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災害時の停電対策を強化するKDDIの基地局実証に日本ガイシの亜鉛二次電池「ZNB」が採用
大容量で発火リスクがない安全な蓄電池としてレジリエンス強化に貢献

2024年04月11日

日本ガイシ株式会社(社長:小林茂、本社:名古屋市)が開発中の亜鉛二次電池「ZNB」がKDDI株式会社(本社:千代田区)の商用基地局向けバックアップ電源の実証に採用されこのたび、運転を開始しました。ZNBは非常用蓄電池として、基地局のレジリエンス強化に利用されます。稼働中の基地局で亜鉛二次電池が運用されるのは全国初の事例となります。



「ZNB」の単電池(前)とモジュール電池

 ZNBは、負極に亜鉛、正極と負極を隔てるセパレータに当社独自のセラミックスを使用した蓄電池です。電解液に可燃性の有機溶剤を使用しないため安全性が高く、高エネルギー密度(コンパクト)のため、屋内などあらゆる場所に設置できることが特長です。

 基地局には通常、数時間程度電力を供給できる蓄電池が内蔵されていますが、近年激甚化する自然災害などによる大規模停電の際も継続して稼働できるように、バックアップ電源の増設が進められています。一方で、基地局向け電源で主流となっている鉛蓄電池は、重量があるため耐荷重の問題から建物の屋上などに設置できないケースがあります。

 ZNBは、内部発火や熱暴走のリスクがないこと、同容量の鉛蓄電池と比較して約半分の体積・重量で有害な鉛を含まないことから、設置場所を選ばないバックアップ電源としてこのたびの実証採用に至りました。ZNBの導入により、停電時でも24時間以上基地局の稼働が可能となります。ZNBは、KDDIエンジニアリング株式会社(本社:渋谷区)による事前評価のうえ設置されており、KDDIの屋外基地局での1年間の運用を通じて実環境における各動作検証を行う予定です。

 当社は今後、ZNBについて、大容量で安全な蓄電池として、鉄道などのインフラ施設のほか、官公庁、病院といった公共施設、店舗やオフィスビルのような商業施設など他分野への用途拡大を目指します。

 NGKグループは、2050年の未来を見据えた中長期ビジョン「NGKグループビジョン Road to 2050」で、カーボンニュートラルとデジタル社会分野への事業構成転換を掲げており、通過点である2030年に新事業で売上高1,000億円以上を目指す「New Value 1000」に取り組んでいます。今後もZNBをはじめとする当社の成長に資するテーマの開発に注力し、新製品・新事業の創出を進めていきます。

実証に採用されたZNBの概要

設置場所 愛知県西尾市一色町
出力 48ボルト
容量 1,000アンペア時 (納入時)
設置台数 1台
用途 基地局のバックアップ電源
実証開始 2024年4月


(左)亜鉛二次電池の収容箱
(右)亜鉛二次電池「ZNB」

以上

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