オムロン フィールドエンジニアリングの再エネ電力自己託送向けNAS電池が運転を開始
大容量蓄電池を活用し再エネ電力の自前調達を促進

　NAS電池は、京都府宮津市内の遊休地（スキー場跡地）に新設される太陽光発電所に設置され、一般送配電事業者の送配電ネットワークを介して遠隔地となるオムロン株式会社の京阪奈イノベーションセンタ（京都府木津川市）に再生可能エネルギー由来の電力（再エネ電力）を供給する自己託送に使用されます。大容量の蓄電が可能なNAS電池とOFEのエネルギーマネジメントシステムを組み合わせることで、日照時間や天候によって発電量が変動する再エネ電力の最適制御が可能となり、再エネ電力の自家発電・自家消費（自前調達）を促進し、事業活動による二酸化炭素（CO₂）排出量の削減に貢献します。OFEは、今後NAS電池の大容量を生かし、災害時の自治体施設の非常用電源としての活用や、容量市場や需給調整市場への参入も検討しています。

　カーボンニュートラルに向け、企業が事業活動の使用電力を100％再エネで賄うことを目指す「RE100」に向けた取り組みが進んでいます。自己託送は、太陽光発電設備を設置するスペースなどの課題から調達が難しかった再エネ電力の導入へのソリューションとして、今後のニーズが見込まれています。

　NAS電池は大容量で長時間放電できるため、再エネの安定化や電力需給バランスの調整、非常用電源などさまざまな用途で利用されています。現在までの設置実績は全世界で250カ所以上に及んでおり、環境負荷低減に大きく貢献しています。自己託送でのNAS電池の有用性を示すことでさらなる拡販を進め、世界の再エネ導入拡大とカーボンニュートラルの実現に貢献していきます。

※自己託送：自家発電設備を保有する事業者が当該設備を用いて発電した電力を、一般送配電事業者の送配電ネットワークを経て遠隔地にある自社工場や事業所などに送電、供給し電力を使用することが可能となる電力供給制度。