電力関連事業

将来の展望

事業再編を継続しつつ、NAS事業の成長を目指す

ガイシ事業については、国内では省エネの進展などにより電力需要の低迷が続く見通しであることに加え、2020年の発送電分離前までは電力会社の設備投資の抑制傾向が継続するため、送配電がいしの需要は当面、伸び悩むものと見ています。

海外市場では、石油価格の低迷に伴い中東で緊縮財政が継続しているほか、北米では投資がIT対策や配電にシフトしており、全般に厳しい市況が続くと見られます。

こうした中、2017年度には北米事業の再編と小牧工場の生産体制縮小を実施しており、2018年度にはさらに、知多工場の生産体制を1直化します。北米市場向けの一部製品でOEM調達※を進めるなど、成果を上げつつある対策もあるものの、想定以上に市況が厳しく、追加の対策を検討中です。

また、2018年1月、がいしなどの製品について契約に基づく受渡検査を適切に実施していなかった事例が確認され、対象となった製品に品質上の問題がないことを確認して、お客さまへのご説明を行いました。今後は一層の品質管理体制の強化とコンプライアンス意識の向上を図り、再発防止に努めてまいります。

がいしへの需要は、これからもなくなることはありません。事業再編を継続して黒字化を目指すとともに、品質のさらなる向上に取り組み、積み重ねてきた顧客からの信用に応えたいと思います。

NAS事業については、需要本格化にはまだ時間を要するものの、潜在ニーズは高まりつつあると考えています。

パリ協定の2030年温暖化ガス削減目標に向けて、中東で大規模太陽光発電の導入計画が具体化しているほか、欧州では2030年の再エネ比率目標を上方修正する動きも出ています。国内でも、今後、送電網の系統増強回避や太陽光発電のピークシフト用途で長時間用蓄電池のニーズが高まり、2020年ごろから需要が立ち上がってくるものと見ています。

電力産業は今大きな変革期を迎えています。従来、電力のベースロード電源と言えば火力や原子力でしたが、温暖化防止のために石炭火力が駆逐されつつあり、ベースロードも天然ガスと再生可能エネルギーで賄う時代へと移りつつあります。その時には、太陽光などで日中に発電された大量の電気を、夜の消費ピークへとタイムシフトするためNAS電池のような蓄電手段が必要です。

がいしが100年間続いてきた事業なのに対し、NAS電池はこれからの100年を支える事業です。目先は苦しくとも、大きな流れを見据えて事業を進めたいと思います。

また、発送電コストのうち多くを占める配電コストを下げるため、電力の"地産地消"化も進むと見られます。人口が減少していく日本では、過疎地でも大規模な配電網を維持するのは非現実的で、このような配電レベルでの用途に向いているのが、現在開発中の亜鉛二次電池です。

NAS電池を手掛ける中で、蓄電を遠隔監視やメンテナンスを含めて引き受けることで、新たなビジネスチャンスが拓けることが分かってきました。そうしたサービスで先行しているパートナーと組むなどの形で、新たなビジネスをクリエイトするとともに、電力利用の効率化を通じて環境負荷低減にも貢献できればと思います。

NAS電池
世界で初めて実用化に成功した、メガワット級の電力貯蔵システムです。長時間にわたり高出力で電力を供給できることが特長で、国内外で約200カ所の稼働実績があります。

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