製品情報

東欧初となるNAS電池がブルガリアの窓ガラスメーカーで運転開始
生産拠点の再エネ利用率向上に貢献

2023年09月26日

日本ガイシ株式会社(社長:小林茂、本社:名古屋市)が、ドイツの総合化学メーカーBASFの子会社であるBASF Stationary Energy Storage GmbH(本社:独ルートヴィッヒスハーフェン、以下BSES)から受注し、ブルガリアの窓ガラス・ブラインドメーカーであるRollplast(本社:ソフィア州)に納入した電力貯蔵用NAS電池がこのたび、運転を開始しました。

 NAS電池は、最大出力500キロワット、容量2,900キロワット時で、コンテナ型2台で構成されています。Rollplastのソフィア州内の生産拠点に設置され、屋根置き太陽光発電設備(PV)と連携し、同拠点の再生可能エネルギー(再エネ)の利用率向上と余剰電力の売電に利用されます。大容量で長時間放電できるNAS電池は、PVで発電した電力を蓄え夜間に利用するピークシフトに適していること、豊富な実績があり蓄電技術として信頼性が高いこと、世界的な第三者安全科学機関であるUL Solutionsによる認証・試験レポートを取得していることなどが高く評価され、このたびの採用が決定しました。Rollplastでは、同拠点での生産に必要な電力の約半分を、このたび導入したNAS電池とPVにより賄う予定です。

 2050年カーボンニュートラル達成に向け、事業活動の脱炭素化に向けた企業の取り組みが世界中で加速しています。製造業でも生産拠点の電力源の再エネへの切り替えなどが進められており、Rollplastはブルガリア国内の他拠点についても再エネ利用率を向上させることを検討しています。Rollplastをはじめ、世界の工場の再エネ利用率向上を目的とした大容量蓄電池の利用拡大が期待されます。

 日本ガイシとBSESは、2019年にNAS電池の販売提携契約を締結し、BASFの有する世界的な販売網を通じて、NAS電池の販売を拡大してきました。NAS電池は、再エネの安定化や電力需給バランスの調整、非常用電源などさまざまな用途で利用されており、現在までに全世界で250カ所以上、20年以上の安定的な運用実績があります。当社は今後もBSESと連携し、NAS電池の提案・販売活動をさらに推進し、世界の再エネ導入拡大とカーボンニュートラルの実現に貢献していきます。

納入したNAS電池の概要

設置場所 Rollplast (ブルガリア ソフィア州コスティンブロト)
出力 直流 500キロワット (最大出力)
容量 直流 2,900キロワット時 (納入時)
設置台数 コンテナ型2台
用途 再エネ利用率の向上、余剰電力の売電
運転開始 2023年7月


運転を開始したNAS電池(左)


BASF Stationary Energy Storage GmbH(BSES)について

 BASF Stationary Energy Storage(BSES)は、BASF社の100%子会社です。NAS電池事業の探索・開拓を専門的に担い、NAS電池の販売およびNAS技術を日本ガイシと共同開発しています。

NAS電池について

 NAS電池は日本ガイシが世界で初めて実用化したメガワット級の大容量蓄電池です。大容量、高エネルギー密度(コンパクト)、長寿命を特長とし、長期にわたり高出力の電力を長時間、安定して供給することが可能です。全世界で250カ所以上、総出力72万キロワット(720メガワット)・総容量約500万キロワット時(約5,000メガワット時)の設置実績を持ち、電力負荷平準によるピークカットや非常電源用途のほか、再生可能エネルギーの安定化やスマートグリッドの構築など、さまざまな用途で利用されており、環境負荷の低減、カーボンニュートラルの実現に貢献しています。
 NAS電池は、世界的な第三者安全科学機関であるUL Solutionsによる評価プログラムを通じ、定置用蓄電池の安全規格UL1973のUL認証(単電池・モジュール)を取得しています。また、バッテリーおよび蓄電池システム内の火災リスクを検証する試験規格であるUL9540A規格に基づく試験レポート(単電池・モジュール・設置レベル)を取得し、UL9540A規格に基づく要件への準拠を確認しています

  • コンテナ型NAS電池(及び搭載される単電池・モジュール)を対象としています。

NAS電池製品情報

以上

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