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積み上げてきたものを生かし、真のグローバル企業へ


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理念体系の再構築
より覚えやすく分かりやすい言葉に

2019年1月、理念体系の再構築を行い「NGKグループ理念」を発表しました。私たちの使命を「社会に新しい価値をそして、幸せを」とし、私たちの目指すものとして、人材、製品、経営の3つにつき、ありたい姿を定めました。

再構築にあたり、こだわったのは、理念を覚えやすく、理解しやすい言葉に改めることです。地球環境を豊かにし、産業の発展を支え、エネルギーの未来を明るくし、世界中の人々に快適さや幸せをもたらす。そんな製品やサービスを提供し続ける会社でありたいという従来からの思いを、より覚えやすく分かりやすい言葉に凝縮しました。

もうひとつこだわったのが、当社グループ全従業員に共有できるようにすることです。当社グループは世界20カ国に約2万人の仲間がいます。事業の多角化やグローバル化が進み、グループの従業員構成は大きく変化しています。互いに尊重し合い、グループー丸となって最大のパフォーマンスを発揮するためには、グループ全体で同じ使命を持ち、価値観を共有することが大切です。そこで、文化や 言語が違う仲間にも分かるよう、シンプルな言葉を選び、世界中で語れるものにしました。

新たな理念のもと当社グループは一丸となって、セラミック技術にさらに磨きをかけていくことはもとより、もう一度創立の原点に立ち返って製品や業務の質を高める活動を続け、この使命を果たしていきます。

企業風土を改革
本質的な仕事を行えるように

当社グループには、改善しなければならない課題がまだ残っています。残念ながら、社長就任以降、2015年には 競争法違反の問題、そして2018年はがいしの受渡検査不整合の問題が発生しました。昔ながらの慣習にとらわれ、モノが率直に言えない、言い出せない体質が残っていた ことが、問題の根底にあります。

このような体質を変えるため、まずは私が各職場に訪問する機会を増やしました。年間で70回くらいのペースです。 何か困っていることはないか、改善点はないか、と聞いて回っているのですが、最近では、こんなことを考えていたのか、取り組んでいたのか、と感心することも増えてきました。

女性が7割を占めるあるセクションでは、女性が中心となって、家庭と仕事を両立しやすい職場を作り上げました。忙しくなりがちな設計部門は、小さな改善の積み重ねと、斬新な提案ルールの導入で、休みをきちんと取れる職場になりました。

これらは、2017年の人事制度改革により活性化を図った成果でもあります。風土改革と並行して、従業員には粘り 強く、「本質的なことをやろう」「強い意志をもって無駄な仕事を止めよう」と伝え続けています。実際、従業員と話をしていても、意識が変わってきたな、と感じることが多く なっています。

ただ、こうした活動は、経営層が意識を改め、率先しない と続きません。そこで副社長以下部門トップの10人も、自分の部門の何を変えるかを宣言し、フォローアップもするようにしました。こうした「品質経営」に向けた取り組みを全社で徹底することで、より質の高い仕事を行えるよう企業 風土を変えていきたいと思います。

次の100年に向かって
10年以上先を見据え、何をすべきかを考える

これまでに描いてきた2030年までの青写真は、現実的なものになりつつあると考えています。自動車、半導体、電池などは、従来の派生技術で色々と用途展開できますし、現在の延長上で成長は可能です。

ただ、2030年以降については、社会構造がどう変わるか、人間は何を求めるようになるのか、もう少し勉強しなければなりません。世界の人口構成が変わっていくことは避けて通れず、成長の中心は遠からずアジアやアフリカに移ります。その中で消費はどう変わり、何が必要とされるのだろうか。変わる世界に対し、すでに何かと行き届いている先進国では何が必要となるのか。そこから逆算して、今からやるべきことは何か。想像力を働かせ、時間を掛けて考え始めたいと思っています。

また、CO2削減は人類の宿命として必要です。世界中で一緒になって取り組むべきことではないでしょうか。そういう意味で、そこにはビジネスチャンスがあります。例えば今後ますます必要となる再生可能エネルギーには、NAS電池のような大規模かつ長時間放電できる蓄電池が不可欠です。

自らを振り返れば、NGKグループではセラミックス焼成のために炉を使っており、熱効率を高めて省エネにつなげたり、排出物を減らしたりする努力がこれからも必要となります。世の中ではESG的な視点が当たり前となり、投資家もそこに注力している企業に投資したいという顕著な意向をお持ちです。社の方針にそこをどう取り入れていくのか、今後検討を進めます。

私は毎年正月に「今年の一文字」を社内に発表してきたのですが、今年は「一文字」を止めて「初心忘るべからず」という一文にしました。

がいしの検査不整合など過去数年に起こった件を振り返るに、私たちはちょっと思い上がっていたのではないか。
初代社長・大倉和親の「営利でなく、国家への奉仕としてやらねばならぬ」という創業精神とは違ってきているのではないか。そういう思いを伝えたかったのです。

従業員には、企業は何のために存在しているのかをもう一度考えてほしい。社会のルールを守った中で活動し、社会との信頼関係があってこそ、企業は継続できるのです。

100周年を機に、そこからまた始めたいと思います。

日本ガイシ株式会社
代表取締役社長
大島卓