企業価値向上に向けて
セグメント別戦略
デジタルソサエティ事業本部
将来の成長の柱となるべく高付加価値品の投入により競争力を高め、
デジタル社会の課題解決に貢献します。
デジタル社会（DS）関連の事業を集約したデジタルソサエティ事業本部は、SPE事業（半導体製造装置用製品）、電子デバイス事業、金属事業の3セグメントの下、デジタル社会におけるさまざまな課題の解決に貢献する製品群の拡充を進めています。本事業本部の最も重要なミッションは、自動車関連事業に次ぐ第2の基幹ビジネスに成長することであり、具体的には、「2030年の売上高3,000億円以上」という2024年3月期の倍に相当する業績目標を掲げています。
半導体および情報通信関連市場は需要回復が足踏みしている現状ではありますが、中長期的にはBeyond 5G、AIやエッジコンピューティングの進展により成長が期待できる分野です。当社グループのDS関連製品も需要拡大ならびに事業拡大を見込んでおり、独自の技術を生かした高付加価値品の開発に取り組みます。NGKグループビジョン2050の通過点として2030年の目標に掲げる「New Value（NV）1000」（＝新事業化品で売上高1,000億円以上を目指す）の達成に向けて、スピード感を持って新製品の開発に取り組んでいます。具体的には、DS関連では映像・通信分野で成長が期待されるCMOSパッケージの事業拡大、光通信やモビリティセンサーに使用される複合ウエハーの早期の商品化を目指します。
また、カーボンニュートラル領域では、EVの普及を背景にEV車載用パワーモジュールへの採用が拡大しているSN※絶縁放熱回路基板の需要拡大を見込んでいます。さらには、本格的な水素社会の実現を見据え、水素インフラ用部材などの開発も視野に入れています。
成長領域で多種多彩な新製品の開発を手掛ける本事業本部は、NGKグループがありたい姿を実現するために取り組む「5つの変革」の一つである「商品開花」の先導役です。マーケティングを担うNV推進本部との連携、協業や異業種連携を活用しながら、市場ニーズ、技術トレンドを的確に把握し、独自の技術を追求した付加価値の高い製品およびソリューション提案で、発展し続けるデジタル社会の課題解決に貢献していきたいと考えています。
※SN：Si3N4（窒化ケイ素）
「NGKグループビジョン Road to 2050」に向けた基本戦略
- デジタル社会に貢献する製品群を集約することにより、社内外の情報を結び付け、シナジー創出を図る
- 半導体関連を中心にDS関連製品の事業を拡大し、2030年に売上高3,000億円超を目指す
- EV／HEV、水素インフラ向けカーボンニュートラルの製品開発
市場ニーズ
- データ通信量の世界的な増大
- Beyond 5Gに向けた通信技術の進展
- AIやエッジコンピューティングの進展に伴う半導体投資額の増加
成長戦略
- 拡大する半導体、電子部品需要の取り込みとタイムリーな設備投資、コストダウン／生産性向上
- DX活用（データ活用、工程自動化）によるスマートファクトリー化
- 新製品の早期創出：NV推進本部との連携により具現化
事業概況と見通し
2024年3月期は、半導体投資やデータセンター投資の抑制等に伴う在庫調整が長期化し、半導体製造装置用製品やハードディスクドライブ（HDD）用圧電マイクロアクチュエーター等の出荷が減少し、為替円安のプラス影響はあったものの減収となりました。2025年3月期はデジタル関連部品の在庫調整が収束に向かいつつあり、下半期以降に市況は徐々に回復する見通しです。市況回復時に需要を確実に取り込むべく増産投資を継続するとともに、次世代製品の開発や新規顧客開拓を推し進めます。また同時に、各事業において生産体制の見直し、コスト削減、DX推進に取り組み、収益性改善を図ります。
（インタビューは2024年4月に実施）