サステナビリティ

リスクマネジメント

リスクマネジメントの考え方

NGKグループは重大なリスクに関し、危機管理基本規定に基づいて以下の各委員会の活動を通じ、リスクの発生を回避・予防しています。また、著しく重大なリスクに関しては、経営企画室所管執行役員の判断で、社長の参加する対策会議を招集し、対応に当たります。
社会経済情勢の不確実性が一層高まりつつある中では、リスクへの感度を高め、リスクが危機へと変わる前に対処を進めることが重要です。そこで、平時には6つの委員会が常時リスクを管理しつつ、リスクが拡大した際にはトップ主導で迅速に対策が行える体制を構築しました。

リスクマネジメント体制図

リスクマネジメント体制図です。平時は、コンプライアンス委員会など6つの委員会が
リスク回避・予防に努め、緊急時には対策会議を招集して対応に当たります。

リスク特定プロセス

従来のリスクマネジメントの過程で判明していた、グループの経営や財務状況に影響を及ぼし得るリスク全般について集約・再評価し、重要なリスクを抽出。ESG会議で審議の上、グループとして管理すべきリスクを特定しました。

リスク特定プロセスを示した図です。リスクの収集・一覧化、リスクの評価、経営トップの審議の流れで、グループとして管理すべきリスクを特定しています。

<リスク・リスク概要・対応策>

リスク リスク概要 対応策
1.事業運営におけるリスク 各事業共通
  • デモ、テロ、戦争、感染症・伝染病など予期せぬ事象の発生
  • 拠点の分散によりグローバルに代替可能な体制を構築
①セラミックス事業
  • 内燃機関自動車の需要減少による当社グループ製品への需要低下
  • 中国市場の競合台頭によるシェア低下
  • 景況悪化や規制時期の遅れなどにより先行投資を回収できない
  • 排ガス規制の強化に伴う新製品や高機能品の増加で需要低下をカバー
  • 環境規制を先取りした技術対応力や供給の安定感により競争力を強化
  • 自動車メーカーの計画や景況変化に適宜対応し、設備投資計画を見直し
②プロセステクノロジー事業
  • 半導体需要の減少に伴う業績と財務状況の悪化
  • 顧客ニーズへの対応遅れ
  • 革新的な半導体製造プロセスの登場
  • リチウムイオン電池正極材、電子部品向け焼成炉における競合の成長による市場シェア低下
  • 直接の顧客である半導体製造装置メーカーと連携し、都度、設備能力や人員・生産体制等を見直し
  • 半導体製造プロセスの動向を注視し需要の変動に素早く対応できるよう適宜生産体制を見直し
  • 客先動向を注視し需要の変動に素早く対応できるよう適宜生産体制を刷新
③エレクトロニクス事業
  • 携帯基地局、データサーバーの需要急減
  • 顧客の技術革新に対応した新技術開発、製品投入ができない
  • 客先動向を注視し需要の変動に素早く対応できるよう適宜生産体制を刷新
  • 客先動向を注視しタイムリーな技術開発
④エネルギーインフラ事業
  • 海外の電力政策の変化
  • 競合企業、競合製品の動向
  • 大容量・長時間用途電池の市場拡大の時期の遅れ
  • 各国の電力政策を注視し需要の変動に素早く対応できるよう適宜生産体制を見直し
  • 技術対応力や供給の安定感により競争力を強化
  • 客先動向を注視し需要の変動に素早く対応できるよう適宜生産体制を見直し
2.研究開発に関するリスク
  • 技術間競争の複雑化によりインプットが十分な成果に結び付かない
  • 既存製品の高性能化のみならず有望テーマの探索にもインプットを継続
3.法令遵守、人権・安全、品質に関するリスク ①法令等の遵守に関するリスク
  • 法令・規制への違反や、人権の尊重、契約遵守などの社会的要請に反した行動による当社グループのレピュテーション低下
  • 従業員への各種教育の実施やハンドブック配布による関連法規制の周知徹底・コンプライアンス意識の向上
  • 重要な不正事案や法令違反については、社外役員とコンプライアンス担当役員から構成される経営倫理委員会で予防と監視
