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変電用がいしが「でんきの礎」で顕彰

2021年03月31日

日本ガイシ株式会社(社長:大島卓、本社:名古屋市)が東京電力パワーグリッド株式会社、東芝エネルギーシステムズ株式会社、株式会社日立製作所、三菱電機株式会社と開発に関わった「100万ボルト変電機器の開発と実証試験」がこのほど一般社団法人電気学会の第14回「でんきの礎」として顕彰されました。

 「100万ボルト変電機器の開発と実証試験」は、100万ボルト級(以下UHV:Ultra High Voltage)変電機器(変圧器、GIS、避雷器、ブッシング、保護制御システムなど※1)の開発とそれらを実機として設置した試験場での実証試験です。21世紀初頭の電力需要の増大に対応するため、1980年代からUHV送電計画が進められました。UHV昇圧は世界的にほとんど実績がなく、高電圧や大容量化という系統条件を踏まえ、かつ地震や台風など災害が多いうえ、国土が狭く機器を山岳地に設置しなければならない日本の実情に合わせた独自の技術開発が必要でした。従来の50万ボルト級送電技術にはなかった各種新技術・新方式が開発され、東京電力パワーグリッド株式会社新榛名変電所に設置された機器で1996年から実運転を模擬した試験が行われました。これらの成果と知見は50万ボルト変電機器へ反映されるとともに、海外への技術コンサルティングやIEC(国際電気標準会議)規格にも反映され、変電技術発展と国際標準化へ大きく貢献したことが高く評価され、今回の顕彰に至りました。
 当社はUHV向けブッシングとそのブッシングに使われる変電用がいし(がい管)等の設計・開発に関わり、世界最大級の磁器製品である高さ11.5mのがい管とUHVブッシングの開発・製造に成功し、世界の変電技術の発展に貢献しました。

 「でんきの礎」は、技術史的価値、社会的価値、学術的・教育的価値のいずれかを有するおおよそ25年以上経過した電気技術の業績を一般社団法人電気学会※2が顕彰するものです(「人」「モノ」「場所」「こと」の4つのカテゴリーを設定)。その目的は「社会生活に大きく貢献した電気技術」の功績を称え、その価値を広く世の中に周知して多くの人々に電気技術の素晴らしさ、面白さを知ってもらい、今後の電気技術の発展に寄与することです。今回で第14回を迎え、総計87件が顕彰されています。

顕彰名称:
 100万ボルト変電機器の開発と実証試験
 ~新榛名変電所における実証試験を通じた変電技術発展と国際標準化への貢献~

顕彰先:
 東京電力パワーグリッド株式会社、東芝エネルギーシステムズ株式会社、株式会社日立製作所、三菱電機株式会社、日本ガイシ株式会社

顕彰カテゴリー:
 モノ/場所/こと

※1 変電機器:交流電源の電圧を変換するための機器。日本では発電時には送電効率が良い超高電圧(数十万ボルト)で発電し、家庭に届けるまでの送電過程で取り扱いやすい100ボルトまで電圧を落としていく。その電圧を変換する変電所に設置される。

 ・変圧器:電圧を変換する機器
 ・GIS:ガス絶縁開閉装置。開閉器等を絶縁性の高いガスで密閉した容器に納め、コンパクトでメンテナンスを容易にした装置
 ・避雷器:機器を雷による異常な電圧等から保護する装置
 ・ブッシング:変圧器やしゃ断器の中に安全に電気を導く機器
 ・保護制御システム:変電所の機器や送電線を保護するため、電流・電圧等を測定・監視し、異常時には電気の遮断等を制御するためのシステム

※2 一般社団法人電気学会:電気に関する研究の進歩とその成果の利用普及を図ることにより、学術の発展と文化の向上に寄与することを目的として、1888年に創立された学会。

電気学会ホームページ
第14回「でんきの礎」顕彰に関するお知らせ

UHV機器実証試験場
UHV機器実証試験場(東京電力パワーグリッド(株)新榛名変電所内)
※手前に3本立っている柱状の機器が当社がい管を用いたブッシング


日本ガイシはSDGs達成に貢献しています

以上

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