NAS電池

NAS電池とは

NAS電池

NAS電池は日本ガイシが世界で初めて実用化したメガワット級の電力貯蔵システムです。大容量、高エネルギー密度、長寿命を特長とし、鉛蓄電池の約3分の1のコンパクトサイズで、長期にわたって安定した電力供給が可能。電力負荷平準によるピークカット、再生可能エネルギーの安定化に役立ち、節電対策やエネルギーコスト削減、環境負荷低減に貢献します。

NAS電池は、負極(マイナス極)にナトリウム(Na)、正極(プラス極)に硫黄(S)、両電極を隔てる電解質にファインセラミックスを用いて、硫黄とナトリウムイオンの化学反応で充放電を繰り返す蓄電池(二次電池)です。

昼夜間などの電力需要の格差を解決する手段としてナトリウム硫黄電池の原理に着目した東京電力と共同で研究開発しました。

特長

大容量 高出力、長時間の電力貯蔵に適した電池です。
コンパクト エネルギー密度が高く、コンパクトな配置が可能です。
応答性 太陽光・風力発電の秒オーダーの急速な変動にも遅れなく応答、瞬低対策では、ミリ秒単位のレスポンスで施設を守ります。
信頼性 据置型蓄電池で最大の実績を持つNAS電池、徹底した品質管理を行っています。
安全性 多重防護思想に基づく安全設計と工程管理、運転時のフェールセーフシステムがバックボーン。評価機関の認証も得ています。
保守・運用管理 自動制御システムと遠隔監視サービスにより、お客様の日常的な負担をミニマムにします。
短工期(コンテナタイプ) 電池本体を工場で組込んだコンテナを一体輸送、現地工事期間を大幅に短縮します。

ピークカット

  • 常時は、ピークカットにより契約電力を下げ、基本料金を低減します。
  • 昼・夜間電力量料金の差分により、料金低減も可能です。

ピークカット

非常電源

ピークカット+非常電源・瞬低対策

非常電源兼用システム

  • 停電発生時に重要負荷のバックアップが可能です。
  • 排ガスフリーで、手間のかかる燃料補給もいりません。
  • 可動部品が少なく、メンテナンスが容易です。

瞬低対策兼用システム

  • 雷害による瞬時電圧低下時に、生産ラインやオフィスを一括して守ります。
  • 短い時間で繰り返し発生する電圧低下・停電にも有効に機能します。

再生可能エネルギーの安定化

化石燃料に頼らず二酸化炭素(CO2)も排出しない再生可能エネルギーが注目を集めています。風力や太陽光は無尽蔵でクリーンな資源。しかし、気象に左右される不安定なエネルギーでもあります。この出力の変動をNAS電池による充放電で吸収し、電力供給を安定化させることができます。

変動エネルギーの安定化(自然エネルギー併設)

蓄電池(二次電池)の中でも、定置型の大規模な電力貯蔵に適しているNAS電池。長期にわたって安定した電力供給が可能です。同様な定置用に開発されている他の二次電池と比べて、エネルギー密度、効率、システムコスト、コンパクト性などにおいて優位です。

定置用二次電池の性能比較

◎良 ○普 △劣

  NAS レドックス
フロー
リチウム
イオン

(長寿命型)
ニッケル水素
エネルギー密度
充放電効率
AC 75%
期待寿命
15年
(4,500サイクル)
自己放電
無い
システム価格
電力量(kWh)あたり

安い
設置スペース
コンパクト
適用規模(出力) 大規模
600kw~数万kW
大規模 中規模 中規模 小規模
持続時間
6時間
設置実績(容量)
300万kWh

(日本ガイシ調べ)

NAS電池は負極にナトリウム(Na)、正極に硫黄(S)、両電極を隔てる電解質にファインセラミックスを用いた蓄電池(二次電池)です。NaイオンとSの化学反応で充放電を繰り返します。

単電池構造(セル構造)

NAS電池の単電池(セル)は円筒状の完全密封構造。活物質としてのナトリウム(Na)と硫黄(S)、電解質のファインセラミックスで構成されています。Naは負極活物質、Sは正極活物質。300℃に保たれたセル中で、NaとSは液体、電解質は固体の状態です。固体電解質のセラミック材料はNaイオン伝導性のあるベータアルミナを使用しています。

単電池構造(セル構造)

単電池の内部構造

単電池と
ベータアルミナ管

単電池構造(セル構造)2

動作原理

動作原理図動作原理図

放電時

負極のナトリウム(Na)が電子を放出してナトリウムイオン(Naイオン)になり、固体電解質を通過して正極に移動します。正極の硫黄(S)が外部回路からの電子でNaイオンと化学反応し、多硫化ナトリウム(Na2Sx)に変化します。負極のNaは消費されて減少します。

負極から外部回路に放出されて正極に移動する電子の流れが電力になります。

充電時

外部からの電力供給によって放電の逆反応が起こります。

外部から電圧が加わると、正極のNa2SxはNaイオン、S、電子に分かれます。Naイオンは固体電解質を通過して負極に移動します。Naイオンは負極で電子を受け取ってNaに戻ります。

安全性

数々の安全性検証試験を行なっています。その高い安全性が認められ、消防法において規制緩和を受けています。

安全性能確認試験

外部加熱

外部加熱

外部で火災が発生した場合の安全性確認

水没放置

水没放置

浸水した場合の安全性確認

落下

落下

落下等外的衝撃を受けた場合の安全性確認

外部短絡

外部短絡

外部で短絡が発生した場合の安全性確認

日本ガイシは1984年から東京電力と共同で、NAS電池用固体電解質の開発を開始。1989年からは研究範囲をNAS電池の開発に拡大しました。

NAS電池の原理は、1967年にアメリカのフォードモーターが発表したものです。電気自動車の電源用としてフォードやドイツのABBなどが、また電力貯蔵用としてアメリカのGEなどが開発に取り組みました。日本では国主導のサンシャイン計画、ムーンライト計画の中で電気自動車用と電力貯蔵用のNAS電池開発が進められました。

民間として開発を進めてきた日本ガイシと東京電力は、長期性能と安全性の確立に成功。2002年に事業化し、2003年から世界で初めて量産を開始しました。その後、システム規模と海外市場も含めた用途の拡大を図り、2010年には生産能力を15万kW/年に増強しました。

開発から事業化まで

「NAS」は日本ガイシ株式会社の登録商標です。

NAS電池の火災事故と対応について

NAS電池に関するお問い合わせ

電力事業本部 営業統括部 エナジーデバイス営業部 NAS電池営業グループ