企業価値向上に向けて
セグメント別戦略

エンバイロメント事業本部

自動車関連事業と産業プロセス事業の2事業体制の下、
稼ぐ力を維持しつつカーボンニュートラル関連領域への事業構成転換を推進します

専務執行役員 エンバイロメント事業本部長 森 潤 の写真

広義に環境に資するビジネスを幅広く展開するエンバイロメント事業本部は、NGKグループの持続的成長に向けて2つの使命を担っています。1つは、プロフィットセンターとして足元の収益を支えることです。世界的なEVシフトへの潮流の中で中長期の需要は縮小となるものの、2030年頃までは3,000億円規模の売上高を維持できる見込みであり、自動車排ガス浄化用セラミックス、自動車排ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度を測定するNOxセンサー等の主要製品の拡販を継続するほか、欧州をはじめとするさらなる規制強化に対応すべく、高機能・高付加価値な次世代製品を市場に投入していく計画です。

併せて、管理指標に用いるNGK版ROIC(営業利益÷事業資産)をベースにコスト削減や適切な在庫コントロール等を進め、より高収益・高効率な事業運営に取り組みます。本事業本部が創出するキャッシュは、NGKグループビジョン実現に向けたさまざまな成長戦略の原資となります。それは、当社グループの未来を切り拓くことと同義であり、一丸となってこの重責を果たしていく考えです。

そしてもう1つの使命は、NGKグループビジョンに掲げるカーボンニュートラル(CN)関連分野での新たな価値提供を牽引することです。大気中のCO2を直接回収するDAC(Direct Air Capture)用セラミックスや、CO2などの分子を分離できるサブナノセラミック膜など、社会の環境ニーズに貢献できる製品や技術の開発に注力しており、CN事業推進部の新設、産業プロセス事業の編入、新製品開発拠点の再編といった取り組みも含め、CNビジネスの本格化に向けて着々と準備を進めています。

先を読むことが難しい時代ではありますが、目まぐるしい環境変化の中でもCNという目指すゴールは変わりません。内燃機関車用製品で蓄積したノウハウを最大限に活用した製品開発を加速させ、CNビジネスへの事業構成転換を成し遂げること、ひいては私たちならではの価値提供により、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

「NGKグループビジョン Road to 2050」に向けた基本戦略

  • NGKグループが取り組む社会課題である、CN・DS関連市場への売上拡大に向けた投資推進の原資を確保するために、プロフィットセンターとしての役割を果たす
  • 独自技術を活用したCN関連の新製品の開発およびNV推進本部との連携による新規マーケット探索

市場ニーズ

  • 世界的なカーボンニュートラルの流れ
  • 世界各国の排ガス規制強化

成長戦略

  • 規制強化に対応した高機能・高付加価値な次世代製品の市場投入
  • DX推進を含めた生産性向上による利益創出
  • カーボンニュートラル関連分野への新しい価値提供

事業概況と見通し

2024年3月期は、環境変化が激しい中、半導体等の部品供給不足の状況改善に伴う自動車生産の回復や、排ガス規制の強化を背景に自動車関連製品の出荷が増加したほか、為替円安のプラス効果により、増収増益を達成することができました。2025年3月期は、EV化の進展を受けて一部製品で需要減が見込まれますが、中国市場向けや産業プロセス事業の売上増等により増収、コストダウンや販売価格改定等により増益を確保できる見通しです。なお、2024年4月よりカーボンニュートラルおよびバイオ領域でのシナジー効果拡大を図るべく、エネルギー&インダストリー事業本部の管轄であった産業プロセス事業を本事業本部のセグメントに組み込みました。

売上高
売上高を表したグラフです。
営業利益
営業利益を表したグラフです。

※2025年3月期から産業プロセス事業をエネルギー&インダストリー事業からエンバイロメント事業に移管しました。数値は産業プロセス事業を含みます。

(インタビューは2024年4月に実施)