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ドバイ実証案件向け電力貯蔵用NAS電池を受注

2018年06月22日

 日本ガイシ株式会社(社長:大島卓、本社:名古屋市)は、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国で実施される蓄電池実証プロジェクト向けに電力貯蔵用NAS電池を受注しました。

 受注したNAS電池は出力1.2メガワット(1,200キロワット)、定格容量7.2メガワット時で、2018年3月に設置が完了し、今夏に運転が開始される予定です。ドバイに大規模電力貯蔵用蓄電池が設置されるのはNAS電池が初めてです。

 ドバイでは化石燃料からの脱却のために、再生可能エネルギーへの投資を加速させており、南部に世界最大のメガソーラー(大規模太陽光発電所)モハメド・ビン・ラシッド・アル・マクトゥーム・ソーラー・パーク(Mohammed bin Rashid Al Maktoum Solar Park、以下ソーラーパーク) を建設中です。同国は2030年までに合計出力5,000メガワットの太陽光発電と集光型太陽熱発電を導入し、総発電容量に占める再生可能エネルギーの比率を25%に引き上げる計画です。

 NAS電池システムは将来的な再生可能エネルギーの大量導入を見据え、ソーラーパーク内の出力13メガワットの太陽光発電所に併設されました。実証プロジェクトでは、電力系統に対する太陽光発電の出力変動を安定化する電力系統安定化技術としての有効性や、NAS電池の特長である大容量を生かしたエネルギーシフトや周波数調整など複数用途への活用が検証されます。

 NAS電池システムは、中東で運用実績のある唯一の蓄電池システムです。NAS電池は高温動作型の電池であり、外気温の影響を受けることがありません。そのため中東のような高温の地域でも安定した性能を保つことができます。中東諸国ではドバイと同様に太陽光発電の導入が急速に進んでおり、当社は、本実証プロジェクトを足がかりに、中東諸国への販売活動を積極的に推進していきます。

<受注したNAS電池の概要>
出力:1.2メガワット
定格容量:7.2メガワット時
設置場所:モハメド・ビン・ラシッド・アル・
     マクトゥーム・ソーラー・パーク
     (ドバイ首長国)
運転開始:2018年夏予定

電力貯蔵用NAS電池
電力貯蔵用NAS電池

電力貯蔵用NAS電池とは

 NAS電池は日本ガイシが世界で初めて実用化したメガワット級の大容量蓄電池です。大容量、高エネルギー密度、長寿命を特長とし、長期にわたり高出力の電力を長時間、安定して供給することが可能です。他の定置用蓄電池に比べてコンパクトでスペース効率にも優れているため、全世界で約200カ所、総出力530メガワット(53万キロワット)、総容量3,700メガワット時(370万キロワット時)以上の設置実績があります。電力負荷平準によるピークカットや非常電源用途のほか、再生可能エネルギーの安定化に利用されており、節電対策やエネルギーコスト削減、環境負荷低減に貢献しています。

日本ガイシについて

 日本ガイシは100万ボルト級の送変電用がいしも手掛ける世界最大のがいしメーカーで、約100年の歴史を持っています。セラミック技術をコアテクノロジーに、エネルギー、エコロジー、エレクトロニクスの事業領域で地球環境問題に貢献しており、自動車排ガス浄化用のセラミック製触媒担体「ハニセラム」とディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)の世界大手の1社です。「電気は貯められない」という常識を覆し、世界で初めて大容量電力貯蔵システムNAS電池の実用化に成功した、大容量蓄電池のリーディングカンパニーでもあります。

以上

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