エレクトロニクス事業

エレクトロニクス事業本部長が事業概況を説明

環境変化の波に乗り、2030年には売上高を3倍に

専務執行役員 エレクトロニクス事業本部長 石川 修平の写真です。 専務執行役員
エレクトロニクス事業本部長
石川 修平

「NGKグループビジョン」実現に向けて:
デジタル社会を支える新製品で、新たな可能性を追求

2050年の未来社会に向けて、高速・大容量通信の進展やEV化の加速、自然エネルギーへの転換や水素社会の到来など、私たちを取り巻く環境は大きく変化していきます。当事業本部では、こうした社会の変化を想定し、事業の長期構想と2030年の目標を設定しました。2030年には今期比で約3倍の売上高への成長を目指します。

NGKグループビジョンに掲げられたカーボンニュートラル(CN)とデジタル社会(DS)に対して当事業本部の製品群の特徴を考えると、特にデジタル社会の分野は大きく活躍できるフィールドだと見ています。5Gが普及し始め、スマートフォン1台あたりに搭載される高性能フィルターの使用個数は増加していくため、複合ウエハーの需要は中長期的に大きな伸びが予想されます。将来的には、5Gの先の6G、ミリ波といった新たな通信規格はもちろん、それ以外のさまざまなセンシングデバイスにも応用していけるよう可能性を追求していきます。また、独自のプロセス技術と新たな材料を組み合わせ、半導体や医療分野向けの構造部品や機能部品の開発にも取り組み、新しい分野への展開を目指します。

事業化したチップ型セラミックス二次電池「EnerCera(エナセラ)」はスマートカードやウエアラブルといった用途に加え、工場や店舗でのIoT(モノのインターネット)、輸送の品質管理をはじめとする産業用途など、さまざまな分野の用途開発を進めていきます。

高速大容量通信の進展やデータ利用機会の多様化による技術革新を好機と捉え複合ウエハー、ハードディスクドライブ(HDD)用圧電マイクロアクチュエーター、EnerCeraは、デジタル社会に貢献する製品へ成長させていきます。

NGKグループビジョンのもうひとつの柱であるカーボンニュートラルの分野でも、製品開発を進めています。当面の主力となるのは絶縁放熱回路基板です。電動化の流れに伴い増加する車載用パワーモジュールの需要を確実に捉え、電気自動車(EV)・ハイブリッド電気自動車(HEV)・プラグインハイブリッド自動車(PHV)向けにお客さまの採用を拡大していきます。

また、カーボンリサイクルなど、低炭素社会に向けた取り組みが進む中、水素関連インフラの設置も拡大していくと想定しています。ベリリウム銅の高熱伝導、高強度特性と水素に対して劣化しないという特徴を活かして、ベリリウム銅部材の用途を拡大し、水素社会の実現に貢献していきます。

伝えたいこと:
ビジョンの実現に向け、「モノづくり」と「コトづくり」の両面を強化

NGKグループビジョン実現に向けて、今までのような競争力のある製品を提供する「モノづくり」に加え、お客さまのアプリケーションまでを示した「コトづくり」にも取り組み、将来の成長につなげていきます。現在、当事業本部の事業を支えているHDD用圧電マイクロアクチュエーター、複合ウエハー、ベリリウム銅展伸材などの主力製品は、いずれもお客さまと用途が決まっており、差別化技術により高難度スペックの要求に応えることで成長してきました。しかし、EnerCeraはこうした製品とは異なり、お客さまに働きかけ、アプリケーションを開拓して市場を作り出していく「顧客の行動を促すマーケティング」が重要な課題となっています。単に「電池を使ってください」と販売するだけでは応えてもらえないので、お客さま自身がまだ気付いていないアプリケーションを形で示していくことが大切です。

現状と見通し:
需要増と収益性改善で増益見通し

2021年3月期には、新型コロナウイルス感染症拡大により第1四半期に、エレクトロニクス事業全体で中国や韓国向けの出荷が減少したことに加え、パッケージ事業でマレーシア工場の操業が停止するなど、影響を受けました。下期からは中国の自動車産業を中心に市況が徐々に回復しました。個別製品では、HDD用圧電マイクロアクチュエーターや複合ウエハーの需要が増加した一方、携帯基地局向けセラミックパッケージの需要が減少しました。また、株式売却に伴い、双信電機が第4四半期から連結除外となった結果、売上高は減収、営業利益は需要増やコストダウンにより増益となりました。

2022年3月期は、電子部品関連ではHDD用圧電マイクロアクチュエーターやパッケージ製品の需要が増加するほか、金属事業ではベリリウム銅製品の売上が好調に推移する見込みです。一方、複合ウエハーの売上計上基準の変更や、双信電機が連結除外となったことにより、事業本部全体では減収となる見通しです。利益面では、金属事業・電子部品事業の需要増とグループ会社のNGKエレクトロデバイスの収益改善による黒字化が貢献し、増益の見通しです。

(インタビューは2021年6月に実施)

主要市場

【全世界のデジタルデータの生成量/通信量】
年平均成長率は約3割
2025年には2018年比で5倍以上の
175ZB(ゼタバイト)(IDEMA Japan推計)
※ゼタバイト=1兆ギガバイト

主要顧客

【HDD用圧電素子、複合ウエハーほか】
HDDメーカー、通信デバイスメーカー

事業別売上高比率

事業別売上高比率のグラフ

主要製品

ハードディスクドライブ(HDD)用圧電マイクロアクチュエーター

磁気ヘッドの精密なコントロールに欠かせないHDD用超小型アクチュエーターは、ハードディスクの大容量化と高信頼性を両立させるキーデバイスとして、世界中のデータセンターで活躍しています。

複合ウエハー

セラミック分野で培った独自の接合技術や超高精度薄板研磨技術により開発した電子デバイス用の基板。異なる素材のウエハーを貼り合わせることで、単一材料のウエハーでは実現できない性能や機能を引き出します。

ベリリウム銅

0.045mmの板や条、棒状、直径0.05mmの線状まで、さまざまな合金種と硬さのバリエーションを揃え、ニーズに対応。高強度、高導電性、耐疲労性、高温特性、加工性、耐食性を兼ね備えています。

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