製品情報
BASFのアントワープ拠点でNAS電池が運用を開始
長期運用により顧客視点の使用用途やビジネスモデルを検証
2021年10月20日
日本ガイシ株式会社（社長：小林茂、本社：名古屋市）がドイツの総合化学メーカーBASF（本社：独ルートヴィッヒスハーフェン）のアントワープ拠点（ベルギー）に納入した電力貯蔵用NAS電池がこのほど、運用を開始しました。
納入したNAS電池は最大出力1,000キロワット、容量5,800キロワット時で、コンテナ型NAS電池4台で構成されています。BASFの子会社であるBASF New Business GmbH (本社：独ルートヴィッヒスハーフェン)から受注しました。アントワープにあるBASFの大規模なフェアブント（統合生産拠点）で電力網に接続され、2021年9月から運用を開始しました。本件は、BASFへのNAS電池設置の第1号案件となります。
日本ガイシとBASF New Businessは、2019年にNAS電池の販売提携契約と次世代ナトリウム硫黄電池の共同研究契約を締結しました。以来、日本ガイシの電池のシステム設計・製造技術に関するノウハウと、BASFの優れた化学の知見を融合させ、さらなる開発に向けて協力しています。このたびのNAS電池導入によりBASF New Businessは、自社でNAS電池システムを保有して長期運用することで、顧客視点のメリットや具体的な使用用途を検証し、最適なビジネスモデルを構築することを目指しています。日本ガイシとBASF New Businessは、お客さまにより包括的な提案ができるようになるとともに、今後の開発のための有用なデータを収集することが可能になります。
NGKグループは本年4月に策定した中長期ビジョン「NGKグループビジョン Road to 2050」で、カーボンニュートラルを取り組むべき社会課題の一つとしています。NAS電池は、再生可能エネルギーの安定化やスマートグリッドの構築など、さまざまな用途で利用されており、全世界で200カ所以上に設置されています。NAS電池のさらなる拡販を通じて、再生可能エネルギーの活用、環境負荷の低減、カーボンニュートラルの実現に貢献していきます。
運用を開始したNAS電池の概要
| 設置場所 | BASFアントワープフェアブント（ベルギー） |
|---|---|
| 定格出力 | 直流1,000キロワット(最大出力) |
| 放電容量 | 直流5,800キロワット時(納入時) |
| 設置台数 | コンテナ型4台 |
| 運用開始 | 2021年9月30日 |
日本ガイシとBASF 大容量電力貯蔵システムNAS電池の販売提携契約を締結（2019年6月発表）
日本ガイシとBASF 次世代ナトリウム硫黄電池の共同研究契約を締結（2019年11月発表）
NGKグループビジョン
※BASF New Business GmbHについて
BASF （ビーエーエスエフ）では、持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、活動しています。この企業目的に基づき、BASFの子会社であるBASF New Business GmbH（BNB ビーエヌビー）のタスクは、BASFの既存事業以外の新たなビジネス機会が見込まれる分野を特定し、BASFのターゲットポートフォリオに適した新規事業分野を見極め、成長をサポートすることです。BNBは、主により高い成長率が見込まれる新興市場に注力しています。また、ドイツのルートヴィッヒスハーフェンに本社を置くほか、香港、韓国、日本、台湾、米国にオフィスを構えています。
2001年に設立されたBNBは、スタートアップ企業のような構造と手法だけではなく、内部及び外部の広範囲なコラボレーションネットワークを活用しています。将来の顧客と緊密に連携して、新しいビジネスを構築および拡大します。BNBには、“Foresight＆Scouting”と、BNBの完全子会社であるChemovator GmbHが含まれます。Chemovatorは、ドイツのマンハイムに拠点を置き、BASFの内部インキュベーターとして、すべての従業員の革新的なビジネスアイデアを市場投入までの時間を加速するための役割を有しています。さらに、BNBには現在3つのビジネスビルドアップユニット、3D-Printing（BNBの完全所有である子会社、BASF3D Printing Solutions GmbH）、E-Power Management、 Functional Feed Additivesがあります。BNBの活動は、BASFベンチャーキャピタルGmbH（BVC）によって補完されています。 BVCの目標は、新興企業に投資することにより、BASFの現在および将来の事業分野に新たな成長の可能性を生み出す事です。
BASF New Business GmbH ホームページ
※BASF（ビーエーエスエフ）について
BASF（ビーエーエスエフ）は、独ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追求、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で約110,000人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント（ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション＆ケア、アグロソリューション）から成ります。2020年のBASFの売上高は約590億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所（BAS）に上場しているほか、米国預託証券（BASFY）として取引されています。
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