績も持っています。当社は今後も、豊富な実績を持つ大容量蓄電池としてNAS電池の提案・販売活動をさらに推進し、電力の安定供給と効率利用を支え、エネルギーコスト削減や環境負荷の低減、脱炭素化に貢献していきます。

<受注したNAS電池の概要>

設置場所:
 種子島宇宙センター(鹿児島県熊毛郡南種子町)
定格出力:
 2,400キロワット
定格容量:
 14,400キロワット時
用  途:
 非常用電源、周波数安定化、発電機の高効率運用
運転開始:
 2021年4月(予定)

種子島宇宙センターに設置されたNAS電池
種子島宇宙センターに設置されたNAS電池

NAS電池製品情報
JAXAホームページ 射場の電力基盤におけるD&3E確立  種子島宇宙センター大容量電力貯蔵システム

以上

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