企業価値向上に向けて
セグメント別戦略

エネルギー&インダストリー事業本部

NGKグループビジョンで掲げるカーボンニュートラルとデジタル社会の実現に向け、
お客さまの品質・経済性要求に応え、信頼される製品を持続的に提供することに注力します

常務執行役員 エネルギー&インダストリー事業本部長 篠原 宏行の写真

エネルギー&インダストリー事業本部は、エナジーストレージ事業とガイシ事業の2事業部体制の下、電力・エネルギー分野に向けた特長ある製品とサービスの提供により、社会に不可欠なインフラに貢献していくことを目指しています。

課題は世の中に真に求められる製品の提供と収益性の両立であり、エナジーストレージ事業の主要製品であるNAS電池を成長戦略の柱に据え、大容量・長寿命・長時間充放電等の特性を生かしたビジネスモデルの構築を進めます。需要の先行する海外市場での拡販により物量を獲得し、利益創出につなげることを狙っており、今般、販売提携を結ぶドイツの総合化学メーカーBASF社を通じて大型案件を受注しております。太陽光発電や風力発電など、制約が多く天候にも左右される再生可能エネルギー由来の電力の蓄電ニーズにNAS電池の特長はよく合致し、この案件では水素製造設備に安定的に再エネ由来の電力を供給することが可能となり、効率的なグリーン水素製造に活用されます。今後もBASF社との協業により、さらなる受注拡大が期待でき、それを基に工程の自動化や部材のサプライヤーからの適時適切な調達による安定生産の実現でコスト削減を図ります。

ガイシ事業については、製造拠点を置く米国・豪州等で堅調な需要が続いており、また国内においても電力設備投資が計画的に進められることから、これらを確実に取り込み、効率的な事業運営により黒字の継続を図ります。

気候変動対応やデジタル社会の到来はもはや時代の必然であり、電動車の急速充電、AIを支えるデータセンターの電力など、カーボンニュートラルを実現するための再エネ電力需要が飛躍的に増大していくことは明らかです。そのような中、私たちは絶えず変化する市場や技術トレンドにアンテナを張り、電力の安定供給と再エネの有効活用を支える製品群を持続的に提供していくことで、豊かな社会づくりに貢献する事業であり続けたいと考えています。

※ドイツHH2E社のグリーン水素製造プロジェクト向け

「NGKグループビジョン Road to 2050」に向けた基本戦略

  • CN関連市場の拡大の流れを捉え、電力関連分野において新しい社会的価値を提供し収益を拡大
  • DSにより高度化する電力インフラを支える、信頼度の高い製品を社会に安定して提供

市場ニーズ

  • 世界的なカーボンニュートラルの潮流
  • 再生可能エネルギーの拡大
  • デジタルインフラの整備推進

成長戦略

  • 急速に拡大・変化する電力関連インフラを支える製品・サービスを提供し、お客さまの目指すCN等の実現に貢献
  • 2事業の事業構造を積極的に変革し、資産を効率的に活用することで収益性を強化

事業概況と見通し

2024年3月期は、送電網強化計画や再生可能エネルギー関連の投資の活況により米国、台湾、豪州等でがいしの需要が増加したことに加え、電力貯蔵用NAS電池(ナトリウム/硫黄電池)および産業機器関連製品の出荷の継続、為替円安のプラス効果も相まって、8期末ぶりの黒字を達成することができました。2025年3月期は、がいしの需要継続、NAS電池の海外大型案件の受注により増収を見込む一方で原燃料価格高騰の影響は必至なことから、コストダウンやサプライチェーン強化等の施策を推し進め、収益性改善と事業成長を目指します。

売上高
売上高を表したグラフです。
営業利益
営業利益を表したグラフです。

※ 2025年3月期から産業プロセス事業をエネルギー&インダストリー事業からエンバイロメント事業に移管しました。

(インタビューは2024年4月に実施)