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NAS電池を活用した「金門島蓄電池実証プロジェクト」が台湾持続可能エネルギー研究財団の「台湾持続可能な行動賞」SDG7部門金賞を受賞
2021年11月18日
日本ガイシ株式会社(社長:小林茂、本社:名古屋市)が電力貯蔵用NAS電池を納入した「金門島蓄電池実証プロジェクト」が、財団法人台湾持続可能エネルギー研究財団が主催する2021年第1回TSAA台湾持続可能な行動賞(※)のSDG7部門の金賞を受賞しました。
このたびの受賞は、電力需要や発電量の変動によって電力品質が大きく影響を受ける離島において、蓄電池を用いた実証により再生可能エネルギー導入に伴う出力変動を抑制し、電力系統の安定化を実現したことが、SDGs(持続可能な開発目標)の中のSDG7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」に向けた最も優れた行動計画を示したと高く評価されたものです。
NAS電池が設置された金門島は、台北本島から西に約270キロメートルの位置にある離島です。ディーゼル発電設備に加えて、太陽光発電システムと風力発電システムが設置されており、昼間の再生可能エネルギー発電の割合は、総発電量の40%に達することもあります。送電線が本島と連系しておらず系統容量の小さい離島では、再生可能エネルギーの出力変動の影響が大きくなることから、台湾電力は本年1月、台湾最大(当時)の系統連系エネルギー貯蔵システムとして、NAS電池を設置しました。
当社が納入したNAS電池は定格出力1.8メガワット、定格容量10.8メガワット時で、コンテナ型NAS電池9台で構成されています。大容量を特徴とするNAS電池は、金門島の送電系統に接続され、金門島内の太陽光発電や風力発電の余剰電力を蓄電して電力需要のピーク時に供給することで、長時間の電力需要の負荷を平準化(ピークシフト)し、電力系統の変動を抑制して、再生可能エネルギーの有効活用を促進します。さらに停電が発生した場合には、重要な設備に電源を供給する非常用電源としても活用されます。
台湾は、2025年までに再生可能エネルギーの発電量比率を20%まで高める目標を掲げており、台湾電力では再生可能エネルギーの大量導入を見据え、金門島を「スマート低炭素実証島」と位置付けて、さまざまな取り組みを行っています。金門島は台湾で初めてスマートグリッド電力システムを実証した島であり、今回の実証事業の成功は、今後の台湾本島での大規模スマートグリッド建設の指針となるものとして期待されています。
NGKグループは本年4月に策定した中長期ビジョン「NGKグループビジョン Road to 2050」で、取り組むべき社会課題の1つにカーボンニュートラルを設定しました。NAS電池は、全世界で200カ所以上の設置実績を持ち、再生可能エネルギーの安定化やスマートグリッドの構築など、さまざまな用途で利用されています。当社は今後も台湾および世界の再生可能エネルギー導入拡大と環境負荷の低減、カーボンニュートラルの実現に貢献していきます。
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※台湾持続可能な行動賞:国連が掲げる17の持続可能な開発目標(SDGs)の実施について、台湾で卓越した活動を行い貢献した成果を表彰するもの。17の目標ごとに金賞、銀賞、銅賞が設けられている。財団法人台湾持続可能エネルギー研究財団(Taiwan Institute for Sustainable Energy)主催。
納入したNAS電池の概要
設置場所 | 夏興発電所(台湾 金門島) |
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定格出力 | 1.8メガワット |
定格容量 | 10.8メガワット時 |
設置台数 | コンテナ型9台 |
用途 | 再生可能エネルギーの長時間シフト(長時間の需給調整)、電力系統安定化、非常用電源 |
運転開始 | 2021年1月18日 |
以上