サステナビリティ

価値創造

競争力の源泉

必要なのは、複雑な“ ジグソーパズル”を組み立てる技術

NGKグループは創立以来、古くから伝わるセラミックスの製造手法を最新の科学技術で見直し、製品ごとに最適な工程条件の組み合わせを見いだしてきました。そうした技術やノウハウの100年以上に及ぶ蓄積がNGKグループの競争力の源泉です。

 

セラミック製品の製造は、硬くてもろい無機物に命を吹き込んでいく地道な作業です。

 

原料が製品になるまでには3段階あり、各段階で高度な技術が必要になります。

  • 元になる原料の選定と「調合」=混ぜる・練る
  • 製品の形状を付与する「成形」=形をつくる
  • 製品に最適な結晶の構造を実現する「焼成」=焼く

 セラミックスのもとになる原料の粉末は、直径わずか1/1000mm程度。大きいと焼成時間が長くなり、小さ過ぎるとひび割れやばらつきの原因となります。サイズの異なる粉末が混じるとゆがみが発生しかねません。数万種の材料から最適な原料を選び調合しなければならないのです。

調合された原料は製品の形状に応じた方法により成形され、窯で焼成されます。焼成すると原料の粉末同士がくっついて縮むため、製品に仕上がった際には、がいしで約25%、ハニセラムで約10%、サイズが収縮します。ここで重要なことは、成形の段階で粉末の間に、均一で適切な“隙間”を作っておくこと。さもないと焼成したときに縮み方がばらつき、形が変わってしまいます。窯の中の温度分布も重要です。セラミック製品の特性は、原料の粉末が固まってできた微細な結晶の構造で決まり、それは焼成するときの温度や時間に左右されます。窯の中の温度のばらつきで焼成の進み具合に差が出れば、出来上がった製品が均一になりません。

このように、各段階でさまざまな条件を満たすことで、初めて高性能なセラミック製品を作ることができます。いわば、複雑な“ジグソーパズル”。そのための技術やノウハウを幅広く蓄積していることこそが、NGKグループの競争力の源泉なのです。

NGKグループのコア技術

NGKグループの競争力の源泉であるコア技術を描いたツリー図です。材料技術、生産技術・プロセス技術、部品構造設計、解析・評価技術、管理技術の5つの技術分野と、それぞれに属する具体的な技術名が掲載されています。

差別化技術の継承と改良により新製品開発に挑む

大平 直人(おおひら なおと) 研究開発本部CCDプロジェクト 主任の写真です。研究開発本部CCDプロジェクト 主任
大平 直人

チップ型セラミックス二次電池「EnerCera(エナセラ)」の心臓部に当たる「セラミックス電極板」の開発にこれまで携わってきました。現在は、量産プロセスの構築や、より高度な材料の開発に取り組んでいます。目指しているのは、今よりもさらに容量が大きく、耐久性、耐熱性に優れた材料です。

EnerCeraを開発できたのは、NGKグループが「結晶配向技術」「異種材積層技術」という2つの差別化技術を持っていたためです。これらの技術は、20年以上前に当社グループがインクジェットプリンター用圧電マイクロアクチュエーターを開発していた際、インクの流れをコントロールする「圧電材料」を検討していく中で生まれたものです。そこからさまざまな製品に適用するうちにノウハウが蓄積され、私も加わったEnerCeraの開発に生かされました。

こうした長期間にわたる開発を支えてきたのが、あきらめずに取り組み続けることを是とする当社の風土です。製品としてすぐに結果が出なくても、技術を別の方法で生かせないか考え続けられる環境であることを日々感じています。例えばハニセラムで使われている押出成形技術や、薄膜の成形技術は、何十年も前からある技術ですが、今もなお現場の技術者がブラッシュアップを続けています。昔から脈々と続く技術の継承と改良が、最先端製品の開発に直結しているのです。

私は、粘り強く取り組むことに加え、いろいろな人とのつながりも重要だと思っています。我々が扱う技術には、細かく数えれば100以上の分野があり、一人で全部把握することはできません。しかし、当社グループには蓄積された技術だけでなく、優秀な技術者たちが数多くいます。各分野の専門知識を有する彼らからヒントを得ることも多く、開発に向けてアイデアを絞ることができるので、気軽に相談をしています。EnerCeraの開発でも、この方法が役に立ちました。

私は学生時代に金属やセラミックスなど材料系の基礎を学び、新しい材料の開発に一から関わりたいと思い2008年に日本ガイシに入社しました。その頃から、いつか家族や友人に自分が開発に参加した製品を見せたいと思っていたのですが、EnerCeraでようやくその夢がかないそうです。

今後は、全く新しい技術の開発にも携わりたいと思っています。セラミック技術を例えばリサイクルや資源の有効活用と重ね合わせ、こういう技術があればNGKを支える新たな柱になる、というものを考え出したいです。