②人権・安全に関するリスク
  • サプライチェーンにおける労働者の人権侵害
  • 従業員の労働災害や疾病・身体・メンタルヘルス問題
  • HR委員会による人権デューデリジェンスの実施
  • 安全衛生基本方針に基づき重大災害リスクの特定とリスクアセスメントによる未然防止対策強化
  • 長時間労働者へのフォローや階層別メンタルケア教育の実施
③品質に関するリスク
  • 重大な市場クレームや契約違反など業務の不備に伴う信用の失墜、利益の喪失、成長の減退等の品質リスク
  • 経営トップの直接指導の下、品質方針に基づき、品質経営統括部が各事業本部の品質活動をモニタリング
  • 重要課題については品質会議を開催して迅速な解決を図る
4.情報システムのリスク
  • 外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、想定外のシステム不具合やセキュリティ上の問題によるデータ処理の停止、データの盗難・破壊・改ざん・喪失等の発生による社会的信用や業務の継続への悪影響
  • グループ内共通の基準に基づいたITセキュリティ体制の構築
  • 従業員に対する情報セキュリティ教育の実施
5.為替、資金および資材調達のリスク
  • 円高による売上高・利益の減少、業績悪化
  • 地域により大きな金融危機などで資金調達が困難となり、当社グループの事業運営や業績・財務状況に悪影響を及ぼすリスク
  • 素材価格の上昇による製造コストの上昇
  • 需要地生産、現地通貨での資金調達、為替状況に応じた最適購買
  • 先物為替予約等によるリスクヘッジ
  • 客先への売価への反映
  • 競争購買、生産性の向上などによるコストダウン
6.気候変動と災害のリスク
  • 将来的に国際的な温室効果ガスの排出規制や環境税・炭素税などの税制が導入された場合、追加的費用による業績悪化
  • 温暖化に伴う海水面の上昇や台風の大型化、局地的な暴雨の頻発等による操業低下
  • 大規模災害や火災等の事故等に伴う生産活動停止による業績悪化
  • 新型インフルエンザやコロナウイルス等の重大な感染症の発生・まん延による操業低下、製品の生産・販売への悪影響
  • 環境負荷低減に貢献する製品・サービスの開発・普及、高効率・低環境負荷な生産技術の開発・導入に注力
  • 「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を2020年2月に表明。具体的な活動を開始
  • BCP(事業継続計画)をグループ全体で推進

海外グループ会社のリーガルリスクマネジメント

NGKグループでは、事業拡大に伴ってグローバル化・多様化するリスクを最小限にとどめるため、海外での事業展開におけるリーガルリスクマネジメント状況の把握強化に取り組んでいます。
海外グループ会社に対しては、半年に一度、訴訟などの法務案件や弁護士の利用状況を、また、年に一度、ヘルプラインの利用、輸出管理、法令関連情報の入手など、リーガルリスクへの対応状況の報告を求めています。報告のうち主要な内容についてはコンプライアンス専門分科会とCSR委員会で報告し、情報を共有しています。
また、海外拠点からの相談に対しては適宜、弁護士と法務部が対応しリスクを回避しています。

アンケートに基づくリスクの抽出と未然防止

日本ガイシと国内グループ会社では、リスクマネジメント体制強化の一環として、2019年度に第2回CRS(Corporate Risk Survey)調査を実施しました。これは従来から実施しているCSA(Control Self Assessment)アンケートとコンプライアンス意識調査アンケートを統合した調査で、日常の事業運営で起こりうるさまざまなリスクの把握と未然防止を目的に、リスク発生の可能性とその影響について回答者の認識を訊ねています。この結果をもとに各リスク対応部門と各本部がリスク対応策を策定してリスク低減に取り組んでいます。