持続的な価値創造に向けて
取締役会議長メッセージ
ステークホルダーの皆さまの期待に応えるために、意思決定機能と監督機能のバランスが整った実効性の高い取締役会の運営に取り組み、中長期的な企業価値向上を実現します
近年、経営環境の変化はますます複雑化しており、取締役会においては、より中長期の視点を意識して経営戦略を検討し、企業価値向上を支える役割が強く求められています。そのような認識の下、2024年3月期も企業価値向上に資する数々の重要事項の審議、決定を行いました。大きな成果に挙げられるのは、グループサステナビリティに関する議論の進捗です。環境、品質、安全、人材など、「NGKグループサステナビリティ基本方針」に基づいて特定した9つのマテリアリティに関する意見交換を重ね、当社グループがありたい姿に向かって進んでいくためのアプローチについて整理ができました。「サステナブルな会社としてどうあるべきか」という本質的なテーマに対し、道筋をつけられたことに手応えを感じています。
また2024年6月、株主総会での承認を得て、取締役会は新しいメンバー構成となりました。10人中3人が女性取締役となり、ダイバーシティが強化された構成になっています。加えて、社外取締役をこれまでの3名から4名に増員し、「全取締役の3分の1以上」というガバナンス・コードの要件に対応しました。社外取締役の最大の役割は、独立した立場から客観的な視点で経営助言を行うことであり、当社グループが健全な企業経営を遂行する上で重要な役割を果たします。4名の社外取締役は各々専門分野が異なり経験も豊富なことから、事業転換領域として掲げる「カーボンニュートラル」「デジタル社会」分野に対し、成長促進やリスク管理の局面において頼もしいブレーンとなってくれることを期待しています。
取締役会の実効性については、年1回、外部機関を使って評価を実施しており、指摘事項に対しては早急に対策を講じて実効性向上を図っています。直近の分析・評価において、取締役会の実効性は確保されていることを確認していますが、現状で十分と考えているわけではなく、今後もさらなる向上に努めていきます。
加えて、ステークホルダーの皆さまにNGKグループを理解していただくことも、早急に取り組むべき課題の一つであり、株主・投資家の皆さまはもちろん、従業員を含むすべてのステークホルダーに対して一層の情報開示を進めることが重要と考えています。NGKグループの持続的成長は、ステークホルダーと共にあります。私は、取締役会議長として、株主の皆さまをはじめとするすべてのステークホルダーの利益につながるよう公平性と透明性の推進に努め、引き続きより良いガバナンスのあり方を模索しながら責任を果たしてまいります。
(インタビューは2024年5月に実施)