DX推進事例

独自の赤外線技術とAIを応用し、医薬品開発に貢献

NGKグループは、2030年に新事業で売上高1,000億円以上を目指す「New Value 1000」を進めています。ライフサイエンス分野にも注力しており、2024年4月からは医薬品開発向けに独自の赤外線技術を応用した世界初の「有機化合物の結晶探索サービス」事業を開始しました。さらに人工知能(AI)を用いた独自の結晶形予測ソフトの開発にも取り組み、本サービスを通じた医薬品開発への貢献を目指しています。

世界初の赤外線を用いた有機化合物結晶探索サービスを開発

有機化合物結晶探索サービスは、有機化合物に特定波長の赤外線を照射するという世界初のアプローチを用いる点が特徴で、従来の探索手法では発見するのが困難だった結晶形の析出が期待されます。

医薬品は同じ化合物であっても結晶化したときの構造が異なっていることがあり、この構造の違いが医薬品の効果や保存期間などに影響します。そのため、医薬品開発では数ある結晶形の中から最適な結晶形を探索することが重要になります。当社は特定波長の赤外線を照射できる独自の波長制御技術を活用することで結晶形を探索する新しいサービスを開発しました。これにより従来の手法では発見が困難であった未知の結晶形の発見可能性を高め、医薬品などの開発に寄与することが期待されます。

有機化合物結晶探索サービス

赤外線を用いた結晶探索のイメージです。特定波長の赤外線を照射できる当社独自の波長制御技術を活用することで、従来条件では得られない発見困難な結晶形を見つけることができる
赤外線を用いた結晶探索のイメージ

AI技術の活用で、結晶探索に新たな可能性を切り開く

有機化合物結晶探索サービスのさらなる質の向上のため、物理化学の理論とAI技術を応用した独自の予測ソフトを開発しています。これは赤外線放射エネルギーの時間変化を解析できる当社開発のソフトを進化させたもので、結晶析出プロセスの明確化とより効率的な結晶形予測の実現を目指しています。

当社独自の赤外線技術とデジタル技術を掛け合わせた本サービスで結晶探索に新たな可能性を切り開き、効率的な医薬品の開発やアンメットメディカルニーズの解消に貢献していきます。

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